【 は行 】


 パイレーツ・オブ・カリビアン  ★★★☆

【2003年 : アメリカ】
 監督:ゴア・ヴァービンスキー /音楽:クラウス・バデルト
 出演:ジョニー・デップ(ジャック・スパロウ)、
    キーラ・ナイトレイ(エリザベス)、
    オーランド・ブルーム(ウィル・ターナー)、
    ジェフリー・ラッシュ(バルボッサ) 他

海賊たちが大海を支配していた時代、カリブ海の英国植民地の港町。ある日、総督のひとり娘エリザベス(キーラ・ナイトレイ)が極悪非道な海賊バルボッサ(ジェフリー・ラッシュ)一味にさらわれる。どうやら狙いは彼女が幼い頃から隠し持つ黄金のメダルらしい。そのメダルとは、実は子どもの頃に出会ったウィル・ターナー(オーランド・ブルーム)が身につけていたものだった。海で溺れていた少年ウィルをエリザベスの乗った船が引き上げた際、彼がその妙な持ち物によって疑いをかけられぬように、彼女がこっそり遠ざけておいたのだ。
ウィルは今や鍛冶屋の青年となっていたが、愛するエリザベスを奪い返すため、バルボッサに立ち向かうことを決意する。そして自らキャプテンと名乗る一匹狼の海賊ジャック・スパロウ(ジョニー・デップ)の助けを借り、大海へと救出に乗り出すのだった・・・。

この作品の醍醐味はなんといってもキャプテン・スパロウの面妖な魅力に尽きます。
あのド派手な出で立ち、常にクネクネと酔っ払じみた胡散くさい言動。だけどなぜか抜群にカッコイイ。これまでも一筋縄ではいかないキャラクターたちを怪演し続けてきたジョニー・デップですが、この役柄によって大人から子どもまで一気にファン層を広げたことは間違いありません。
また、「ロード・オブ・ザ・リング 」での妖精王子が初の本格的な映画出演であったオーランド・ブルームは本作で早くも準主役(人によっては主役と呼ぶかもしれないけど)にクレジットされ、瞬く間にハリウッドスターの仲間入り。ヒロイン、キーラ・ナイトレイも今や人気投票で必ず上位に食い込んでくるモテぶりです。作りたがる人は多いけど十中八九興行的に失敗すると言われてきた海賊映画を異例の成功に導いたのは、魅力ある若手を集めたこのキャスティングとわかりやすいストーリーによるところが大きいハズ。
ディズニー映画だからというわけでもないでしょうが、海賊モノといっても分類的にはファンタジーといいますか、難しい事情はほとんど絡んでこない娯楽作品です。まるでアニメーションを楽しむかのように、ワーと盛り上がってアー面白かった、と満足できるあたりはどことなくかつての「三銃士」を思い出させる雰囲気。
今後は第二弾、第三弾まで続編が決定しているそうで、ともかく再びジャック・スパロウに会えるのだとすれば、それだけでちょっと楽しみです。



 初恋のきた道  ★★★☆

【2000年 : アメリカ・中国】
 監督:チャン・イーモウ /音楽:サン・パオ
 出演:チャン・ツィイー(チャオ・ディ)、
    スン・ホンレイ(ルオ・ユーシェン)、
    チョン・ハオ(ルオ・チャンユー)、
    チャオ・ユエリン(年老いたチャオ・ディ) 他

雄大な中国の自然を背景に、健気な少女の初恋を情緒豊かに描く純愛映画。
都会でビジネスマンとして働いているルオ・ユーシェン(スン・ホンレイ)は、父の急死の知らせを受けて数年ぶりに故郷の村へと帰ってきた。そんな息子に母(チャオ・ユエリン)は、どうしても古いしきたり通りに夫の葬式をあげたいと訴える。ユーシェンは部屋に飾られた父母の新婚当時の写真を見ながら、昔聞いた彼らのなれそめを思い出していた・・・。

とってもいい映画です。
素朴で純粋でまっすぐな恋の始まりを、奇を衒わずに静かに美しく描いたとってもいい映画なんです。
が。
同時にチャン・ツィーの少女時代プロモ巨編という印象は拭えません。
むしろ拭っても拭ってもそこだけが燦然と輝いている感じです。
チャン・イーモウは少女好きだったんだ・・・それはカタカナでいうと四文字だけど、それはあえて言わずにおきましょう。私も大人になったな。(薄笑)



 ハッシュ!  ★★★☆

【2001年 : 日本】
 監督:橋口亮輔 /音楽:ボビー・マクフェリン
 出演:田辺誠一(栗田勝裕)、高橋和也(長谷直也)、
    片岡礼子(藤倉朝子)、秋野暢子(栗田容子)、
    冨士眞奈美(長谷克美) 他

あるゲイのカップルのところへ押し掛けてきて子種をくれと迫る若い女性と、それに振り回される人々をコミカルに描くドラマ。
田辺くんと高橋くんの青年カップルは、まあかわいいといえばかわいいのかもしれないが、日本のゲイの実態を知らないのでよくわからない。彼らがゲイであればこそ活きてくるのは、あのハチャメチャな申し出をさも当然な顔で要求してくる片岡礼子扮する朝子。孤独な女がその淋しさをどうやって癒そうか、がむしゃらに足掻いてる様子が妙に静かに、コミカルに表現されているのが面白いです。
しかしそんな理由で生まれてきた子ども自身の人生については、誰も考えてやらないのかね?母親が愛情さえ注いでやれば、子どもは満足して育つと思ってる?
だとすれば、秋野暢子(主人公の義姉役)が言った通りまったく甘いよな。世間を全然わかってない。
けど、それをのらりくらりとすり抜けようとする今どきの若者の雰囲気や、その一方で大切な人の悲しいことや苦しいことにそっと身を寄せる優しさがあるところなんかをうまく織り交ぜてるなあと思います。
それにしても、あの女ストーカーは怖かった・・・。



 バッファロー'66  ★★★☆

【1998年 : アメリカ】
 監督:ヴィンセント・ギャロ /音楽:ヴィンセント・ギャロ
 出演:ヴィンセント・ギャロ(ビリー)、
    クリスティーナ・リッチ(レイラ)、
    アンジェリカ・ヒューストン(ジャネット)、
    ベン・ギャザラ(ジミー) 他

刑務所帰りの男とゆきずりの少女の奇妙な恋愛をエキセントリックな演出で描く異色のラヴストーリー。
監督・主演は俳優・モデル・ミュージシャンなど八面六臂の活動で知られるアーティスト、ヴィンセント・ギャロ。脚本と音楽も彼自身が担当している。
1966年にニューヨーク州バッファローで生まれたビリー・ブラウン(ヴィンセント・ギャロ)は、5年ぶりに刑務所から釈放され、故郷に帰ることになる。ところが彼はこの5年の空白を、政府の仕事で遠くに行っていたと両親に偽っていた。そればかりか、自分は成功し、裕福で、妻もいるという嘘まででっち上げる始末。
このまま家に帰るわけにはいかないビリーは、ダンス・スクールでレッスン中だった少女レイラ(クリスティーナ・リッチ)を拉致し、両親の前で妻のふりをするよう脅迫するのだったが・・・。

これをですね、まともなラブロマンスとか、ちょっとしたバイオレンスなんかを期待して見てはいけません。がっくり気力を削がれるか、派手にズッコケた拍子にどこかで頭をぶつけるか、悪くすると軽くムカッ腹たつかもしれないので。
けれども、力まず焦らず、 ある意味コメディでも楽しむような感覚で見ていると凄く面白い作品です。画の撮り方、キャラクターの作り方、ストーリーの運び方。ダルーイ空気の中でひとりあくせくしている究極のダメ男を描く話なのに、なんとも味があります。
ほんとにですね、こんなにどうしようもないダメ男って滅多にいないだろうと思うわけですが、そこはやはりヴィンセント・ギャロなんで、そこはかとなく格好良かったりもする。不思議です。そして不思議と言えばクリスティーナ・リッチ演じるレイラもかなり不思議。噂によるとあれはある意味、男性にとって理想の女なんだそうですよ。お母さんのような包容力で、男のダメさを許容してくれる感じなんだって。
「ちょっと丸すぎ?」というくらいふくよかなクリスティーナには、そう言われてみれば確かに独特のかわいさがある。あの体型でこそ滲み出る安心感があるわけです。
この作品に関しては、最初から宣言しておいて構わないと思います。過程はどうあれ、最後は幸せ。
私はオチで大笑いさせて貰いました。



 バーディ  ★★★★

【1984年 : アメリカ】
 監督:アラン・パーカー /音楽:ピーター・ガブリエル
 出演:マシュー・モディン(バーディ)、
    ニコラス・ケイジ(アル・コランバトー)、
    ジョン・ハーキンス(ワイス博士)、
    カレン・ヤング(ハナ) 他

60年代のフィラデルフィアを舞台に、鳥になることを夢みる青年と、彼を見守る友人との交流を描く。
泥沼のベトナム戦線から1人の負傷兵が本国へ帰還した。彼の名はアル・コランバトー(ニコラス・ケイジ)。
自身も顔に酷い火傷を負っている彼は、しかしある目的を持って海軍病院へ向かう。そこに収容されているのは学生時代からの親友・バーディ(マシュー・モディン)で、前線にいた時のショックから精神錯乱を起こし、今や口もきけず病棟に閉じこもっているというのだ。友人として彼が正気に戻るよう呼びかけてやれという担当医師ワイス博士(ジョン・ハーキンス)の言葉で、恐る恐る親友との再会を果たすアル。
しかしバーディは白い病室の片隅で怯えるばかりだった。アルは懐かしい思い出の数々を話して聞かせ、なんとかバーディを立ち直らせようとするが・・・。

ニコラス・ケイジは当時20歳。髪の毛もフッサフサ。(笑)
マシュー・モディンは25くらいかな。きょとんとしてて確かに動物っぽいかも・・・。
バーディはともかく鳥が大好きで、できることなら鳥になってしまいたいと真剣に思っている変わった若者。人間同士の複雑な感情の絡み合いが苦手で、かなり浮世離れしています。
しかしアルはそんな危なっかしいバーディをなんとなく放っておけず、一緒に鳩を採集してやったり、鳩小屋を建てたり、飛行訓練に付き合ってやったりするのです。そんで、自分の危険をまったく顧みないバーディを助けにいき、面倒をみる羽目になるということの繰り返し。
思うに彼がバーディに対して抱いている感情は、もちろん深い友愛ではあるのですが、一種の母性とでもいうか、庇護欲のようなものも混ざってるんでしょうね。そしてバーディも、人間の中ではアルが一番自分をわかってくれてると思ってる。・・・ま、それにも限界ってもんがあるわけですが。
バーディがとうとう鳥になった自分を夢に見るという場面があるのですけど、その滑空する様子をまさに鳥目線のカメラで追うシーンがとっても不思議な感じ。見ているこっちが空を飛んでる気分になれます。

さて、やがて戦争が始まり、別々の戦地へ向かった二人。
深い傷を負ったアルが軍部に呼ばれて向かった病院には、戦争の悪夢によって精神を病んでしまった親友の姿があります。まるで本物の鳥のように壁に身を寄せ、口も利かずに怯えるバーディの姿に底知れぬ焦りと恐怖を感じるアル。戦争で生死の境を彷徨い、心身共に追いつめられたのはアルも同じことです。なのに相棒だけが、自分を置いて見知らぬ世界へ行ってしまおうとしている。昔から遠くの空に酷く憧れ続けたバーディを、いつも不安と共に見つめていたアルには耐え難い光景だったことでしょう。
焦燥からバーディに激しく詰め寄るさまを看護婦に咎められ、「これも私の仕事の一部よ」と言われたアルは思わず口走ります。「奴はおれの、クソったれな人生の一部なんだ!」
うおお。人生の一部ときたか。熱い、熱いぜアル!と思わず唸ったことはさておき、なんといっても一番の山場はあのラストシーンでしょう。物語の最初からここまでを、一瞬でひっくり返すあの衝撃のエンディング。
評価は賛否両論分かれるようですが、私は大好きです。



 ハートブルー  ★★★

【1990年 : アメリカ】
 監督:キャスリン・ビグロー/音楽:マーク・アイシャム
 出演:キアヌ・リーブス(ジョニー・ユタ)、
    パトリック・スウェイジ(ボディ)、
    ロリ・ペティ(タイラー)、
    ゲーリー・ビジー(パパス) 他

連続銀行強盗事件を追う若手FBI捜査官の愛と友情を、サーフィンのメッカ・カリフォルニアを舞台に描くアクション作品。
カリフォルニアのベニス・ビーチではこのところ、元大統領のマスクを被った4人組による連続銀行強盗事件が勃発していた。捜査に当たるのはFBI捜査官パパス(ゲーリー・ビジー)と新しく赴任してきたジョニー・ユタ(キアヌ・リーブス)。2人はこれまでの事件の手口からサーファーの仕業だと推測、ユタはおとりとしてサーファーたちの間に潜入することとなった。サーフィンに挑戦するのは初めてだったユタは、海辺で出会った美人サーファー、タイラー(ロリ・ペティ)に教わることになり、いつしか彼女を愛し始めるようになる。そしてサーファーたちから一目置かれているボディ(パトリック・スウェイジ)という男と顔見知りになり、少しずつ互いの信頼と友情を深めていくのだが・・・。

ある時期に自分の中でキアヌ祭りでも開催しようかと思いたち、いくつか彼の出演作を借りて見たところ、思いのほか盛り上がらなかった挙げ句に祭りの中止を促した決定的な作品。
何が悪いというわけでもないけどどこがいいというわけでもない。
そもそもキアヌ・リーブスという役者は、どんなにきちゃない格好していてもどこか優等生な雰囲気がありますね。一通りなんでもできるけど、よく言えば強烈すぎない。悪く言うと印象が薄い。いえいえ、嫌いじゃないんですよ?ハンサムすぎてその美貌を隠しきれないのかと思うくらい。(笑)
この作品はサーフィンを通して若者たちの青春と友情と善悪の葛藤を描こうという目的だったようです。しかしあれは友情だったのかなあ・・・。これが硬派な男の世界だぜと言われればハァそうですかと言わざるを得ないわけですが。イマイチ琴線に触れなかったので評価も普通。



 バニラ・フォグ  ★★★

【1999年 : アメリカ】
 監督:マーク・ターロフ /音楽:ジル・ゴールドスタイン
 出演:サラ・ミシェル・ゲラー(アマンダ)、ショーン・パトリック・フラナリー(トム)  他

腕のない女シェフとエリートビジネスマンの間に生まれた恋を描くロマンティック・コメディ。
アマンダ(サラ・ミシェル・ゲラー)は母から受け継いだレストランの女シェフ。しかしいつまでも料理の腕は上がらず、店はつぶれかけていた。
ある日いつものように買い出しに行った市場で彼女は不思議な男に声をかけられ、カニを買わないかと勧められる。買うつもりもなかったカニをいつのまにか手に入れるはめになり、わけがわからないまま逃げ出したカニを捕まえようとしたアマンダは、まるで導かれるようにデパートのエリートビジネスマン、トム(ション・パトリック・フラナリー)に出会う。
そしてその日から、不思議な奇跡が起こり始めた。どうしようもなかったアマンダの腕前は一流シェフ並みとなり、 出来上がる料理の数々は魔法のように美味なのだ。その味わいに惚れ込んだトムとの仲も見る間に親しくなっていく一方、アマンダのその奇跡の料理はトムにある疑いをも抱かせ始める・・・。

ええと、正直に申しますと単にショーン・パトリック・フラナリーが見たかっただけです。
そして彼がエクレアを口一杯に頬張り、幸せそうな困り顔で「俺が菓子なんかに心を奪われるなんて・・・」と嘆いているザマを見られたことで元はとれました。 ああかわいかった。
市場にいたあのオッサンは結局ダレだったの?とか、あの魔法いつまで続くの?とか、アンタほんとにそれでいいのかいトム・・・とか言いたいことはいろいろありますが別にどうしても言いたいわけでもないのでもう良いです。サラ・ミシェル・ゲラーは今や恋する十字架バフィーですからね。バニラ風味の霧を出して宙に浮くぐらいのこたするでしょうよ。



 パラサイト  ★★★☆

【1999年 : アメリカ】
 監督:ロバート・ロドリゲス /音楽:マルコ・ベルトラミ
 出演:ジョシュ・ハートネット(ジーク)、
    イライジャ・ウッド(ケイシー)、
    ジューダナ・ブリュースター(デライラ)、
    クレア・デュヴァル(ストークリー)、
    ショーン・ヘイトシー(スタン)、
    ローラ・ハリス(メアリー・ベス)  他

突如田舎町のハイスクールを侵略した異星の生命体と決死の戦いを繰り広げる、6人のティーンエイジャーの姿を描くSFホラー。
オハイオ州の田舎町。優等生だが内気なケイシー(イライジャ・ウッド)はある日、グラウンドで奇妙な生き物を見つけた。蛹のような形をしたそれは水を与えるとたちまち活発に動き始め、教師やクラスメイトを驚かせたが、それこそが実は人間の体内に寄生する宇宙生命体なのだった。
知らぬ間に異常な早さで学校中の人間を浸食していく敵に、今やかろうじて逃れているのはケイシーを始め孤立しがちだった変わり者6名だけ。果たして彼らは、異星からの侵略者を退けることができるのか・・・?

「デスペラード」シリーズや「スパイキッズ」でおなじみのロバート・ロドリゲス監督が手がけた学園ホラーもの。ベッタベタでB級の濃ゆい香り漂う作風が持ち味の彼ですが、本作はそのハジケっぷりがいささかおとなしかったなあというのがロドリゲスファンの感想だったようです。それなりに名作ホラーへのオマージュもちりばめられていたらしい。でもホラー嫌いの私にはさっぱり見当つきません。ともかくこういうホラー嫌いにもさほど抵抗がないレベルの、むしろ思わず笑っちゃうくらいのホラー加減。アハハハハ!!!!! と何度か本気笑いしました。(だって実際笑わせたがってるとしか思えない。)
ティーン向け作品はキライと言っていたイライジャ・ウッドが珍しく引き受けた本作はそこそこに人気を呼び、結果的にはその後の活躍の足がかりにもなったようです。また、今では押しも押されぬ若手ハリウッドスターとなったジョシュ・ハートネットも、妙な寝癖をつけたツッパリ兄サンを演じていて可愛い感じ。ともかくひょろ長い。
作品的には誰がなんと言おうとB級ですが、それはそれで楽しみ方もあるというもの。それってどんな?と具体的に訊かれても困りますけど、とりあえずは深く考えずに笑っとけということでしょうか・・・。



 バロウズの妻  ★★★

【2000年 : アメリカ】
 監督:ゲイリー・ウォルコウ /音楽:アーネスト・トゥルースト
 出演:コートニー・ラヴ(ジョーン・ヴォルマー)、
    ノーマン・リーダス(ルシアン・カー)、
    ロン・リヴィングストン(アレン・ギンズバーグ)、
    キーファー・サザーランド(バロウズ)  他

伝説の作家ウィリアム・S・バロウズの妻、ジョーンの半生とショッキングな死を描く作品。

バロウズ(キーファー・サザーランド)は妻ジョーン(コートニー・ラヴ)と結婚し子供をもうけながらも、実はバイなので、若い男に夢中になり外国旅行にフラフラ出かけてしまうような男。鬱々とするジョーンは気晴らしに女友達とドラッグに耽ったり、かつての恋人ルシアン(ノーマン・リーダス)とその親友で詩人のアレン(ロン・リヴィングストン)たちと遊んだりして過ごしております。
で、この友人ルシアンというのがどういうわけか男にモテモテ。かつては知人にムリヤリ襲われそうになってうっかり相手を殺してしまい、牢獄にはいったこともあります。親友のアレンくんもほんとはルシアンくんが好きなのですが、本人に言えば友情を壊してしまうから、とジョーンに苦しい胸の内を吐露したりして。
でも ルシアンくんが好きなのはジョーンなのですね。ややこしい。
とりあえず、ノーマン・リーダスをあれだけ鑑賞できりゃ私は満足。あとは、コートニー・ラヴならではのあの美貌とデカダンスね。ともかくこの難しい人間関係とジョーンの辿り着いた結末が実話だというだけでもうオナカ一杯です。