このページは、当初のバラックセットの試作機として組んだサークルトロンアンプの試作レポートに、
本製作のセットで生じたトラブル等を合わせて備忘録として載せたものなので、文脈にまとまりがないの
ですが何卒ご了承ください。
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※ 以下は試作機のレポートの後半でトラブルについて紹介していた文です。
通常のPPアンプならこれで完成なのですが、サークルトロンアンプでは少々問題を残してしまいまし
た。それは負帰還を掛けないと通常以上のハムノイズが出るのです。これは回路が動き出して負帰還が効
き出すと聴こえなくなるのですが、球がヒートアップするまでの10数秒くらいはスピーカーから不快な
ジーノイズが出てしまうのです。
この解決法として簡単確実なのは出力にミュート回路を入れる事ですが、これでは対処療法で根本解決
ではありません。それに負帰還を掛けなければ使えないというのも気になるところです。原因は上下の電
源巻線の容量結合のようなのでステレオで組んだ場合にはクロストークも悪くなるようです。
なお、以前からサークルトロンアンプを発表されている「かつ」さんの作例では、電源トランスは市販
の絶縁トランスを上下左右と別々に四つ使っているので何の問題も起きなかったようです。
原因と対策の途中経過
このセットでのノイズレベルはヒートアップ前で2.7mVもありましたが、回路が動き出すと負帰還
の働きによりノイズは減少します。しかし、これも対処療法で根本解決ではありません。電源トランスは
回路図のようにB電源巻線が2つあるのですが、この巻線間の容量を測ってみたところ、4つある端子の
どの組み合わせでも1000PF前後ありました。ヒートアップ前ですから真空管は関係無く、電源トラ
ンスとOPTとの組み合わせに1000PFのコンデンサーが組み合わさった回路なので、それだけを抜
き出すと以下ののような回路(図a)となるのですが、めのさんのシミュレーションでも巻線間に容量が
あると、やはりノイズが出るという結果になるようです。
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