二つのレガッタ
(前頁より)



さてボートレースといえばオックスフォード・ケンブリッジの対校レガッタ
である。
ロンドンっ子が春を待つこの伝統あるレガッタは、まさに日本の東商戦
(東大一橋対校レガッタ)や早慶レガッタでも実感されるように、闘志溢
れる対校戦である。
これらのレガッタには、「優雅さ」はない。

余談ながらオ・ケ両大学の各種スポーツ競技の対校戦に出た選手は
「ブルー」と呼ばれ生涯の名誉となり、尊敬される。だから練習にも試合
にも熱気が溢れる。

オックスフォードは濃青、ケンブリッジは淡青である。これを模して日本
では早くから東大が淡青、京大が濃青をユニバーシティ・カラーにして、
対校戦を続けている。



レガッタが近づくと、新聞や雑誌に選手の紹介や予想記事が書かれて、
パブでも勝敗の予想が、酒ならぬビールのつまみとなる。
「今年もケンブリッジが強そうだ。平均体重は13ストーン10ポンドだぜ」
「いやいやオックスフォードの平均体重は13ストーン1ポンドと軽いが、
筋肉質で漕法が安定している。ここ数年ケンブリッジの重量クルーにや
られているが、今年はダーク・ブルーの勝ちだよ」
「よし、賭けよう」


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