二つのレガッタ
(前頁より)


1973年のオックスフォード大クルーのメンバー表を見よう。
こちらの国では、人を計る伝統的重量単位はストーンである。昔は石
(ストーン)で人の重さを図っていたことから、単位として残っている。
新聞もパンフレットもストーン表示である。日本でいえば「双葉山関は
何貫あるよ」と言った感覚であろう。
1ストーンは14ポンド。キログラム表示では、6.35キロである。
ストーン・ポンドという複雑な重量単位をキロにしてみよう。



パンフレットには出身校と所属カレッジが書かれてあるが、学部は書
かれていない。ユニバーシティはカレッジの集合体であるから、所属
カレッジが意味を持つのである。
面白いことに学年は書かれてなく、年齢が何ヶ月まで分かる。両クル
ーとも意外に年配者が多いのは、各カレッジから選抜されたベテラン
だからであろう。

整調のソーヤー君とコックスのヤロウリス君はハーバード大出身であ
る。こういう背景の深さには驚く。
ミドゥル・フォー(真ん中を漕ぐ3・4・5・6番)の一人であるホール君は、
70・71・72年のブルーであり、これで4年連続出漕の名選手である。


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