日本語が十分インプットされないまま、三歳で渡英した四番目の子次郎君 にも苦労があった。どうにか英語に慣れた頃、近所に日本人の家族がやっ て来た。 美絵夫人は奥さんに医者や買い物を案内した。不安気な顔の坊やは次郎 君にまといついた。 一生懸命日本語を考え、思い出しながら、次郎君が説明している。邦人は 親も子も会社に関係なく、お互いに助け合いであった。 新入りの兒に兄ちゃんと頼られし吾子(あこ)懸命に日本語さがす この歌も前川先生に採っていただいた。 次頁へ