ターリバーン、王冠の宝石返還を要求

UKの宝石の話題(1)


2000年ミレニアムはいろいろな話題を提供してくれる。
ちょっとハイ・ティーの話題に、肩のこらないUKならでは
の宝石のニュースをいかが。


11月8日のBBC News WORLDは、アフガニスタン
のターリバーンが、王室保管の女王の王冠につけられ
ている、有名なダイヤモンドのKoh−i−Noor
(Mountain of Light)の返還を求めていると報道し
ている。



Koh−i−Noorは、150年前にインドから戦利品として
英国に持ちこまれ、ヴィクトリア女王に献上され女王の
王冠の宝石としてはめ込まれたが、メアリー女王(現皇
太后)が1937年(昭和12年)に被られて以来、この王冠
は使用されていない。

ターリバーン(Taleban)とはTalebanタリバンとも呼ば
れ、ここ20年間アフガニスタンの政治を支配している。

起源はアフガニスタンの国内の内乱(共産主義政府対
イスラム教徒)でパキスタンに逃れた難民キャンプで組
織されたイスラム武装反政府集団の「宗教学生の会」
である。母国に帰り首都カブールを支配していた当時
の共産主義政権を倒し、政権の座を維持している。

この「光の山」と呼ばれるダイヤモンドは、特に男性が
身につけた場合「不幸な石」とも言われている。

アフガニスタンの他インド、パキスタン、イランなどがこ
の宝石の返還を要求している。

それはこの宝石が、戦争の勝利品として、血なまぐささ
を秘めているからである。
(このダイヤモンドの歴史だけでも、一冊の本になろう)

ある英国人が入手したのは19世紀に英国軍がインド
のシーク王Ranjit Singhを破ってからである。この宝石
は150年前にヴィクトリア女王に進呈された。

Ranjit Singh王はインドに庇護を求めていたアフガンの
国王から、庇護の見返りに入手していた。

それまでの100年間は、アフガン王朝の王位継承の宝
であった。

アフガン王朝の前はペルシヤ王朝が数百年保有し、更
にその前はインド王の所有であったという。

「この時のインド王朝は、アフガンの子孫であったから、
アフガニスタンに最も高い返還請求権がある」というの
がターリバーンの主張のようである。

しかし英王室は、そう簡単にはこのダイヤモンドを返還
する意思はなさそうである。

But it seems highly unlikely the British royal family will
give up the Koh-i-Noor diamond quite so easily.



UKを知ろう(目次)へ戻る

ホームページへ戻る