少女はグラマー・スクールに
(前頁より)
タイムトンネルを現在に戻り、1992年10月末のファイナンシャル・
タイムズ(FT)週末特集号で、最近の一流私学の学費相場を見てみ
よう。
ここらの生徒はケンブリッジ・オックスフォード・ロンドン大学ヘ進む者
が多い。
通学・寄宿制私学
学校名 通学生 寄宿生 ポンド
ウエストミンスター 男子校 7、575 12、600
セントポール・ガール 女子校 5、652 ・・・・
寄宿制・通学私学
イートン・コレッジ 男子校 ・・・・ 11、610
チェルテナム・レデイス 女子校 6、810 10、725
(最近の円高でも通学生で年間ざっと100万円、寄宿生で150万円
以上の学費がかかる)
「グラマー・スクールは学費がかからずよい教育が受けられてよかった
ですね」
「それに驚いたことに、ウインブルドン区役所からお祝いの電話があっ
てね、感激していたら、それだけじゃないんだ。なんと奨学資金を出し
てくれるというんだ」
「ホー」
「外国人の家の娘にだよ。私たちはジャパニーズですがよろしいんです
かって聞いたが、この国に住んでいれば国籍は関係ありませんとね。
日本で市役所とか区役所が外国人の子に、申請もしないのにこんなに
親切にするかねえ」
「懐の深い国ですねえ、英国は。小百合ちゃんに重ねて乾杯」
二人は英国名物ビターをグイッと空けた。このほろ苦さが何ともたまら
ない。
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