百年の計

(前頁より)



読者諸氏の中には、次のような小話を聞いたことがあるだろう。

・・あるお金持ちのアメリカ人がロンドンに来て、ある庭園の見事な芝生
に驚嘆した。そこで庭師に尋ねた。

「実に立派な芝生の庭だ。どうしたらこうなるのか、お金はいくらかかっ
てもよい。その秘訣を教えてくれないか」

庭師はにこりともせず答えた。
「旦那、簡単なことでさ。水を撒き、芝を刈り、水を撒き、芝を刈り、水を
撒き、芝を刈り、3百年待てばこの程度になりますよ」

アメリカ人の富豪は、顔を赤らめ立ち去った。・・・



アメリカは建国後まだ2百年しか経っていない。全てをお金で片付けよ
うとするが、時間のかかるものもある。とくに歴史の蓄積はお金では買え
ない。

3百年といえば、そうそう、英国人のものの考え方と取り組み方に『学ぶ』
或いは『真似る』べき具体例がある。


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