これがほんまの運天(?)テスト


(前頁より)


美絵夫人と4人の子供たちが到着する前に、ドライビング・ライセンス
を取っておこうという憶良氏の目算は外れた。

大人になっても車に酔うという美絵夫人であったが、「英国では子供
の通学や買い物などの日常生活に、自動車の運転免許は不可欠で
ある。石に齧り付いてでも、日本で取ってロンドンに来るように」との
憶良氏の連絡を受け、慌てて教習所通いをしてライセンスを取得して
いた。

旦那の憶良氏が取り損なったので、ロンドン到着以来すぐに夫人が
ハンドルを握ることになった。

(以来25年間、美絵夫人が車に酔った姿を一度も見たことは無い。
気持ちの持ち方次第で、車酔いの病は跡形もなく完治したらしい。
病は気からとはよく言ったものだと感心する。治ったどころではない。
高速道路をビュンビュンすっ飛ばすのは、九州男児の憶良氏では
なく、東京杉並育ちの美絵夫人である。女性の変身ぶりは、あな恐
ろしやと、昔から男社会で酒の肴に語られる。)

美絵夫人の国際ライセンスは一年限りであるから、到着早々に英国
の免許を取ることにした。



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