５月6日のIRA武装放棄声明と、英国政府の北アイルランド自治
政府再開の要請を受けて、プロテスタント側の代表政党である
アルスター統一党がどう対応するか注目されていた。

アルスター統一党内の右派は、「IRAの武装解除を求めている
のに、武装放棄(武器の非使用）では手ぬるい」と強硬であった
からだ。

しかし、５月２７日のBBC　NEWSによれば、同日開催された党
大会では、862名の代議員のうち４５９名（53.2％）が和平を推進
するトリンブル党首を信任し、凍結中の北アイルランド自治政府
再開へ道が開けたと報じている。
反対は403名（46.8％）であった。

Mr Trimble won a crucial vote of his party's 860 member ruling
council to pave the way to go back into government with
republicans

この大会の結果を受けて、英国政府のマンデルソン北アイルラ
ンド担当相は、直ちに「和平再開の第二のチャンスである」と拍
手を送り、
「北アイルランド和平はこれ以上足元すくいをしていたり、遅れる
と、取り返しのつかない難しいものになっていたであろう。」
Northern Ireland Secretary Peter Mandelson has hailed the
Ulster Unionist Council's decision to back a return to
devolved government as a "second chance to get it right".
"If there is any foot dragging or delay, there will be difficulties."

「この投票は困難な,かつ痛みを伴うものであったろうが、よく決
めてくれた。
しかし、それはカトリック側にとっても同様の困難と痛み伴うもの
であったことを理解しよう」
"I know that this has been a very difficult and painful decision
for unionists," he said.
"But by the same token, this has been difficult and painful for
republicans to produce the statement that they did."

「この決議で、北アイルランドの人々の望んでいる和平が一段と
進むことになろう」
”This is a very good day for Northern Ireland," he said. "David
Trimble's　victory provides the breakthrough that all parties
have been waiting for”

という趣旨の発言を行い、ただちに地方自治再開の指示書に署
名した。

この署名により、５月２９日（月）深夜をもって、英国政府の直轄
統治は終了し、５月３０日(火）自治政府が再開、６月5日より地
方議会が機能する日程である。

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なにはともあれ、北アイルランド和平問題は、いよいよ最終段階
となった。
日本のTVや新聞は目下国内の大問題が多いので、国際問題
が継続的に報道されにくい制約や限界があることはやむをえな
い。

北アイルランド自治政府再開は５月２８日の朝日新聞にも報じら
れてはいるが、BBC　NEWSを補足して、背景などを補足紹介し
た。

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