シティはしたたか
(前頁より)



軒先を外国の銀行に貸した英国政府は、これらの外国銀行がシティ
で稼いだ利益に課税して所場代を取るのである。シティに進出した外
国銀行が、英国人の従業員に支払う給料や店舗維持のために支払う
経費も相当な金額である。憶良氏のようなシティで働く外国人駐在員
の生活費も馬鹿にならない。

英国は、世界の銀行証券保険等の金融機関に、シティという場所を
提供することによって、莫大な収入をあげているのである。



戦前、英国が植民地を持って、工業製品を世界に輸出していた時代
には貿易収入が多かったが、戦後は貿易外取引の収入、中でもサー
ビスの比率が高い。

              貿易収支    貿易外収支   内サービス
1976年(昭和51年) ▲3、995   3、018   2、443百万ポンド
1985年(昭和60年) ▲3、345   6、095   6、687
1990年(平成2年) ▲17、675   4、295   5、201



シティの役割を概観したが、どうしてロンドンでなければならないのか?


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