UKを知ろう


ブッシュはダイアナ妃、チャーチル首相と遠戚

偶然か、先祖の地はワシントンの先祖と近い




情報も世界半周

憶良氏の友人S氏は、四季折々ラスベガスの別宅へ出かけ、適度の
頭の体操をして、優雅な引退の日々を送っている。
最近このような海外暮らしを楽しむ方を友人知己に散見する。
日本では報道されていないような新聞記事などを送ってくれるので、
憶良氏にとってもS氏の情報は貴重である。

ところで先般航空郵便に入っていたラスベガス・レビュー・ジャーナル
という地元紙のスクラップは、面白いので紹介しよう。元ネタは 「The
Associated Press」 ロンドンのED JOHNSON記者の報道である。

ロンドン発の情報が、ラスベガスのマンションで過ごしていた邦人S氏
の眼にとまり、地球を一周して憶良氏にエアメールされたのである。

閑話休題、憶良氏が若干歴史背景や地理を補足しながら紹介しよう。

標題は「Bush,Diana and Churchill related」
つまり過去半世の時の人『チャーチル元首相』『ダイアナ妃』と、イラク、
イラン、北朝鮮を「悪の枢軸」と決めつけ、フセイン大統領を指弾して
いる『ブッシュ大統領』が、親戚になるという。

祖先は英国の郷紳(English squire)

系図学者によると、3人の先祖の系譜を調べて行くと、15世紀のイン
グランドの郷紳すなわち田舎の地主に行きつくことが、ごく最近分か
ったそうだ。

その共通のご先祖は、イングランド中部ノーサンプトンの西にあるバ
ッドビィ(Badby)に住んでいた地方領主ヘンリー・スペンサー(1420-
1478)という。彼はイサベラ・リンカーン嬢と結婚し、二人の男子を得
た。ウィリアムとジョンである。



ウィリアム・スペンサーの家系からは、ダイアナ妃とチャーチル首相
が出た。周知のとおり、ダイアナ妃の実家はスペンサー伯である。
またウィンストン・チャーチルのミドルネーはレオナルド・スペンサー
である。
"Sir Winston Leonard Spenser Charchill"が、彼の正式の名前である。

(余談になるが、憶良氏の銀行の顧問弁護士にジョンソン-ギルバー
ト氏という姓の方がいた。祖先がジョンソン家とギルバート家の婚姻
で、名門の母方の家名を残したかったので、このような長い姓になっ
たそうである。)

チャーチルの生まれた家は、英国の大貴族マールバラ公の、広大な
ブレナム宮殿である。先祖のチャーチル公が、1704年のスペイン王
位継承戦争で、フランスの大軍を撃破した戦功に、アン女王から下賜
された宮殿の一室でチャーチルは誕生した。その家系には、名門ス
ペンサー家の血が流れていたのだ。

ところでもう一人の息子ジョン・スペンサー家では娘がウィリアム・コ
ープ卿(Sir william Cope)と結婚し、その子孫がアメリカに渡った。

1600年代というから、清教徒たちやカトリック教徒たちが、英国から船
に乗り、新世界アメリカに移住した時代である。英國リンカーン州から
アメリカのマサチュセッツ州に移ったその一族のなかに、アン・マーバ
リ(Ann Marbury)という女性がいた。

彼女の直系の子孫、ハリット・フェイ(Harriet Fay)嬢が、ブッシュの玄
祖父(Great-Great Grandfather)と結婚したと、調査機関は述べてい
る。

ブッシュ現大統領は、かねがねチャーチル首相を尊敬しているので、
ブレア英首相が、チャーチルの胸像をブッシュに貸しているそうだ。
その胸像はホワイトハウスの大統領執務室(Oval Office)に飾られて
いるという。

2001年7月に、この胸像を受け取った際に、ブッシュは、冗談で、
「この第2次大戦時の英雄だった元首相と、親戚になれればよいな」
と言ったそうだが、それが実現したのである。

チャーチル首相と親戚になるという知らせに、
「早速チャーチルの墓参りをしたい」
(I look forward to visiting with him)
「時には彼は過去を語るだろうが、目下のストレスの高い状況を考
えると、話したくないかもしれないな」
(Sometimes he'll talk back and sometimes he won't,depend on
the stress of the moment)
と感想を述べたという。

3者の共通の先祖というヘンリー・スペンサーなる人物についての
詳細は、今後の研究によるとの、調査機関の発表である。



ブッシュの祖先は、ウィリアム征服王の息子、ヘンリー1世まで遡れ
るといういう説も唱える系図学者もいるようだ。

イングランドに愛想を尽かして、新世界アメリカに移住したアングロ
サクソンたちも、やはりルーツ探しが好きらしい。

まだ学会が承認しているのかどうか分からないが、コーヒーブレイク
の話題にはなるだろう。

近いワシントンの先祖の地

憶良氏が若干補足すると、ブッシュの先祖が住んでいたバッドビィの
10マイルほどの南にサルグレイヴ(Sulgrave)という小さな村がある。
1560年に建築した館の主はローレンス・ワシントン。アメリカの初代
大統領ジョージ・ワシントンの先祖である。

この館の入り口に掲げられている楯の家紋(三つの星と二本の横線)
が、星条旗のデザインの原型だといわれている。



二人の大統領の先祖の土地が近いのは、偶然であろうがこれも歴史
の面白みといえよう。
(もし当HPの訪問者の英国在住の方が、この地を訪れる機があれば、
写真にとって「晴耕庵の談話室」に送ってください)


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