ロンドン憶良見聞録

爆弾仕掛けたよ



ペルーの日本大使館人質事件が解決して間がありませんが、皆様は、
この物騒な題を見て、何事ならんと驚かれたでしょう。

今から4半世紀も前の実話ですが・・・


「こちらはシティ警察署だが、『XXビルに、時限爆弾を仕掛けた』という
IRAからの電話予告があった。爆発するといけないから、周囲のビル
も全員避難するように」
との警察からの電話に、驚くどころか、動転したのは総務係長の奥谷
君である。

XXビルは狭い道を挟んで斜め前である。爆発すれば、爆風は一気に
支店長席後方のガラス窓に襲い掛かるであろう。広いガラス窓を背に、
悠々と書類を眺めている
支店長の少し薄くなっている後頭部は、ガラスの破片を諸に被ることに
なる。

「次長、大変です。どうしましょうか?」
と奥谷君が憶良氏に伺いを立てるのは、それなりの理由がある。IRA
の時限爆弾騒動に乗じて、いたずら電話も結構多いからである。




次頁へ

「ロンドン憶良見聞録」の総目次へ戻る

ホームページへ戻る