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パリーアーク Parry arc

上端接弧とパリーアーク、内暈
太陽高度が20度から30度くらいのときの 上端接弧の上に、 ふたをするような形でアーク (円形以外の暈) が見えることがあります。 これは、1820年頃にこの現象をスケッチに残した人物の名をとって、 パリーアーク (Parry arc) と呼ばれる現象です。 パリーがスケッチしたのは上で述べたようなアークだけなのですが、 関連するアークがいくつかあって、それらはすべてパリーアークと呼ばれます。

上端接弧や下端接弧は細長い六角柱の氷の結晶 (氷晶) が「長い軸を水平に」 という条件を満たしているときに見える現象ですが、 パリーアークはさらに、六角柱の側面の向きに制約が加わったときに見える現象です。 そういうわけで、パリーアークが見える領域は、 タンジェントアークが見える領域に完全に重なり、 パリーアークが見えているかどうかはっきりとは言い難い場合もあります。

制約は二種類考えられ、一つは「側面のうち二つが水平に」(図1) という条件で、もう一つは「側面のうち二つが垂直に」(図2)という条件です。 パリーがスケッチしたものは 図1 の条件を満たすもので、 こちらの条件のほうが揃いやすく、 単にパリーアークというとこの条件を満たす氷晶によるものを指します。 図2 の条件のときに見られるはずのアーク (「替わりのパリーアーク」 (alternative Parry arc) などと表現されます) は、 あまりはっきりとは確認されていないようです。

六角形
図1: 二つの側面を水平に保った氷晶 図2: 二つの側面を垂直に保った氷晶
さて、同じ図1の氷晶に対してもパターンがいくつか考えられます。 太陽が図1の氷晶の左側にあるとして、 Aから入ってCから出ていく光によるものと、 Fから入ってBから出ていく光によるものです。 前者がパリーのスケッチに相当するもので、太陽に対して凹になるので、 「太陽に凹の (suncave)」パリーアークと呼ばれます。 後者は、その逆で太陽に対して凸になるので 「太陽に凸の (sunvex)」パリーアークと呼ばれます (タンジェントアークの縁からちょっと離れた位置の、 同じような形のアークになります)。

上部タンジェントアークと関連の深い、 太陽より上に現れる場合 (#1) で説明してきましたが、 もちろん、 太陽より下に 下端接弧 と関連の深い、パリーアークが現れることもあります。 下部パリーアーク (lower Parry arc) と呼び、 やはり、「太陽に凹」と「太陽に凸」の二種類があって、 Fから入ってDから出ていく光、 Eから入ってCから出ていく光に対応します。

#1: こちらのアーク (特にパリーのスケッチした凹のもの) を指して単にパリーアークと呼ぶことも多いですが、 はっきりと区別したい場合には上部 (upper) パリーアークと呼びます。

氷晶光路図: パリーアークの氷晶の姿勢と光の経路
名称: パリーアーク、上部パリーアーク
name: (upper) (suncave) Parry arc
氷晶の形状: 六角柱(鉛筆型)
姿勢: 底面/上面を結ぶ軸を水平に、かつ、側面の一つを水平に
光路: →[上の側面→二つ隣の斜め下側の側面]→
氷晶光路図: 下部パリーアークの氷晶の姿勢と光の経路
名称: 下部パリーアーク
name: lower (suncave) Parry arc
氷晶の形状: 六角柱(鉛筆型)
姿勢: 底面/上面を結ぶ軸を水平に、かつ、側面の一つを水平に
光路: →[斜め上側の側面→二つ隣の下の側面]→
氷晶光路図: 太陽に凸の上部パリーアークの氷晶の姿勢と光の経路
名称: 太陽に凸の上部パリーアーク
name: upper suncave Parry arc
氷晶の形状: 六角柱(鉛筆型)
姿勢: 底面/上面を結ぶ軸を水平に、かつ、側面の一つを水平に
光路: →[斜め上の側面→二つ隣の斜め上の側面]→
氷晶光路図: 太陽に凸の下部パリーアークの氷晶の姿勢と光の経路
名称: 太陽に凸の下部パリーアーク
name: lower suncave Parry arc
氷晶の形状: 六角柱(鉛筆型)
姿勢: 底面/上面を結ぶ軸を水平に、かつ、側面の一つを水平に
光路: →[斜め下の側面→二つ隣の斜め下の側面]→

関連項目

上端接弧
(上部タンジェントアーク)
下端接弧
(下部タンジェントアーク)

Contact: aya@star.email.ne.jp.cut_off_here