明治俳書発行の推移




 国立国会図書館及び天理大学附属図書館等に
残されている俳書の初版本の発行状況をグラフ化
したものです。実際の発行数はこんなものではなかったはずですが、このデータからだけでも、明治中期に俳諧ブームがわき起こっていたことが分かります。
 明治20年代前半の俳書の多くは点取り俳諧のものです。
 正岡子規の俳句革新は明治25年に始まりますが、それは明治中期の俳諧の大衆化を土台とし、それを質的に乗り越えようとした運動だったのです。
 27年と37年に発行数が少なくなっているのは、もちろん戦争の影響です。日清戦争と日露戦争が始まると、俳書の発行数は激減します。とすれば、俳句は平和のバロメータなのかも知れません。
 

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