[稲の家 悟友]  稲見栄次

  東京市下谷区西黒門町19番地

 傘借りて田甫もどれば蛙哉
 座敷よりいっそ涼しや台所
 秋風や浪に明るき夜の海
 夕風や寒い寒いと通る人   (「寒い寒い」は新しい口語です。)

 四世夜雪庵の門。明治36年で67歳。それにしては新しい語調です。旧派としてはあまり巧くないのが幸いした?


 関わった俳書

立几披露句集 稲見悟友編 東京 編者刊 明24.04
静処発句集   未暁庵大木静処著 橋本採芝・曲水編 悟友題字 曲川序 尾張 橋本採芝未暁庵蔵板 明28.01

 

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