芭蕉→素堂→馬光→素丸→野逸→白芹→道旧→菊雄→

 [彩秋庵 楓涯]  田中楓涯

  東京市本郷区新花街94番地

  鮒釣も子の日遊ひか小松川
  夕立やあとひと降は星の空
  虫撰み耳に迷ひを覚えけり
  雪の歯朶おもて白とも言はまほし
 


 楓涯→

 [愛秋堂 楓子]  田中[禾茲]郎

  東京市本郷区湯島新花街94番地

  間近くに見えて上野の鐘かすむ
  雪焼の樹から日の洩る清水かな
  つまる日に足すか紅葉の夕明り  (「足すか」という発想が月並調。)
  列卒觸に踏消して出る榾火哉   (「列卒(せこ・かりこ)」は狩場の人夫。「触」はお触れ(知らせ)ではなかろうか。

  たぶん楓涯の息子。句が若い。1句目と2句目は写生的な句です。新しい世代だったのでしょうか。


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