[螺舎 一堂] 小林猶右衛門

  東京市本所区向島中野郷町

  其角の系列。永機 − 機一 − 一堂 と続く。もともと螺舎は其角の別号。

  こんな山唐にもあろか朝の華
  螺子酔て鯉屋尋ねけり初鰹
  歙川の硯洗や于魯の墨    (歙川は中国の硯の石の産地。于魯は16世紀頃の中国の墨の作者、方于魯。程君房と争いがあったらしい)
  酒の外合薬なき寒さ哉


 [深窓 秋光女] 小林ミツ子

  住所は上に同じ。つまり一堂の奥さんです。弟子が嫁さんになったらしい。

  初虹や五色の外の筑波山  江戸俳諧の「五色墨」を想っているのでしょうか。
  復習の窓にほたるの夕べ哉 (蛍の光、窓の雪なのでしょう)
  蕣や誰かわすれたる策の先
  程にせよ着ればきるほど寒いもの (夫の句に「飲み過ぎるな」と言っているわけです。)

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