東京の蕉風 白兎園・飛鳥園

                    無界坊淡水編『俳諧千々の友』(明治36年刊)より


 芭蕉→杉風→宗瑞(白兎園)→一叟(飛鳥園)→一叟(二世飛鳥園)→貞翁(天隨)→羽人(隨巣)→三令(二世隨巣)→

 [随巣 三祥]  狩野五三郎

 東京市本所区横川町二五番地 

  鶯やかかさず来ては朝つとめ
  白過ぎてあたりの寒き牡丹哉     (「白過ぎて」という語法は新しい。 敏)
  澄とけて秋浅からぬ流れかな
  明る夜の押戻さるる時雨かな     (語法は古いが、明け方の突然の時雨の句として面白い。 敏) 


 芭蕉→杉風→宗瑞(白兎園)→一叟(飛鳥園)→一叟(二世飛鳥園)→貞翁(天隨)→羽人(隨巣)→三令(二世隨巣)→三祥(三世隨巣)→

 [如室 三瑞]

  東京市深川区東大工町61番地

 木々の芽や降にもあらぬ曇り癖
 低う来てあはただしさや時鳥
 市中や暮際しばし秋の風
 みのむしの時得顔也帰り花


  白兎園(芭蕉→杉風→宗瑞→→宗瑞(九世))→

 [蕉花軒 秋暁]  朝比奈 孝一 69歳

  東京小石川区水道町

  白兎園は杉風の門流を名乗る宗瑞系のグループ。飛鳥園に近い。

  鶯の声は移らぬ鏡かな
  切口の肉完動くかつをかな
  咲力散らぬ力や菊の花
  知りつゝもぬかつく留守の宮居哉    

e

明治30年代の東京の宗匠たちに戻る
ホームページに戻る