なめくじとけむし

ぱっこちゃんがおにわであそんでいると、いっぴきのなめくじがはってきました。

「なめくじにしおをかけると、ほんとうにとけちゃうのかしら?」

ぱっこちゃんはそうおもって、おだいどころからしおをとってきました。
でも、いくらなめくじにしおをかけてもとけません。
ぱっこちゃんはふしぎにおもいました。

すると、なめくじのあとにけむしもはってきます。
ぱっこちゃんは、けむしにもしおをかけてみました。
するとどうでしょう。
けむしはみるみるうちにとけて、けむしのけだけがのこりました。

「けだけはとけないのね」

ぱっこちゃんがじっとみていると、けむしのけはうごきだし、なめくじにひっつきます。

「あら、なめくじがけむしになっちゃった」

ぱっこちゃんは、けむしのけがついたなめくじにしおをかけました。
すると、こんどはさすがのなめくじもとけてしまいました。

そのとき、おへやからおかあさんがぱっこちゃんをよびました。

「ぱっこちゃーん、おやつですよー」
「はぁーい」

ぱっこちゃんはげんきよくへんじをして、おへやにかけこみます。

だぁれもいなくなったおにわには、けむしのけだけがのこっていました。

ぼーん、ぼーん、ぼーん

さんじのおやつのじかんです。


(C) Tadashi_Takezaki 2003