<H1>菊池鈴々の「RinRin日記」</H1>

96年8月分

それぞれタイトルのあたまにジャンルの目印をつけています
主な内容は、■本 ●漫画 ▼映像 □雑誌 ○同人誌 など

■本と●漫画は独断評価つき(5点満点:★1点・☆1/2点)
文中敬称略

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08/30(金)

□BE・BOY GOLD Summer
鬼畜系が多いというか、H強調路線が多いというか、そんな風。純愛もある。
巻末4コマ漫画のネタで「焼きプリンの容器はプラスチックなのにどうやって焼目をつけるのか」というのがあった。…わからない。誰か教えて。焼目をつけてからプラスチックに移すのかなあ。『探偵ナイトスクープ』にはがきを出せば調べてくれるかも(笑)。
□小説花音倶楽部 10月号
天花寺悠『風雲のフーガ』は学園もの。生徒会のトトカルチョ疑惑を調べるために新聞部がさぐりをいれる、という流れで、会計のプレイボーイとつきあうことになった新聞部副部長がミイラとりがミイラになって素直じゃないラブストーリーになっている。
紫嶋沙紀『1ダースのキスをあげる』は前作では、学校で教師にずっと性行為を強要されていた高校生と大学生が恋に落ちる話だったが、今回はその後も大学生の元恋人(女)が出てきたり、高校で別な生徒にレイプされたりとトラブルは続く。困難があってこそもりあがるってことですね。
僕達の太陽王(泉&由鷹シリーズ13)/あさぎり夕 ★★★★
いろいろあってショックで不能になってしまう泉くん。このHなシリーズでいつまでもそんな状態が続くわけはない。恋人にエンゲージリングをもらってはっきりと言葉に出してもらって一旦は解決。でもその場ですぐ3Pっていうのはなんだかなあ(笑)。
●ひみつの海藤家(2)/加藤知子 ★★★
悪魔が弟になりすまして、日常生活にとけこんでいるのは催眠術のおかげ。主人公のクラスメイトに催眠術のかからない男の子がいる。今回はその男の子をまきこんでドタバタしている。そして、このまま「弟」ととして人間界にいると、鈍い主人公が恋に気づくことも周囲に理解されることもないのだと、悪魔くんは自覚したようだ。

08/29(木)

眠れない二人 リヴィエル&タカミシリーズ(1)/白城るた ★★★★★
JUNE。パリの大学に留学生として通う日本人青年・タカミとフランス人のお坊ちゃま・リヴィエルの物語。タカミがトラブルに巻き込まれ、売春を余儀なくされているのを知らずに彼に一目惚れしたリヴィエルは、従兄弟に連れていかれたいかがわしいクラブでタカミを見つけて買ってしまう。それから恋人同士になるまでの紆余曲折が一作目。以降のシリーズは二人をメインにしたミステリータッチの作品。とはいえ充分H(笑)。
●カルパチア綺想曲(ラプソディ)(2・完)/田中芳樹・黒田かすみ ★★★
前巻では政治がらみの事件に見えたが、実は財産めあての芝居だったことがわかる。主人公の育ての父のセリフに政治色が見えて、そこが田中芳樹っぽい。
●ファサード(4)/篠原烏童 ★★★☆
6つの生命体が同居している謎の存在である「彼ら」は、時代も場所も自分たちの意志では選べないまま、放浪を繰り返す。基本的にどこかの場所のいつかの時代でのエピソードの積み重ねなので、強力な「ひき」がないのが惜しい。
雑誌『ハロウィン』がなくなった今、篠原烏童が長編を描ける場所として『ウィングス』は貴重なのでは。ファサードは長いスパンで見るのはともかく、短期間に収束を求めるスタイルではないので、これを『サウス』でやって『ウィングス』で長編連載っていうのがいいと思うなあ。それともソノラマ系列で『ネムキ』にいくのか。『ネムキ』もいいわね。…などと余計なお世話なことを考えてしまうけど、私はファンなのでどんどん活躍して欲しいのよ。

08/28(水)

●バイオレンスなパートナー(1)/坂元勲 ★★★☆
喧嘩の腕があまりに強い女の子と、一匹狼的に強い男の子との出会い編。けっこういける。絵は慣れてくればもっと見やすくなるはず。
●花きゃべつ ひよこまめ(7)/篠有紀子 ★★★
ほのぼのした空気の中にも、さりげないスリルとサスペンスがひそむ。ぼーっと生きるのが似合う妻の姿がいい感じなんだが、彼女はイラストレーターで稼いでいるので、ぱっと見ほどには毎日ふわふわしていないはずだ。
●それはせんせい/河内美雪 ★★☆
学園ギャグ漫画。ホモの男もいるがJUNEものというわけではない。「奇談忌憚編」でいきなりSFになって、普通はちゃちいSFにされてもしらけるのでダメになるんだけど、未来または異次元から来たサイボークねえちゃんが、人権を語るあたりがいいのでよし。ギャグそのものは切れが悪い。
●卒業式/榛野なな恵 ★★★★
女子高生が主人公の独立短編4つ。社会のゆがみに目をむける視線の少女漫画は『Papa told me』のファンタジー色が濃い路線とは違って、不器用なほどに真摯だ。この架空の少女達が「誇り」や「矜持」を見つめる姿に、作者の覚悟があからさまに映し出される。このスタンスで世の中をわたっていくのは、厳しいかもしれない。漫画という表現が作者の戦闘姿勢なんだろう。これをやる人は少なく、貴重だ。
●Vice(7)/黒田かすみ ★★★★
トラブル満載のアクションシリーズ。この巻き主役二人のうち、ひとりの過去にかかわった事件。巻末に古い(といっても'90だけど)同シリーズが掲載されていて、路線はともかく絵が下手だったのがわかる。

08/27(火)

●秋霖の忌(しゅうりんのき)/波津彬子 ★★★★☆
短編が5つ。どれもよい出来。影のある和服の美女を描かせたらもう天下一品。
●永遠の野原(14)/逢坂みえこ ★★★★
思い込みの激しさは若さの側面かもしれないのう。家庭教師に憧れる女の子は、今後傷ついて成長して、ひとまわり大きくなるのだなぁ。ああ、これってばばくさい思考かも(笑)。
●勝手にしやがれ/四谷シモーヌ ★★★
JUNE。同人誌をそのまま出版。レディコミ漫画家と高校時昔の漫研仲間とのラブストーリー。絵柄がちょっとくどいので好き嫌いが別れると思うけど、私はこのアクの強さがすごいところだと思っている。

08/26(月)

ヒミツの恋をしよう/金沢有倖 ★★★
JUNE。23歳の社長と16歳の天才技術者の話。場所はニューヨーク。トルーパーの征X当でビジネスがらみのパラレルものような感じだといえば、大体雰囲気はわかってもらえるかと思う。
□JUNEスペシャル
??? 購入メモはあるんだけど、もうどれのことかわからない。雑誌の山から探し出せない。漫画かな? やはり日数がたちすぎ(笑)。これを書いてるのが11/21だから三ヶ月も過ぎてるんだもん。
□小説 麗人 VOL.4
飛沢杏の連載『星も眠れ』はこのままJUNE展開になるとすると双子で…。
最近、高之原翠の絵がお気に入り。手足が細長すぎるけど許容範囲。そのうち高之原翠が表紙だとほいほい小説買っちゃったりするかも。もう自分のやりそうなことくらい予想がつくね(笑)。
手元にある本も雑誌も読みきれないのに、新刊ってつい手が出る。これも病の一種か。
●罠 −杉浦志保短編集−/杉浦志保 ★★★☆
JUNE系短編集。番外編以外は全部リアルタイムで雑誌で読んでいた。この人の作品はなんとなく好みなのでわりと覚えてた。泣き顔がすごくかわいいのよ。書き下ろしパートの絵柄を見ると、短期間に絵がうまくなっているのがわかる。
●シンデレラ(BOY)確立論/杉浦志保 ★★★★
JUNE系。モデルと新米マネージャーのラブストーリーのタイトル作よりも、同時収録の、売春している男の子と客が恋に落ちる『雨のち晴れ』がいい出来。でもまあ、コミックスのタイトルにするには平凡すぎるかもね。
●三番町萩原屋の美人(其ノ七)/西炯子 ★★★★
アイドル歌姫こと日独ハーフの女装少年が、実の父親とおこすいざこざのなかで萩原屋の良太がまきこまれる。女店員のおサエちゃんのセリフがすごくいいぞ。
女店員のおみっちゃんが、故郷の幼なじみと萩原屋の信二との間で揺れる、はっきり言葉にできない乙女心がまどろっこしくてリアル。
●ゴーストガイド夜陣君(1)/亘理なおみ ★★
霊媒師JUNEコメディ。

08/25(日)

□YOUNG YOU 9月号
花田祐実の短編がよかった。男子中学生と(兄と偽っている)父親の恋人との短いエピソード。将来どんな立派な女タラシになるのか楽しみなくらいのガキだ。 榛野なな恵の短編は、ニューハーフのおねえさんと、家族からはみでた孤独のなかでもりりしい女の子の出会いの物語。せりふがクールで綺麗だ。
□小説ショコラ VOL.2
火崎勇『それぞれのキス』は会社JUNE。貧乏の風情が好きな社長がわざわざ借りている安アパートの隣人で、彼を社長とは知らない社員とのラブコメ。社長の妻の妊娠・離婚騒ぎなどもテンポよく進んで嫌みがない。イラストがよければもっとよかった。
高橋麻美『EAST OF EDEN』は、尊敬する従兄弟がアメリカ暮らしでゲイになったとカミングアウトして大騒ぎ。説得のためN.Y.にやってきた主人公は、従兄弟の留守中にその恋人と同居するはめになり、どんどん魅了されていく。自称恋人の口の悪さと意地の悪さがナイス。みんな武道家という設定だけど、シリアスな格闘シーンはない。
□小説FUDGE VOL.8
藤枝るみね『マテリアル・ラブ・パニック』は19歳・浪人生の主人公が姉の借金のカタとして、友人の男の家に、一ヶ月たったら金を作ってむかえに来るといわれて置いていかれてパニック。同居して家事労働にいそしむ彼に、手を出す風もない相手の様子から、借金をカラダで返すというのは冗談だったんだろうと思いながら、相手のことが気になっていく。「借金のカタ」っていうのはわりとパターンではあるけど、その金額が250万というのも中途半端で笑える。返済不可能で絶望的な額でもないし、友達だからとふみ倒せる額でもないところが微妙にリアルなつくりでよい。
望月広海『釣られた魚も恋をする』は学園ラブラブもの。ストーリーがたあいないんだから、この場合、もっと徹底的にべた甘にしてしまうほうがよかったのでは。
○桑原水菜の「炎の蜃気楼シリーズ」
  • 破戒 GOMENNE MIRAGE 15/ごめんねミラージュ
    Gooseの漫画パートは基本的にギャグ。今城類の千秋の隠された私生活がテーマのシリアス小説と、豊川悦子の熱で弱った高耶くんが直江にちょっとすがる小説はまじめパート。今回も勝手にイメージソングを見つけてもりあがるページあり。

08/24(土)

□小説JUNE 10月号
フジミシリーズは「音楽にむかう姿勢」「恋愛」「周囲との軋轢」「現実問題として食っていく能力」など、いろいろあるなかで(最後の問題は桐ノ院の資産もあるからかなりさしひけるけど)主役二人のプライドの「高さ」とプライドの「方向」の違いが面白い。

08/23(金)


08/22(木)

Last Order・4/夜月桔梗 ★★★
高校生JUNE。1〜3を読んでないので、採点はフェアじゃないと思う。ある程度登場人物に感情移入しやすい読者を相手にしてるはずだもんね、普通は。
大人っぽいしゃべりかたのクールぶりっこと、かわいくて意地っ張りのカップルがいちゃいちゃしていてかわいい。
●トーキョー・ガーディアン(7)/佐野真砂輝&わたなべ京 ★★★
超能力・伝奇アクション。にぎりこぶしできゃんきゃんわめく熱血性格の女警官(一応主人公)が一所懸命だ。でも、別にこの子がいなくても展開する話なんじゃないかと思ってしまう。私がもっとひねったキャラのほうが好きっていうだけかな。くわせ者くさい女課長とかいい感じだし(笑)。
●闇狩人・2/浜田翔子 ★★★★
超能力・伝奇アクション。「術者」と「対の者」の二人組で「闇」と闘う話。この巻の敵はどうってことのない相手で、おもに、男二人の出会いと再会と心の結びつきをJUNEっぽく描いている。
●天使禁猟区(1)/由貴香織里 ★★★
人間界を舞台にした、かなり悲惨なストーリー。少女漫画のなかでは、相当オタッキーな絵柄と内容。『花とゆめ』ってわりとそういう傾向あるしね。

08/21(水)

□小説b-BOY 9月号
生野稜の「門の中の楽園シリーズ」がとてもいい。同シリーズ前作は掲載した編集の英断に感動したが、今回はずっと読みやすい話。白血病と闘う三上と、死んだ父親からの角膜移植で視力をとり戻した津田の出会いと再会の物語。
水無月さらら『以心伝心ABC』は、宇宙人に乗り移られて命拾いした男の子の話の続編。前作では、宇宙人達はいなくなってめでたしめでたし、のはずだった。が、主人公は宇宙人にのりうつられていた間、本人の意識も記憶もない状態で何度もセックスをしてしまったため、やっとのことで両想いにななった恋人に、ヴァージンじゃなかったと責められる。本人は潔白(?)を主張して、口論になる。
鷹藤緋美子『でんでんと呼ばないで』は、かわいいけど口下手でいじめられっ子の高校生が、電車の中で痴漢にあったのが縁で、当の痴漢とラブホテルに入ってしまう話。その痴漢はキスもしたことのない主人公をパトロン持ちだと思い込んでいた。この設定だとギャグに見えそうだけど、いじめ問題にもちょっと言及したシリアス風味。
俺があいつを好きな理由/江上冴子 ★★★
JUNE。登場人物は重なるが、メインま視点人物が違うエピソードが3つ。コメディ風。貞操観念が全くない美形青年がHするシーンはいっぱいあるんだけど、どれもいまいち。
シンデレラちからいっぱい/鹿住槇 ★★★
高校生JUNE。学園の人気者に一目惚れされて、彼の推薦で、競技大会の応援合戦の寸劇に女装の「シンデレラ」をさせられた男の子の連作短編集。好きだ好きだと迫られて、なんだかんだでカップルになってしまう意地っ張りラブストーリー。

08/20(火)

○招き猫 VOL.8/秘密結社「招き猫」
これは弘前大学SF研のOB、および関係者のファンジン。
SFマガジンに関する考察、ゲーム・アニメ(この号ではエヴァ)・書籍・漫画レビュー、オカルト視点のオウム事件考察、ブックカバー論、古本屋街紹介などもりだくさん。
SFマガジンは売る気がない、とか書いてあって強気の論調だ。

08/12〜19


08/11(日)

□b-BOY Vol.28
初体験特集。漫画の描き手の面子をみたら、そんなにはずれない風だったのに、はずれがないかわりに、あたりもなかった。
□CARESS 9月号
力をいれているであろう「巻頭カラー・初登場」の作品がたいしたことない、てのが続いてないか? 全体に絵その他のレベルでいくと『b-BOY』のほうが上なんだと思うけど、こっちのほうが素直にH描写があるぶん、ねらい目がはっきりしている。
○気持ちって…/3on3
倉科るりのオリジナルJUNE小説。イラストは桑原祐子。トラウマをかかえたままで、まだ自分自身をとりもどしていない受ちゃんと、過去の事件を知らないまま、肉体関係にもちこんで相手の心に自分を刻み付けたかった攻ちゃんの、シリアスラブストーリー。あ、バスケもしてます。
まんなかにはいってる独立した漫画もよかった。「捨てられた子供」の顔がらぶりー。

08/09(金)

□麗人 9月号
創刊一周年記念号。一周年なんて、まだそんなもんなのか。ずっと前からあるような気がするのは錯覚なのね。笠井あゆみの表紙イラストのテレカ12枚組プレゼントにはそそられるものがあったな。彼女の色使いは独特で凄みがあるから。
海辺のプリズン/神谷凪 ★★★★
JUNE。兄に囚われている少年と、過去に囚われている青年の、つかのまの親交。身体の関係と心の関係が微妙に齟齬をきたしていて、恋とか愛とかいう言葉を使いづらい。
●MF(マイフレンド)動物病院日誌(IV)/たらさわみち ★★★★
主人公の獣医さんと看護助手のお嬢さんがめでたく結婚。この巻の後半は、阪神大震災での動物をとりまくドラマで、暖かくも厳しい。治療設備・物資の不足はもちろん、避難所や仮設住宅でのペット問題や里親さがしなど、シリアスな内容にとりくんでいる。
●結婚クッキングBOOK・2/星崎真紀 ★★★☆
料理コーディネイターの夫とその妻の、妊娠出産育児をとりまくコメディ。なかでも母乳の出ない母親に対する世間の圧力に傷つく話なんてリアル。

08/08(木)

プラスの勇気/鹿住槇 ★★★★★
高校生JUNE。『しあわせの共犯者』の続編。前作で決着のついてなかった恋愛問題も方向は定まった。さわやかな読後感。主人公の実の父親が実際に登場して、母親の口から聞いていた人物像とはまた一味ちがうリアリティをかもしだしていた。
夏の破片/吉田珠姫 ★★★★
高校生JUNE。Hで純愛で、本当は両想いなのに意志の疎通に障害があって、なかなかの出来。
それにつけても、このイラストはひどい。好みがどうのという以前のレベル。編集サイドの見識を疑う。
FOCUS(育生&国立シリーズPart.3)/菜槻さあり ★★★
高校生JUNE。ひたすら明るいトーンで学園生活が続く。単純で視野が狭い少年っていうのが、得意な設定。シリーズものって、どうしても「どいつもこいつも男同士でっ」というところに多少の無理を感じる。この作品に限ったことではないけどね。人がばたばた死んでしまう金田一少年の学校を思えば、ゲイカップルが多いくらい、どってことないか。
●君の瞳に三日月(2・完)/桑田乃梨子 ★★☆
桑田乃梨子にしては失敗作。どうにも展開させようがなくなって放棄したかのようだ。いいんだ、そのうちルリカドくんとクマちゃんの『ジョカへ…』もどきが、コミックスになるくらいたまるから。そっちは傑作の気配なんだよ。

08/07(水)

●野菜を食え!(2・完)/榊ゆうか ★★
ちょっと体が弱くて、野菜嫌い、運動嫌いの女の子が、スキーを通じて克服していく話。…かすかにラブストーリーのテイストもあるにはあるけど、ほんとにそれだけの話なのよ。おまけの読み切りも「弱気な自分」を克服する話。絵はかわわいい系で、うまい。スキーやスノーボードしてる絵って全身のバランスがちゃんとしてないと、見られないもんね。
●感謝知らずの男/萩尾望都 ★★★★☆
バレエもののコミックスを何冊ぶんかまとめた再刊。親切と無神経のきわどい違いを語らせると、なんて冴えてるんだろう。悪意を感じるくらいだ。
話は変わるが、コミックスの巻末解説に三浦雅士が三島由紀夫の『美しい星』のことを「自分たちを地球以外の惑星から飛来した異星人であると思い込んでしまった家族の物語」だと書いている。そりゃまあ、そういう解釈が一番可能性が高いのはまちがいないし、私の読後の印象もそうなんだけど、小説に書かれている内容だけでいえば、「実は彼らは地球以外の惑星から飛来した異星人だったのだ」という可能性を捨てられないように思う。文芸評論の人のなかでは、そういう可能性は無視されてしまうのだろうか。
□MAGAZINE BExBOY 9月号
よしながふみの、にやけた人物がいい味。
まんだ林檎のショタじゃない作品(ってわざわざ書くのもアレか)がすっきりしてて爽やか。司書の先生がくどい女じゃないのがいいのかな。
○霧笛 21/五十嵐耕・五十嵐宏子
今回もびゅーてぃほーな出来。今や私自身は、紙でファンジンを出し続けるのがしんどくて滞りがちなんだけど、こうやって、よそのサークルの意欲的なものを読むと、刺激をうける。綺麗なフルカラープリントアウトの表紙に、洗練されたレイアウト。中身はエッセイと、SFとミステリ評が半々くらい。なぜかミステリで語られるのは日本のものだけ。みんな興味の方向がかたよってるざます。そんなこと、誰にいわれても私にだけはいわれたくないだろうなぁ(笑)。

08/06(火)

■恐怖の食中毒菌O-157/監修/稲葉裕・味澤篤 ★★★
とりあえず、基礎知識はしいれなくてはならない。
思いどおりにはいかないっ。/柚子稀ぜねこ ★★
高校生JUNE。アップテンポなコメディをやろとしたんだろうけど、はずしてる。「胸キュンもの」と「コメディ」の両立は、やってできないことではないので、この作者の資質にあってないのかもね。他の作品を読んでないのでなんともいえないけど。

08/05(月)

□小説I'S(アイス) 9月号
篁釉以子のが前編の泥沼から一転してラブストーリーになっていて驚いた。とはいえ、説得力のあるつくりだったのでよし。
つきひろともるの記憶喪失ネタは安直さが目についた。もうちょっと悩んでくれないとぉ。
南部めい子の漫画は、酔った勢いで押し倒した相手をうけいれるシーンで勝ちが決まった。その1コマがないとしまらなかった。絵柄がかわいい系なので、凡百の少女漫画との差別化をはかるためにも、ツボが必要なのだ。

08/03(土)〜05(月)


08/02(金)

スイート・フォーカス/井村仁美 ★★★
高校生JUNE。自分の容姿、特に目が青いことにコンプレックスを感じているクォーターの男の子が、カメラ小僧にまとわりつかれ、モデルになって欲しいとせがまれる。モデルという行為そのものにもトラウマがある主人公は断り続ける。
学園JUNEのなかでも、これは切ない純愛路線。ハデさはないが、なかなか好み。主人公二人の性格がちょっとありきたりだった。

08/01(木)

CURIOSITY KILLED THE CAT −好奇心は身を滅ぼす−/麻生玲子 ★★★
バンドものJUNE。年下攻。主役の二人にはいちおう両方に彼女がいるという設定なので罪が深いかも。その彼女達もそんなに嫌な感じには書かれてない。でも具体的な内容を何にもおぼえてないってことは…インパクトに欠けたかな。いや勿論、私の記憶力に難があるってことなんですけど。

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