<H1>菊池鈴々の「RinRin日記」</H1>

2003年3月分

それぞれタイトルのあたまにジャンルの目印をつけています
主な内容は、■本 ●漫画 ▼映像 □雑誌 ○同人誌 など

■本と●漫画は独断評価つき(5点満点:★1点・☆1/2点)
文中敬称略

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03/10


03/06(木)

王朝秋夜ロマンセ (王朝春宵ロマンセ3)/秋月こお ★★★★★
平安時代の宮廷ボーイズラブ、快調の三作目。堅物で有名な藤原諸兄(ふじわらのもろえ)と、寺の稚児ながらセックスを逃れつづけてきた千寿丸14歳・実は出生の秘密あり、の物語。在原業平(ありわらのなりひら)が主役の二人よりも、たのもしく大活躍。
漢字も多く、分厚いが、すんなり読める。私は氷室冴子の『なんて素敵にジャパネスク』が大好きだったので、時代設定的なとっつきの悪さは、全く感じない。大和和紀の『あさきゆめみし』もそうだけど、こういうのを高校生くらいで読んでいれば、もっと古典の授業が身近に感じられて楽しかったんだろうなあ。
文字で見てもよくわからない建築物や小物類や衣装などは、イラストの唯月一の苦労がしのばれる挿絵と、大和和紀の源氏漫画の記憶で補足しながらなんとかしています。
著者がニ巻目の扉カバー裏でコメントしていたけど、安倍清明さまブームで多くの人が時代物に入りこみやすくなったのなら、ボーイズ小説も潤ってうれしい限り。
この巻で少々気になったのは、前巻では、仮にかどわかされて陵辱されても、なんとしても生きて帰ると、諸兄に誓っていた千寿丸が、今回、まんまと誘拐される羽目になったとき、操を守るために自害しようと決意するシーン。おいおい、ついこの間といってることが違うやん。机上の空論と目前の貞操の危機とでは違うということなのね。
唯月一のコミック版も『Chara Selection』で連載中とのこと。この設定での漫画はハンパじゃなく大変そうです。

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