泌尿器科医・木村明の日記


OSとCRPC


先週は木曜から日曜までずーっと勉強会でした。

で、木曜に勉強した内容は、「来週のブログで」と書いたので、今日はこの題で。

OSはOverall survivalです。

前立腺癌の治療効果を論じる際、PSAが下がったかどうかが、よく使われる指標ですが、

生存率、それも癌特異生存率ではなく、全生存率で治療法の成績を比較した論文だけを集めて、講義していただきました。

HRPCとはホルモン耐性前立腺癌。

それに効く薬が開発中ですが、その中にはホルモン剤もあります。

ホルモン耐性前立腺癌に効く、新しいホルモン剤、というのは、矛盾があります。

新しいホルモン剤が効くと言うことは、ホルモン耐性ではありません。

CRPCとは、Castration耐性前立腺癌のこと。

Castrationとは、去勢ですが、リュープリンの注射のように、睾丸から男性ホルモンが出なくすることも、去勢に含まれます。

なんか、気の抜けたビールのようで、その日のうちに、サマリーを書かないと、講演を聞いた時の感激はなくなってしまいます。

全生存率で治療成績を論じた論文が、いろいろ出始めていることに、木曜日は興奮したんですが。
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