TULIP Magical History Tour '97

at 日本武道館 10/2/97

コンサート・レポート(3)



サボテンの花

Reported by Makoto Honda//Tokyo Zepp Website "Communication Breakdown"

感想  10数年ぶりに対面したTULIP。正直言って期待以上であった。  50歳に近いミュージシャン達が、10年近いブランクを経て一緒にTourに出た訳である。  「合わなくて当然、ちょっとくらい間違えたって、寛大な気持ちで許してあげよう」などと、  心の中で思っていた。  事前にTour初日の浦安公演のテープを入手したが、その演奏たるや惨澹たるものであった。  コーラスはバラバラ、ギターはよれよれ、Drumsはドタドタ。合うとか合わないとか以前の  問題である。ALWAYS組は、TULIPの曲をLIVEのレパートリーにしてたハズなのに!  バンドとしての継続の重要性を、しみじみと感じてしまったものだ。  それが、武道館で最初の音を聴いた途端、心配は見事に払拭された。  TULIPは、復活していた。  ドラマーが第1期の上田氏、ベースが第2期以降の宮城氏という変則的なメンバー構成では  あったが、そこにはTULIPというバンドだけが創り得た「しなやかな」空気を感じ取ることが  できた。  もちろん、それらの曲が演奏されていた頃とは、微妙に違う部分があるのは事実である。  しかし、1997年という時代における、ふさわしい枯れ方である。文句は言うまい。    第1期のシングル中心の選曲は、賛否両論あろう。第2期の曲をもっと聴きたかったという  方はお気の毒ではあったが、「千鳥橋渋滞」が聴けなくて涙したオールドファンも多かった  と思われる。結局、どんな選曲でも不満は残る訳で、これはこれで納得したい。  収穫は、再結成アルバムからの曲である。悪くなかった。  こう言ってしまうのは抵抗はあるが、あえて言う。「すごく、良かった」と。  安部氏がMCで「再結成の曲も、数年たてば懐かしい思い出の曲となるだろう」というニュ  アンスのことを言っていたが、確かに今回のステージの思い出の曲となるのは「シェア」  であり、「We believe in Magic」であり、「笑顔で」であろう。  どれもアルバムで聞くとパッとしない曲であるが、LIVEでは見違えるような生命を感じた。  これこそ、爆発的なアルバム・セールスがないのに、ファンを何度でも会場に足を運ばせる、  "LIVE ACT TULIP"の持つMagicであろう。(え、「再会の日」? あれは忘れましょ)  TULIPは復活した。それだけではなく、「新生TULIP」として見事に再生してくれた。  安部/姫野/伊藤が脱退して財津一人になった時代を「落陽の第3期」とするならば、短い  期間であるが、この充実した再結成の1年は「来光の第4期」として心に刻み付けたい。  「2000年の再結成」。その時にまたお会いしましょう。
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本多 真//Tokyo Zepp Website "Communication Breakdown"



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