Australian Tour Review

豪州Tourの全5公演の音源に対して、setlist/コメント/レーティングを付けてみました。 対象は私が入手したアナログcassette tapeであり、レーティングは演奏点(PLAY)/音質点(REC) /希少点(RARE)の3つです。 演奏点につきましては、「Wanton/TSRTSでのRobertの声の伸び」「SIBLYでのJimmyのギターの流 暢さ、フレーズの面白さ、コンビネーションの自然さ」等が主なチェックポイントです。 音質は、アナログのUnderground Tapeに関してはジェネレーションで大きく変わるものなので、 あくまで私が所有するものに対してそう感じたという事です。 以下にレーティングのおおよその見方を記します。 PLAY : 1 : (Many Mistaken) 演奏ミスが目立ち、冴えたところがほとんどない。 2 : (Some Mistaken) 演奏ミスが少しあり。特に冴えたところもない。 3 : (No Feature) 演奏ミスはないが、特に冴えたところもない。 4 : (Some Good Plays) 演奏で冴えたところがいくつかあり。 5 : (Many Good Plays) 演奏の随所に冴えが見られる。 REC : 1 : (Terrible) 歪み/こもり/遠さがひどく、細部が良く分からない。 2 : (Some Noise/Dist) 歪み/こもり/遠さが目立つ。 3 : (Not Good) 歪み/こもり/遠さを感じる。 4 : (Good) 音は良いが、観客の話し声やノイズ等がある。 5 : (Excellent) 音に問題が全くない。 RARE : 1 : (BOOT Available) Boot CDで簡単に入手可能 2 : (Rare BOOT) Boot CDで入手可能であったが今は廃盤 3 : (Tape Available) Underground Tape市場で広く出回っている 4 : (Rare Tape) Underground Tape市場でも持ってる人が少ない 5 : (Ultra-Rare Tape) Underground Tape市場でも持ってる人が殆どいない *Tight but LooseのTour Reportを一部参考にさせていただいてます。
#01 02/24/96 Entertainment Centre, Sydney, Australia
(Eastern)/Immigrant Song-The Wanton Song/Bring It On Home/Heartbreaker/Ramble On/Going to California/Hurdy Gurdy solo/Gallows Pole/The Song Remains the Same/The Rain Song/Since I've Been Loving You/Whole Lotta Love-Down by the Seaside-Break on Through-Dazed and Confuzed/Yallah/In The Evening-Carouselambra/Four Sticks/Kashmir//Black Dog/Rock and Roll

 さて、豪州公演初日です。本Tourでは"g.i.r.l"なるバンドが前座で演奏したようです。
 私はBoot CDと1st Gen. Underground Tapeで所有しています。いずれもAudience録音で、前者
 は時々ふらつきはありますが透明感のある高音質の音源で、後者は若干遠目ですが迫力のある録音
 です。

 この日のsetlistは、Wantonで始まる手堅い展開でした。
 どちらの音源でもJimmyのギターがかなり前面に出ており、迫力あるサウンドです。Robertの声
 は艶には欠けますが、高いキーは難無く出ています。MichaelのDrumsは日本公演以上の手数で、
 ひたすらドタバタきてます。
 続くBring It On Homeはテンポも良く、強烈なBoogieに仕上がっています。Heartbreakerでも
 アクセル全開!Jimmyのギターがスパークしてます。Ramble Onもなかなかの演奏でしたが、Solo
 の頭で若干ギターが外れて聞こえました。

 "Oh, Sydney!! Thank you very much. 
  It's the very nice for the two of us to be here again. Who have ever thought it?
  Are you ready more stop? Some nice effective stuff, yeah."
 
 と話してGoing to California。叙情的に響くオケも手伝い、幻想的な1曲に仕上がっています。
 
 「我々は、最後にいつ頃ここで演奏したんだっけ?
  確か....ニュー・ロマンティックが流行る前...いや、神様が生まれる前(Before Jesus)
  だっけ?(笑)とにかく、ずっと昔だ」

 と軽く笑いを取ってからNigel Eatonを紹介します。Hurdy Gurdy SoloからGallows Poleへ。
 激しいリズムで、時々拍子が裏返ったりするのが御愛敬です。
 
 "This is a song of hope."

 とつぶやいてTSRTSです。Robertはあまり声が出ていませんが、全体のサウンドは非常に力強い
 印象です。JimmyのSoloはピッキングのキレが今ひとつですが、力まかせにグイグイ弾き倒して
 います。

 "Some people is standing up, some people is sitting down....
  Very old people is sitting down, very young people is standing up...."

 というMCに続き、The Rain Songの披露です。この日のオケは非常に重厚であり、演奏全体
 も日本公演以上にまとまった演奏になっています。
 続いて演奏されたのは、Tea For OneではなくSIBLYでした。(結局豪州は全てSIBLYだった!)
 Introは最後を適当につじつま合わせをした感じで、今ひとつの出来です。Robertは声を枯らし
 て熱唱しています。Soloの前半は手数が多くてドキっとしますが、最後はちょっと冴えない終わ
 り方でした。曲の最後に「マママママママママ〜〜」と連呼しているのが、ちょっと珍
 しいところでしょうか?
 メンバー紹介に続き、Calling to Youっぽいギターの一発を入れてWLL。Thereminで騒いだ後、
 String Benderを駆使したハードな演奏を経てメドレー大会、というお約束パターンは健在です。
 この日のメドレー1曲目は、東京2日目以来のDown by the Seaside。2曲目以降は定型です。
 「彼等と12ヶ月もの間、一緒にTourを回れたのは誇りです」とEgyptiansを紹介し、
 「次の曲は新曲です。これはあらゆる....何かの始まりです」と発言をしてYallahです。
 比較的スタンダードなアレンジのEgyptiansのIntroがあってIn The Eveningです。終盤のギ
 ターSoloは手数が多く、なかなか迫力ありました。
 ちょいと余計なFour Sticksを挟み、Kashmir。手堅い演奏で大団円となりました。

 Encoreに登場し、Robertは"Hey, Sydney. Talk to us! Talk, Talk"と観客あおります。
 IntroなしでBlack Dog。Robertはかすれる声を振り絞っての熱演です。

 "Thank you very much Sydney. It's a great night.
  Can you Feel it?! Say, Can you feel it?!!"

 とあおってRock and Rollです。Edのピアノがやや大きめに入っています。ギターSoloはワウ
 をかけています。最後の"Lonely, Lonely"のところで観客と掛け合いをやってます。

 "It's a fantastic....Big smile everywhere!"

 と機嫌良いコメントを残して、豪州Tour初日は終了しました。

PLAY : 4.5
REC  : 5.0/4.5 (CD/1st Gen. Underground Tapes)
RARE : 1.0

[Boot CD: "Sydney, Can You Feel It?"]

#02 02/25/96 Entertainment Centre, Sydney, Australia
(No Tapes)/Babe, I'm Gonna Leave You/Celebration Day/Ramble On/Heartbreaker/No Quarter/The Song Remains The Same/The Rain Song/Since I've Been Loving You/Whole Lotta Love-In the Light-Season of the Witch-Break On Through-Dazed and Confused/Hurdy Gurdy solo/Gallows Pole/Four Sticks/Yallah/In The Evening-Carouselambra/Dancing Days/Kashmir//Thank You/Black Dog//Rock And Roll


Original pictured by Les Kely, Australia

 シドニー2日目です。
 私はBoot CDと1st Gen.のUnderground Tapeで所有しています。いずれもAudience録音で、
 前者は定位が定まらず、ヘッドフォーンで聴いていると気持ち悪くなります。最初は遠目の音
 ですが徐々に向上します。
 後者は頭が数秒欠けていますが、透明感のある音です。ただし、時折聞こえる周りの観客の馬
 鹿笑いが気に触ります。
 入手した写真によると、Robertは白ブラウスに黒皮パンツ、Jimmyはお馴染み緑サテンシャツ
 に黒パンツという衣装だったようです。またアンコールでは、Robertは黒い袖なしTシャツに
 着替えて登場したそうです。

 EasternなしでBabeからのスタートです。東京2日目/福岡と同様、オケ無しです。
 Soloの序盤は良い流れでしたが、中盤でアイディアに詰まった感じでした。Robertの声は若干
 枯れています。最後の盛り上がりでのスネアロールが派手です。お約束のSTHも健在です。
 間髪入れずにCelebration Day。この流れは初めてです。畳み掛けるような早いテンポです。
 続くRamble Onでは、Robertはサビの部分で苦しそうです。Heartbreakerの無伴奏Soloで、
 客が大いに沸いています。
 
 "Good evening, Sydney! I say, good evening!!"
 
 という第1声のあと、「昨日とは少しだけ違うsetlistで演奏するよ」と言ってNo Quarter。
 意外にも豪州公演ではこの日のみの演奏でした。Robertの唄い出しのところで大きな歓声が
 上がります。間奏のギターはいつも以上に硬質で、エフェクトキツめです。
 TSRTSのIntroでは、Drumsの手数が多めです。Robertは苦しげな歌い方です。ギターSoloは
 音色のせいかキレは今ひとつですが、ピッキング自体は軽やかです。
 続くThe Rain Songでは、JimmyがIntroを奏でても観客は意外な程ノーリアクションです。
 演奏中に口笛を吹いたりギャ〜っと叫んだりと、この日の観客は「お行儀」が悪いです。
 SIBLYのIntroは繊細なフレーズ回しで地味な印象です。RobertのVocalも押さえ気味です。
 Soloは中盤まではタルい感じでしたが、終盤からは手数が多くガ〜と弾き倒す感じで迫力が
 ありました。1拍早くJimmyが終わってしまったのは、まぁ御愛敬の範囲でしょう。この日も
 最後にRobertの「マママママママ〜」攻撃がありました。
 メンバー紹介ではEdのところで観客の拍手の仕方が気にくわなかったのか、再度紹介を繰り
 返しています。
 WLLのString Benderワザに入る前に、Jimmyはかなりもったいを付けています。メドレーの
 ドノヴァン・ナンバー"Season of the Witch"は、10/16/95のCleveland公演以来という
 久々の登場です。この曲でのRobertは、実に力強く熱唱しています。

 ここからの曲順が非常に変わっています。
 通常は中盤で演奏するHurdy Gurdy Soloをここで入れ、お約束のGallows Poleに繋げてい
 ます。次はFour Sticksを演奏してからおもむろにYallah、と順序を逆転させています。
 In The Eveningを演奏したので、「次はKashmirだな」と思いきやDancing Daysです。
 最後のKashmirは大盛り上がり大会。EgyptiansとMichaelがエンディングでぶっ飛びの掛け
 合いを披露しています。

 Encore1曲目はThank You。6/09/95のMarseille公演以来2度目のパターンですが、ここ
 でも観客は出だしのリアクション悪し、です。最後のSoloの泣き節が良しです。
 Black Dogは前日同様Introなしのいきなり歌い出しです。Robertはメロディーをかなり崩
 して歌っており、観客との掛け合いでは声を震わせてふざけています。最後にIn My Time
 of Dyingの"Oh, my Jesus!!"のフレーズを少し入れています。
 Rock and RollのDrumsのIntroは、Michaelファンの私でも「それは違うだろう!」
 と思わず突っ込んでしまいそうなアレレなフレーズです。Soloはフランジャー&ワウかけま
 くりで、75年風に締めています。

 特別珍しい曲はありませんでしたが、意外な曲順の「変則setlist」で、なかなか楽しめた
 一夜でした。

PLAY : 4.0
REC  : 4.5 ()
RARE : 1.0
[Boot CD: "Another Evening in Sydney", "Sydney, Can You Feel It?"(Babe/SIBLY/D.Days)]

#03 2/27/96 Brisbane Entertainment Centre, Brisbane, Australia
(Eastern)/Immigrant Song-The Wanton Song/Bring It On Home/Heartbreaker/Ramble On/Going to California/Hurdy Gurdy Solo/Gallows Pole/The Song Remains the Same/The Rain Song/Since I've Been Loving You/Whole Lotta Love-In The Light-Break on Through-Dazed and Confused/Yallah/In The Evening-Carouselambra/Four Sticks/Kashmir//Black Dog/Rock and Roll


from "Sunday Mail" (Local newspaper in Brisbane)

 新聞記事によると、観客は約8,000人だったそうです。
 現時点ではBootは未リリースです。私の所有する3rd Gen.のAudience録音Underground Tape
 は、明瞭な音ですが低音があまり効いておらず、若干遠目の音です。

 この日は、WLLメドレー以外はSydney初日と全く同じsetlistでした。
 Easternから1曲目はWanton。Robertの歌い出し直後、Jimmyのギターが数小節間OFFになると
 いうトラブルがありました。その後も若干ミストーンが目立ちました。
 Tight but Looseのレポートによると、冒頭モニタートラブルがあったようで、Robertも再三、
 ローディーにモニターを上げるよう指示していたようです。(このレポートでは『Wantonでは
 客席でVocalが殆ど聴こえなかった』とのことですが、この音源を聴く限りでは特にそんなこと
 は感じられませんでした)
 続くBring It On Home、RobertのVocalがサビで裏返ってて危な気ですが、Michaelがマシン
 ガンのようにスネアを連打し、曲をハードに盛り上げてくれました。
 HeartbreakerはJimmyのPlayが秀逸です。特にSolo終盤では、弦を切り裂かんばかりの鋭いピ
 ッキングを披露し、観客を大いに沸かせています。
 Ramble Onでも迫力は持続しています。Robertの調子は相変らずですが、バンドの勢いがそれを
 感じさせません。演奏後の余韻もいつもより長めです。

 "Oh Yeah, Brisbane!! Yeah....." と言う第1声の後、

 「今夜は我々にとって特別な日です。
  12ヶ月前、このメンバーが初めて一緒にステージに立った日です」

 と続けています。2/26/95のPensacola公演がUS 1st-Legの初日でしたから、ジャストではあ
 りませんがほぼ1年前にTourをスタートした訳です。感慨深いものがあります。
 Going to CaliforniaではMandolinのお約束のフレーズなしで最初のVocalが入っています。
 しっとりした展開ですが、通常は中盤で見せるRobertのエコー効かせまくりのハイトーン技を
 この日はオミットしてました。やはり、調子が良くないのでしょう。Hurdy Gurdy Soloを経て
 Gallows Poleも似たような感じでした。

 "This is a song of hope!" 

 というこの時期のお気に入り(?)のセリフをかましてTSRTS。JimmyのSolo(特に最初の方)は
 キレも良く迫力のPlayだったのですが、Robertの弱々しいVocalが足を引っ張り、全体の出来
 は月並みなものとなってしまいました。

 「我々は1月18日にEnglandを出発し、ブラジル、アルゼンチン、チリを回って日本に行っ
  たんだけど.... 日本はホントに寒かった!(南半球に?)戻って来れて嬉しいよ」

 などと言ってThe Rain Songです(寒かったのは気温だけだったのか?ちょっと心配)。
 この日のオケは重厚でなかなか良しです。Jimmyの演奏にも余裕が感じられます。
 SIBLYのIntroはごく普通。Robertはやや調子を取り戻したかのようです。Soloはいつになく
 手数の多いスタートだな〜と思ってると、どんどん手数は増えて行き、最後は熱いチョーキン
 グで締めくくっていました。いやいや、なかなか良い演奏です。最後はやっぱりママママです。
 メンバー紹介に続きWLL。Robertは元気一杯で、観客を盛んにあおっています。メドレーは前
 日に引き続いてIn The Light。今日はこのままBreak on Throughに移行しています。シャッ
 フル調のSoloを挟んでDazedで締めくくっています。
 Yallahに先立ちEgyptiansを紹介していますが、珍しくワエイル・アリ、ホッサム・ラムジー
 等、各メンバーの名前にまで触れています。
 In The EveningのIntroは、Egyptiansのメロディーがこれまでのものと幾分違っています。
 Four Sticks、Kashmirと、ここに来てRobertは頑張りを見せています。Kashmirでは中盤の
 Egyptians Soloがじっくり丁寧に曲を盛り上げており、神聖とも言える瞬間を感じました。
 が、そのSoloの最後でバン!という破裂音がします。照明用の電源がぶっ飛んだようで、
 ステージは暗転してしまったとのこと。しばらくしてバックアップ系に切り替わったようで
 すが、照明のプログラムもぶっ飛んでしまい、間違った動きになってしまったそうです。演
 奏自体は何事もなかったかのように終了しています。
 
 "Hey, Brisbane! Brisbane......Talk to us.........Talk!!"

 と叫んで、Encore1曲目はIntroなしのBlack Dog。Robertは伸びやかに歌い上げています。
 Jimmyも負けじとSoloでは弾きまくり〜です。最後にMisty Mountain Hop調のリフに乗せて、
 Robertが"Jesus!"と数回叫んでいます。
 
 "Can you feel it?! Do you like James Brown???"

 という訳の分からないセリフを叫んだ後、

 "Spend great night, Ladys and gentlemen, folks. Young men, old and smiling, 
  and....good-bye."

 とつぶやいてRock and Rollです。Introは相変らずのデンデン太鼓ですが、Robertは更に
 磨きのかかったVocalでぐいぐい押します。Soloはフランジャー&ワウを更に深〜くかけて
 おり、早弾き/泣きのチョーキングと併せて怒濤の演奏となっていました。Soloの終わりは
 この75年風でした。最後のDrumsも勢いでかなり長めになっていました。

 "Sweet great fan. It's nice to be back. Much smiles! Good night."

 と挨拶して、この日の演奏は終了しました。

PLAY : 4.5
REC  : 4.5 (3rd Gen. Underground Tapes)
RARE : 3.0
[Boot CD: なし]

#04 2/29/96 Flinders Park, Melbourne, Australia
(Eastern)/Immigrant Song-The Wanton Song/Bring It On Home/Heartbreaker/Ramble On/Wonderful One/Hurdy Gurdy Solo/Gallows Pole/The Song Remains the Same/The Rain Song/Since I've Been Loving You/Whole Lotta Love-Down By The Seaside-Break on Through-Dazed and Confused/Yallah/In The Evening-Carouselambra/Four Sticks/Kashmir//Black Dog/Rock and Roll


Ramble On/The Rain Song

 メルボルン初日です。約15,000人収容の会場で、ほぼ満員だったようです。
 この日は豪州公演で唯一の映像(Audience ShotのVideo)がトレーダ間に出回っています。
 正面スタンドからの直接Shot中心で、一部Screen Shotが挿入されています。
 Jimmyはいつもの緑サテンシャツ、Robertは東京最終日等で着ていた黒の袖なしTシャツに黒皮
 パンツ姿でした。(これもお気に入りですね〜、Brisbaneでも着ていたようだし)
 現時点で完全収録のBoot CDは未リリースです。(The Rain Songのみ)
 私が所有する3rd Gen.のAudience録音Underground Tapeは、Easternで回転ムラ/音飛び等が
 あります。低音が持ち上がってて、若干遠目の音です。野卑な笑い声やセキが気になります。

 WantonではRobertはしわ枯れた声です。この日は全体的にJimmyのギターのバランスが大きく、
 迫力ある演奏に聞こえます。続くBring It On HomeでRobertは若干調子を取り戻しています。
 HeartbreakerではJimmyのSoloが軽快です。Ramble OnではまたまたRobertが苦しそうです。
 この曲、ちょっとサビのキーが高いんですかね?2nd-Legあたりから歌い方を変えてるのも
 そのせいではないかと。

 "Hey, Melbourne. Can you feel it?"

 という第1声の後、「新曲です」と言ってGoing to Californiaの代わりに演奏を始めた
 のがWonderful Oneです。Introの途中で観客が沸くのが感動的です。叙情的なオケが曲の雰囲気
 を盛り上げています。

 「今歌ったのは、この20年間で2番目に作った曲で(笑)
  ともあれ、この街に一緒に帰って来ました(拍手)。キミ達の何人かの顔は覚えてるよ」

 などとお愛想を尽いた後、丁寧にNigelを紹介してHurdy Gurdy Soloです。Gallows Poleに続い
 てTSRTS。Robertの声は『セ〜イ〜ム』のところでヨレています。JimmyのSoloはキレがイマイチ
 でルーズな印象です。
 The Rain SongはIntroの爪弾きだけで観客はワ〜っと来ています。Jimmyのピッキングは若干他
 の日に比べて不安定ですが、全体の出来はまずますです。Videoで判明したのが、Jimmyのギター
 は日本公演で使用していたスモールボディのアコギではなく、黒のカッタウェイタイプでした。
 No Quarter等で使用していたWashburn製ではなく、おそらくはYamaha製だと思います。
 SIBLYはIntro前半は地味なフレーズですが、後半はキチンと盛り上げています。歌のバックでは
 Jimmyは久々にTea For Oneのフレーズを一発キメています。Soloも後半尻上がりに手数を増やし
 ており、なかなかスリリングな構成でした。Robertも声を振り絞って熱演しています。
 WLLではString Bender技後のJamパートが迫力でした。メドレー1曲目はDown By The Seaside
 で、続くBreak on ThroughではRobertの張りきった熱唱が聴けます。最後のYou Need Loveの
 雄叫びも力強くキメてくれてます。
 メンバー紹介の後、Yallah。これまたRobertのvocalが良しです。
 やや長めのEgyptiansのパーカッションがあって、In The Eveningです。
 何語か分からない言葉でMCを入れてFour Sticks。
 
 "Classic Rock.....Classic Rock.....Dead music....."

 と自嘲的なセリフを吐いてKashmirです。

 EncoreではOut on The Tiles風のアップテンポのJamを入れてBlack Dogです。最後はJimmyが
 マイナー調のリフを入れてRobertがからみ、"Jesus"のセリフなしで終了でした。
 多少マトモなDrumsのIntroからRock and Roll。Soloはワウ&フランジャーでショワンショワン
 です。この日も75年調でした。Edのピアノの音が大きめです。Michaelのしつこいばかりの長〜
 いDrums Soloを最後に、この日のShowが終了しました。

PLAY : 4.0
REC  : 4.5 (3rd Gen. Underground Tapes)
RARE : 1.0
[Boot CD: "Back to Kindergarden"(The Rain Songのみ)]

#05 3/1/96 Flinders Park, Melbourne, Australia
(No Tape)/Babe, I'm Gonna Leave You/Bring It On Home/Heartbreaker/Ramble On/Going to California/Hurdy Gurdy Solo/Gallows Pole/The Song Remains the Same/The Rain Song/Since I've Been Loving You/Whole Lotta Love-Night Flight-Light My Fire-Break on Through-Dazed and Confused/Yallah/Four Sticks/In The Evening-Carouselambra/Kashmir//Wonderful One/Black Dog/Rock and Roll
 メルボルン2日目、そして長きに渡るWorld Tourの最終日です。
 この日は残念ながら満員とはならず、2/3程度の入りだったようです。
 私はBoot CD "Back to Kidergarden"からのダビングテープで所有しています。BabeのIntroで
 アルペジオが数秒欠けていますが、なかなかの高音質です。
 
 導入テープなしでBabe...からスタート。この日もオケ無しです。Robertの調子はまずまずとい
 う感じです。JimmyのSoloはハンマリングを多用した指グセっぽいフレージングですが、この日
 はそれがハマってて良い構成でした。
 Bring It On HomeはIntroでJimmyのリフが若干怪しげです。Michaelがこれが最後とばかり
 アドリブをかましています。Heartbreakerでもズダダダ〜〜と派手なロールを入れてます。
 Ramble Onでは、久々に聴けるRobertの艶のある歌声が嬉しいところです。
 
 "Well, good evening, Melbourne.
  Very very very very very good vibes night."

 と挨拶した後、
 
 「今夜はWorld Tourの最終日です。.....これ以上Tourはやりたくないもんで(笑)
  とにかく、これが我々の最後の演奏(last stuff)だと言うことを、皆さんに言っておきます」

 と宣言しています。
 Going to CaliforniaはIntroでしっかりMandolinキメのフレーズ入りです。Robertはエコーを
 効かせて朗々と歌い上げています。
 Hurdy Gurdy Soloの後、Gallows Pole。TSRTSは一糸乱れぬ完璧な演奏です。ここに来てRobert
 のVoltageが少し落ちてきたようで、"California Sunlight"のあたりに力がありません。
 The Rain Songは序盤のオケとDrumsの音が小さめなこともあり、ややメリハリに欠けています。
 SIBLYのIntroは良く言えば重厚、悪く言えばもたついた感じです。この日もTen Years Goneの
 ギター・フレーズを一発入れています。Soloは手数は多いですが、フレーズ的にあまり耳に残る
 ものはありません。
 恒例のメンバー紹介では、Edのことを

 「キーボード、バンジョー、そして全て!

 と紹介しています。彼の貢献に対する最大限の賛美かと思います。
 WLLではRobertはドスの効いた声で頑張りを見せてくれます。メドレー1曲目はNight Flight。
 US 1st-legのPortland公演で1度演奏されましたが、今回はそれ以上に原曲からはかけ離れた
 イメージです。Drumsは原曲風のハイハットを刻んでますが、曲調はひたすらダーク&マイナー
 で、そのままLight My Fireに移行してます。
 この日もYallahの前にEgyptiansのホッサム・ラムジーとワエイル・アリの2人を紹介してます。
 Four SticksをIn The Eveningの前に演奏しているのが珍しいところです。
 Kashmirでは、Violin Soloの際に籠から作り物のヘビが出てくるというお遊びがあったとの
 こと。Robertは「レッドスネーク、カモン!」とは言ってませんでした。
 演奏は怒濤の迫力で、最後はRobertが"Yallah!!!"と連呼して終了しました。
 
 Encore1曲めは意外にもWonderful Oneです。最終日にあえてPage/Plant曲をやるところに二人
 の意地を感じます。サビのStringsが物悲しくて良い感じです。
 RobertのMCの後ろで観客が笑っているのは、バック・メンバーが着ぐるみで登場したための
 ようです。Charlieはグレーのゾウ、Michaelはピンクのウサギ、Edはイエローのカナリア、Nigel
 は、あろうことか女装していた(?)とのことです。(ホントか?)
 その扮装のまま、Out on The Tilesを進化させたようなJamをやり、Black Dogに突入。リフのと
 ころで一瞬演奏が途切れるところがあります(たぶん、着ぐるみが邪魔だったんでしょう)。
 最後に"Jesus"の歌詞を入れてます。
 ここでRobertは「Garth Brooks」なる人物を紹介します。実はJimmyのギターテクニシャン氏の
 ようで(名前は全然違う)、Rock and Rollでギターに参加したようです。長いTourにつきあっ
 てくれたお礼ということなのでしょう。演奏は完全にお祭りフィーバーです。JimmyのSoloはワ
 ウ深めでショワンショワンです。最後のDrums Soloはブレーク数回ありのわがままVersionです。
 
 "See you again next time....."

 というシンプルなMCで、1年以上の長きに渡るWorld Tourの幕が下ろされました。

PLAY : 4.5
REC  : 5.0 (from CD : Back to Kindergarden)
RARE : 1.0
[Boot CD: "Back to Kindergarden", "Night Flight of The Swan"]