豪州 Tour 傾向分析
さて、レビューから分析した内容を以下に列記します。1.曲構成
豪州TourはSydney 2-days、Brisbane、Melbourne 2-daysという日程でした。 連日公演だったSydneyとMelbourneでは、どちらも初日がImmigrant/The Wanton Songで始まる 標準的なsetlist、2日目がBabe...で始まる変則setlistでした。 日本公演で初披露されたTea For Oneは、豪州では一度も演奏されませんでした。 最終日、EncoreでPage/Plant曲のWonderful Oneを演奏したのが特筆でしょう。2.皆無だった新曲の導入
日替わり/変則のオンパレードだった日本公演の後、どのようなsetlistになるか大いに期待され ていた豪州公演でしたが、残念ながら新曲は1曲もありませんでした。 新曲ではありませんが、Melbourne 2日目のWLLメドレーのNight Flightはレアでしょう。 US 1st-legのPortland公演、Calling to Youメドレーで、サワリが1回演奏されただけでした。3.The Rain Songのレギュラー化
日本公演で初披露されたThe Rain Songが、豪州Tourの全公演で演奏されました。 2/20/96の福岡公演同様、演奏順は全てThe Song Remains The Sameの次でした。ZEPP時代のLIVE を十二分に意識した演出だったと思われます。 Jimmyの使用ギターはTSRTSではGibson W-Neck、The Rain Songでは6弦アコギだったため、ZEPP 時代のようにメドレーにはならず、演奏の間が若干空いていたのが惜しいところです。 「The Rain Songのオケは難しい」とは、日本公演でオケを担当したEric Gorfain氏の言葉ですが、 豪州Tourのオケはかなりのレベルだったと感じられます。これがレギュラー化が可能になった要因 であろうと推測しています。4.最高/最低の公演は?
豪州Tourはほぼ一定水準で、トホホな日も無い代わりにカッ飛んだ出来の日もありませんでした。 強いてレベル分けすれば、以下のようになります。 ●演奏点で4.5 ・2/24/96 Sydney初日 ・2/27/96 Brisbane ・3/01/96 Melbourne2日目 ●演奏点で4.0 ・2/25/96 Sydney2日目 ・2/29/96 Melbourne初日 「どれか1公演を」ということになると、Babeで始まり、Night Flightもやっており、かつ最終 公演であるところから、Melbourne 2日目をお薦めしましょう。5.まとめ
「意外に良い演奏だった」と言うのが、豪州公演を聴いた最初の印象でした。 Robertの声には若干の波がありましたが、終盤にはどの公演でも調子を掴んでいました。 Jimmyの演奏も日本公演以上に安定しており、TSRTSなどは軽々と弾いている感がありました。 観客は日本ほど靜かでなく、USほど馬鹿騒ぎでもなく、ちょうどEuroに似た感じの爽やかな盛り 上がり方でした。演奏側にとっては、適度に演りやすい観客だったのではないでしょうか? ただ、演奏面で問題がなかった反面、全体的にCoolな雰囲気を感じました。 US-2nd Legに似た感じ、と言えば良いでしょうか? 当初、東南アジア、インド、北アフリカ等がTour候補地として挙げられていましたが、結果的 にこの豪州が最終公演地となりました。 1年以上に渡る長帳場であり、Melbourne 2日目での「もうこれ以上Tourはやりたくない」と いうRobertのセリフは、彼等の本音だったのではないでしょうか? 実際、これらの候補地でのTourは、興行的に大冒険だったと思われます。無理してTourを続行 すれば、興行上のトラブルや、メンバー間の軋轢を起こす可能性もあったでしょう。 最終公演は、アンコールでメンバーが仮装して演奏するというお祭り騒ぎであり、和やかな雰 囲気で有終の美を飾ることができました。彼等らしい「潔い引き際」であったと私は思います。 次のアルバム、次のTourへ...。 Project続行の可能性をファンの胸に残し、"Jimmy Page Robert Plant World Tour 1995/1996" は、115公演に及ぶ一大叙事詩の幕を鮮やかに下ろしました。6.最後に
この全Tour Reviewも、1年以上の月日を経て、ようやく完成に至りました。 当初はコメントを数行に押さえ、客観的な点数の羅列に徹しようと考えていましたが、回を重ね る度に伝えたい情報が増えてしまい、最後はご覧の通りの状況となってしまいました。 内容に関しては、今後も訂正や新事実が判明すれば更新していくつもりです。 皆様の感想やご意見をお待ちします。 最後に、各音源/資料の収集、内容の確認にご協力頂いた方々に、心より感謝いたします。この企画は、世界中のPage and Plantファンの方々の共同製作です。