世紀末!アメリカ横断ウルトラ出張記 西海岸編(パート2) Update:1/5/99

2nd Place:San Jose

ここで、経緯を説明しなければなるまい。

今回のSan Joseの宿泊先については旅行代理店に予約をお願いしていたのだが、どこも満杯で
出発寸前になっても確定の連絡が来なかった。そこで私がインターネットで検索し、条件に合
ったホテルとしてこの「エアポート・イン」をオンライン予約したのである。

1泊1万円ちょいであり、決して値段からすれば危ない感じはしなかった。ページの造りもし
っかりしており、よもやこのような事態を予想できなかったのである。

....と言い訳を言ってても始まらない。
とりあえずフロントに荷物を預けさせてもらい、まともなホテルを捜しに行かねばなるまい。
見まわしたところ、建物の正面に物置のようなプレハブが1個ポツンと立っている。ここがフ
ロントだろうとあたりをつけて、ピギーを転がしながらズカズカと入って行く。

プレハブの中にはカウンターがあり、一応ホテルのフロント風の造りになっていた。赤いブレ
ザーを着た太った金髪の姉ちゃんが、何やら電話の応対をしていた。

「今日予約してたホンダと申すものだが、チェックインまで荷物を預かって下さらんか?」
電話を終えた姉ちゃんに、鮮やかなクイーンズ・イングリッシュでそう伝える。
「ああ、ミスター・ホンダね。先ほどお連れの方が来て、このメモを預かったわ」

メモには日本語の走り書きで「近くのRadisson Hotelに変更しました。本多さんの分も取っ
てあります。Sより」とあった。私は安堵の溜息をついた。


ここで更に説明せねばなるまい。 今回の西海岸出張は工場から2名のメンバーが同行するのだが、彼らは私よりやや早い便で San Franciscoに到着していた。市内見物してから夕方にSan Joseに移動すると言っていた が、どうやらSan Joseに直行して私と同じショックに遭遇したらしい。 旅慣れたS氏(前回のLA出張にも同行したヒト)は事態をすばやく把握し、即座に別のホテ ルを予約してくれたのである。う〜む、大変申し訳無い。 Radisson Hotelは歩いて1ブロックのところにあった。コンクリートの5階建てで、ビジネ スホテルといった佇まいである。先ほどのモーテルと比べると雲泥の差である。
Radisson Hotel San Jose
フロントでチェックインを済ませる。連れの2名は「ダウンタウンに買い物に行く」と言い 残して外出したとのこと。 部屋はまずまずの広さであった。キングサイズのベットに大型のテレビ、小奇麗なユニット バスという典型的なアメリカのホテル設備であり、全く無問題(モーマンタイ)である。 部屋に置かれていたパンフレットを見ると、Radissonは世界的なホテルチェーンであり、我 が日本にもいくつかホテルを構えていた。SheratonやHiltonに比べればやや格落ちするが、 中級ホテルとしてはなかなか名の通ったところらしい。 私はベットに横になり、今回アメリカに来て「初めて」リラックスすることができた。
....いや、ここで寝てしまったら、時差ボケで明日以降の仕事に差し支える。 あくまで現地時間に沿って生活するため、何が何でも市内観光に出かけねばなるまい。 私は重い足取りで、ホテルの部屋を後にした。 「ダウンタウンまでは路面電車に乗って行くのがよろし」というフロントの兄ちゃんのアド バイスを受け、教えられた通りに停留所を探す。歩いて5分くらいのところにそれらしきも のがあった。 自動販売機があったので、早速$1.25均一也の切符を購入する。電車が来たので乗り込んだ が、どこにも切符を入れるところが無い。改札にも来ないので「どうしたものか?」と悩む が、途中で乗り降りする人々が全く切符を提示していないことに気づいた。 つまりこれは「性善説」に則ったシステムなのだ。乗客は切符を買うだけで、それをポケッ トに入れたまま降りてしまう。「ズルしちゃだめよ、大人でしょ?」ということだ。 確かにこの方式だと、システムがとてもシンプルになる。ただ、ホントにそれで経営が成り 立つのだろうか?San Joseの皆さんはそれほど紳士・淑女ばっかりなのだろうか? 腹黒い日本人の私としては、なんとも納得できないものがあった。
性善説の路面電車「ライトレール」
10分ちょいで市の繁華街であるダウンタウンに着く。ビルが建ち並んではいるが、デパー トや商店の類は殆どなく、かなり閑散とした風景である。 それでも日曜日のせいか子供連れが多く、公園ではクリスマスのイベントが行われていた。 私は遅い昼食として、屋台で中華風のランチプレートを買った。春巻、ヤキソバ、炒飯が山 盛りになって6ドル。安いと言えば安いのだが、なんとも大味で最後まで食べられなかった。 ダウンタウンを朦朧とした頭で歩き回り、ようやく見つけた雑貨屋でビールを1箱買い込む。 350ミリリットル缶で1本約60円。とにかくアメリカのビールは安くて嬉しい。 夕方、再びライトレールに乗ってホテルに戻る。(小心者なので、切符はしっかりご購入) 夜は同僚2名とホテルのレストランで食事。「大変申し訳無い」と本多のおごりにする。 こうして、アメリカでの長い長〜い初日が終わった。

西海岸編 PART-3に進むひとつ上に戻る