Led Zeppelin 特別展示コーナー(肖像権の関係で加工済み)
Led Zeppelinの特別展示コーナーは、鉄柵で囲われた5メートル四方くらいのスペースで、
背後にはLed Zeppelinという文字をアートに描いた大型のキャンバスが下げられていた。
そこにびっしりと並べられていたものは、以下の貴重な品々であった。
●Jimmy Pageの黒ドラゴンスーツ
展示されていたのは白ではなく黒の方であった。1975年のEarls's Court、1977年の
数公演で着ていたもの。色白のマネキンに着せられており、Jimmy Page風のクルクル
パーマのカツラをかぶっていた。やけに唇が厚いマネキンで、顔は全然似ていない。
製作から四半世紀経過しているが、スーツの保存状態は驚くほど良かった。
良く見ると上着とパンツで生地が異なっており、上着はやや光沢のあるジャージ風で
パンツは起毛したベルベット風であった。パンツの左右にはポケットが付いており、
おそらくピックをここに入れていたものと想像される。
ドラゴンの刺繍は左右の腕、左右の外腿、右胸、背中、そしてパンツの尻の部分にも
入っていた(背中と尻はドラゴンの頭部のみ)。刺繍は非常に厚みがあり、色も鮮や
かで、おそらく製作当時のコンディションそのままと思われる。ドラゴンは基本的に
左右対称だが、それぞれで若干ディテールが異なる。例えば右腕の顔は緑でヒゲが紫、
左腕の顔は紫でヒゲが緑である。また、腿は左右で尻尾の形が微妙に異なっていた。
パンツの股間のあたり、右側には金糸でZosoマーク、左側にはなにやら星座マークが
3つ赤糸(縁取りは金糸)で刺繍されていた。
●Jimmy Pageの生ギター
ZEPP初期にステージやレコーディングで愛用していたHarmony H-1260 Sovereign。
1971年の初来日公演で使用していたことで、日本のファンには馴染み深いのでは。
写真では今まで気がつかなかったのだが、エンドピンを使用しないでストップテール
ピースのようにブリッジの下の方から弦を通す仕組みになっていた。Ovationなどが
後年この構造を採用しているが、当時としてはなかなか斬新な構造である。
全体の形はMartin等に比べるとややずんぐりとしており、ペグは金属カバーなしで
歯車剥き出し。経年劣化のせいか、黒いピックガードがボディから剥がれて浮き上が
っていたのが悲しげであった。
●Jimmy Pageの小型アンプ
Supro社の真空管方式のコンボアンプ。説明には「Stairway to Heavenをこのアンプ
で演奏した」とあった。保存状態はかなり悪く、前面のサランネットはあらかた破れ
ており、大型スピーカーがほとんどむき出しになっていた。モデル名は不明だが、ノ
ブが6つ、ジャックが4つ付いている、やや大ぶりのものであった。
●John Paul Jonesのボンボリ付きステージジャケット
1973年のMSG公演で着ていたピンク色のジャケット。映画「永遠の詩」でその姿を確
認できる。よく見ると様々な布地をパッチワークで繋いだものであり、胸には小さく
ドラゴンの刺繍が入っている。また、背中には黒地に銀糸で椰子の木とフラミンゴと
思われる南国風の刺繍が入っている。腕には片方に2個ずつ、色糸でくるんだ飾り玉
がぶら下げられていた。これまた、非常に保存状態が良かった。
バックスキンで腿のあたりに切り替えが入っているグレーのパンツを履いていたが、
説明には「ジョンジーのジャケット」とあっただけなので、これは本物でない可能性
あり。こちらのマネキンは金髪でもみあげまであり、ジョンジーに似せようという意
図は感じられた。
●John Paul Jonesの8弦Bass
1977年から1980年までステージで使用してたもの。
ボディが想像以上に薄く、多分2cmくらい。ボディ表面に丸いケルト風の文様がペイ
ントされてたが、縁取りの縄模様はボディを直接削って描かれていた。
●John Paul Jonesの電気ピアノ
ドイツHOHNER社製。木目調のアップライトピアノ型で、膝が当たる部分にスピーカー
が内蔵されていた。説明によると「1970年製。Stairway to Heaven/No Quarter/
Misty Mountain Hop/Down By The Seaside等のレコーディングで使用された」との
こと。
●BonzoのDrums Set
グリーンシャンペーン(緑色のラメ)のLudwig社製セット。説明には「IVthのレコ
ーディングと1971年のツアーで使用した」とあった。(実際は1970年6月28日のBath
Festivalから1973年の欧州ツアーまで、非常に長期間使用されている)
タムホルダーが正面から見て平たい板状になっているのがこのsetの特徴。バスドラ
の周囲は傷だらけであり、ツアーでかなり酷使されたことが伺われる。
バスドラ正面にLudwingロゴ入りの透明な皮が張られていた。Bonzoが当時ステージ
で使用していたのは当初は白地のLudwigロゴ入り、後には白地に「Bonzoマーク」入
りであり、この皮は後からつけられたものである可能性あり。
ジルジャンのシンバルもセットされていたが、ピカピカで新品同様であり、これは本
物でない可能性あり(ロゴマークはBonzoと同じ黒であったが)。背後にパイステ社
のゴングもセットされていたが、これも本物かどうか不明。
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そういった至宝を目の当たりにし、私は感動のあまりに嘔吐感を覚えた。ありていに言う
と「オエオエッ!」とその場で吐きそうになったのである。
人間、興奮が高まるとそういうこともあるんだなぁと、妙に悟りを開いた心境であった
私はこれらの展示を嘗め回すように見まくり、至福の時間を過ごした。このままここに寝
泊まりしても良いくらいであったが、そこは大人の判断で、残りの展示を見て回った。
エスカレータで1階から4階まで見て回ったが、残りはロカビリーとかヒップホップなど
の展示で、私の趣味ではないので説明はパス。3階の壁に写真家Ross Halfin氏が寄贈し
たZEPPのポスターが数点貼ってあった。5/25/69のTHE WHOとのジョイントや10/31/69の
フェスティバルのもの、75年のEarls Courtのもの等が確認できた。
下りのエスカレータで1階に戻ると、売店の中に降りるようになっていた。Tシャツ/
トレーナーの類が豊富であり、思わずカードで散財してしまった。(ちなみに自分用に買
った長袖Tシャツを帰国して着たらブカブカであった。アメリカサイズは要注意である)
地下のZEPPコーナーを再び眺め、興奮覚めやらぬ状態で私はHall of Fameを後にした。
すぐ近くに巨大なスタジアムを発見。ガイドブックや地図にまだ載っていない新しい建
物であり、Cleveland Stadiumという看板が出ていた。
Cleveland Stadium
建物の外周を歩いていると売店らしきものが営業中であり、中を覗いてみた。
どうやらこのスタジアムはアメフトチームBrownsの本拠地のようで、この店はBrowns
のグッズショップであった。トレーナーやTシャツの種類が驚くべき豊富で、アメリカ
におけるアメフト人気の高さが窺い知れる。私は昨夜の寒さを思い出し、防寒のために
ニットの帽子($12)をしっかり購入した。
店の奥はスタジアムの通路につながっており、トイレに行くふりをしながらスタジアム
の中を覗きに行った。すり鉢状になった観客席で、緑色の芝が目に鮮やかであった。
街中を歩き回る。基本的にはオフィスビルが多く、お店の類はほとんどない。
やがて巨大なスタジアムに出くわす。(この街はなんとスタジアムの多いことか!)
映画「メジャーリーグ」で一躍有名になった野球チームCleveland Indiansの本拠地、
「Jacob's Field」である。
Jacob's Field
ここはさすがにシーズンオフの真っ最中で、売店の類も開いてなかった。金網越しに中
を覗いてチョンである。球場の周りの石畳には、歴代選手の名前がレリーフになって埋
め込まれている。石橋貴明の名前は、当然ながら見当たらなかった。
既に日が沈みかけており「そろそろホテルに戻るかな」と思った矢先、私はその建物に
突如出くわしたのである。それは....。
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