純正インク と 詰替用互換インク 印刷後の経時変化を見よう
私は、純正インクではなく、詰め替えインクを使用しております。比較的よくプリンタを使う私にとって、コストの安い詰め替えインクは、とても魅力的です。もちろん詰替えインクを用いると、色合いが変ったりしますが、色合いについては、いまのところ不満は有りません。ただ、頭の片隅に、印刷したものの、保存性はどうなんだろう?という疑問がず〜とのこってました。いつまでも疑問のままというのもなんなので、遊びがてら、試してみることにしました。
注意
これは、遊びで行った、参考データーです。詰替インクすべてが同じ結果になるわけではありません。
比較内容
比較は黒インクのみ(全色比較は大変なので)
印刷物を、部屋の片隅にぶら下げて、印刷したものの変化をみる。夕方には西日がガラスごしにさすため、条件としては厳しいものと思われる。
印刷物には、カバーなどの覆いを一切行いません。空気に直接触れるようにしてあります。
比較は、印刷物をスキャナで読み取り(カラーモード)、フォトショップでグレースケールに変換後、黒(K)が何パーセントであるかを読み取る。
掲載写真は、カラーモードのもの。カラーで読みこむのは、西日による紙の日焼状態をみるため。
使用インク
純正物 BCI-6 BK BCI-5にくらべ、耐候性が非常に良くなった製品です。
詰替物 A社 黒インク BCI-6対応と書かれているものです。
詰替インクとしては、一般的に店頭でよく見かける製品です。
店頭に並ぶ詰替インクは、「値段は高いが、色合いなどにおいて、初心者でも安心して使える」という部類にはいる製品かとおもいます。
それでも、純正インクを使いつづけるよりは、はるかにコストが安いので、愛用している一品です。
印刷物
印刷データーはフォトショップで作成。
CMYKモードで作成し、使用する色は、C:0% / M:0% /Y:0% / K:100%
印刷は、グレースケール印刷とする。
まず、詰替えインクの詰まったインクカートリッジを用いて、用紙の上半分に、印刷データーを印刷する。その後、純正インクカートリッジに取替え、黒を用いた印刷物をそこそこの量印刷、十分純正インクのみになったところで、詰替えインクで印刷した用紙の下半分に、同じ印刷データを印刷する。
使用プリンタ
CANON BJ-F850 Upgrade
Upgradeにより、耐候性の優れたBCI-6インクが使えるようになりました。
本来、BJ-F850用のインクは、BCI-5なのですが、こちらは、耐候性に難がありました。
その後、ユーザーの要望により、別の機種のプリンタのインクで、耐候性のよいBCI-6インクがドライバの変更によりBJ-F850でも使えるようになりました。
用紙
SANWA SUPPLY ファイン用紙 つやなしマット 薄手(0.1mm)
経過を見るためのスキャンについて
EPSON GT-7000 読み取りの設定を、インク比較用 という名前で保存しておき、読み取りを行うときは、常に同じ設定で読み取るようにしています。
比較結果
実は、互換 という文字の部分にインクの会社名をいれてました。ただ、それはちょっとまずいかな、と思い、スキャン後、詰替という文字を覆いかぶせました。
スキャンした画像のファイル容量削減のため、印刷部分のみを、PC上で切り貼りしたものを掲載しています。
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05年4月30日 [開始] |
05年5月8日[9日経過] |
05年5月10日[11日経過] |
05年5月16日[17日経過] |
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純正K:98% 詰替K:84% |
純正K:98% 詰替K:80% |
純正K:98% 詰替K:75% |
純正K:96% 詰替K:70% |
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05年5月20日[21日経過] |
05年5月26日[27日経過] |
05年6月3日[35日経過] |
05年6月10日[42日経過] |
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純正K:95% 詰替K:68% |
純正K:92% 詰替K:56% |
純正K:90% 詰替K:51% |
純正K:90% 詰替K:51% |
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05年6月18日[50日経過] |
05年6月24日[56日経過] |
05年7月12日[74日経過] |
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純正K:90% 詰替K:47% |
純正K:90% 詰替K:45% |
純正 K:89% 詰替K:40% |
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K値の変化 (K値 : photoshopで印刷画像をスキャン モノクロモードに変更してCMYKのKの値をスポイトで読み取る)
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21日目から27日目の間で、詰替えインクは目に見えて劣化してしまいました。途中で西日が強くあたったのか、原因は不明です。ただ、純正インクの方も、この期間に同じように劣化しているため、詰替インクのほうのみ、環境条件が悪くなったわけでは無いといえます。この間、もっと細かい間隔でデータを取っておけば良かったと後悔しています。
結論
純正インクの圧勝!
さすがは、耐光性のよさをアピールしている純正です。ここまで差がでるとは思いもよりませんでした。値段の高さは伊達ではありません。印刷物を末永く保存するためには、純正インクを使用したほうがよいということがはっきりわかりました。
ただ、紙に印刷したものを長期にわたって保存する必要がほとんどない私にとっては、この詰替えインクの耐候性でも十分なような気がします。必要なら、印刷したものを、光や外気にさらされないよう、ちゃんとファイルに入れて保存する 、ラミネート加工してしまう。などすれば、けっこうもちそうですし。なにより、純正より遥かに安いのが魅力。