食事で防ごう寝たきり・痴呆 




 1.あなたの食事は間違っていませんか 





 寝たきり・痴呆を引き起こす大きな原因が脳卒中にあること、そして肉類を控え過ぎている
お年寄りの食生活が脳卒中を招いていることは、「脳卒中を引き起こす食生活」の項で述べ
てあります。
 ところが、年を取ったら、あるいは長生きするためには、油っこい肉や魚は控えて、野菜中
心の食事がよいと思っている菜食主義の人が根強くいます。しかし、これは非常に危険なこ
とです。



 菜食主義が危険な理由 





 菜食主義が危険な理由は二つあります。
 第一の理由は、肉類を控えることによって動物性蛋白質が不足し、脳の血管の弾力性が
失われ、血管壁がボロボロになってしまうことです。これは脳卒中一歩手前の状態です。
 
 日本型脳卒中の原因は、日本人の血管が弱くて破れやすいことにあります。血管が弱い
のは、血管に弾力性をもたせる働きのある動物性蛋白質、つまり肉類の摂取量が少ないこ
とに起因しています。特に若いころから肉類の摂取量の少ないいまのお年寄りでは、血管
壁がボロボロになっている人が多いはずです。本来もっと肉類を摂取しなければならない
お年寄りが、菜食主義により肉類を控えてしまったら、脳卒中に限りなく近ずくことになり、
寝たきり・痴呆を引き起こす危険が増大します。




 菜食主義が危険な第二の理由は、過剰に塩分を摂取し、高血圧を招きやすくなることで
す。野菜主体の食事では、必要なエネルギー源をどうしてもご飯に求めることになります。
ご飯をたくさん食べるには、漬け物や味噌汁といった塩分の多いおかずを多く食べるよう
になり、その結果、血圧の上昇を引き起こします。

 ご飯は塩分と相性がよく、塩味や味噌味だけで、おいしく食べられます。例えば、ご飯に
塩味をつけ、中に梅干しを入れて握っただけのおにぎりを思い浮かべてみてください。お
いしく食べられることがおわかりいただけると思います。



 米どころといわれる東北地方は、昔から塩分の摂取量が多く、今でこそ減ってきたとはい
え、戦前は1日40グラム近く食べていたと推測されています。漬け物に味噌汁、塩魚という
食事が想像できます。そして、東北地方は脳卒中の死亡率が高いことでも知られています。
 
 このように菜食主義は、動物正蛋白質の欠乏、塩分過剰による高血圧を招く非常に危険
な食生活であり、脳卒中ひいては寝たきり・痴呆を引き起こす間違った食生活なのです。




 肉類をどのくらい食べればよいのか 





 では肉類をたくさん食べればよいのかというと、これもまた間違った考え方です。肉類が脳
卒中を防ぐといっても、無制限に食べてよいというわけではありません。
 
 日本人が1日に食べる肉類の量は、平均71.2グラム(平成二年国民栄養調査)ですが、
コレステロールの過剰供給が問題となっている欧米人は、日本人の3倍から4倍、およそ200
ー300グラムもの量を食べているといわれています。肉類をたくさん食べている欧米人には、
確かに脳卒中は少ないのですが、かわりに心筋梗塞が多くみられます。つまり食べる肉類の
量が少なければ脳卒中、多ければ心筋梗塞を引き起こしやすくなるわけです。




 偏食を避けバランスのい食生活を 





 これまで菜食主義などの間違った食生活を正すために、肉類を食べることの重要性を強調
してきました。しかし菜食主義が間違っているからといって、野菜は食べなくてよいのだと誤解
しないでいただきたい。菜食主義が偏食ののと同様に。これももた偏食で、間違った食事なの
です。

 肉類からは良質の蛋白質が摂取できますが。ビタミンやミネラル、糖質といった栄養素は、
ほとんど摂取できません。ビタミンやミネラルを摂取するには、野菜や果物、牛乳、海藻などを
食べる必要がありますし、糖質はご飯やパン、芋などから接収しなければなりません。

 正しい食事とは、健康に生きていくうえで必要な栄養素を、過不足なく接収できる食事のこと
です。肉類、魚介類、卵、野菜類、穀類、乳類、豆類、芋類、きのこ類、海藻類、果実類などの
食品を、偏らずにバランスよく、毎日食べることが大切なのです。



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