健康に長生きできれば安らかに死ぬことができる
(「医療’98」4月号「介護保険で老年医学はどう変わる」
(対談) 井形昭弘氏・水野 肇 氏 より抜粋)



水野氏

私の親は二人とも奇しくも92歳で亡くなりましたが、あれぐらい長生きすると、死ぬ
ときの苦しみがないようですね。私は、それこそが長寿のいちばんのメリットじゃない
かと思います。


井形氏

おっしゃる通りです。私が皆さんに長生きした方が特ですよと言っているのは、医学が
進歩して、アルツハイマー病もあと10年たったら治るようになるということが一つ、
もう一つは今言われたように、長生きすると、亡きなるときに寝たきりの期間も短いし、
大往生できるからです。


水野氏

母が亡くなったとき、その病院長に「こういう安らかな顔で亡くなる人というなは、私
も一年に何人もは見ていない」といわれましたね。

井形氏

不私もそ言われたいですね(笑い)。天寿がんと呼ばれるものがあります。90歳以上
の人の方で大往生、幸せな死に方をした人を解剖すると、ほとんどがんがあるのですが、
そのがんは、痛まない、苦しまないがんが多いので、神様がそろそろ有終の美を飾ると
きですよ、と言って、苦しまないがんをくださったという発想が生まれるたのです。

水野氏

90歳を過ぎれば大体大往生になるのです。その辺までいけば、がんとか心臓・血管系
の病気というような診断上の区別はあまりなくて、なんとなくスーッと死ぬんですよ。
それで案外寝たきりにならない。寝たきりになってもせいぜい3ヶ月とか半年とか。


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