ワヤンが何か (wayang/wayan)


 本当はこのような注釈は書きたくないのですが、インドネシアのことをあまりご存知でない読者には解りにくいのではないかと思い、おせっかいな解説をします。ご存知の方はすぐ本文に戻ってください。

 若者(奥山)の言っている「ワヤン」とは、ジャワやバリの影絵芝居ワヤン(ワヤン・クリなどの総称)のことです。バリに長期滞在しているものの、日頃影絵芝居など観ない(?)美耶子は、バリの庶民階級の間で長子や五番目の子供を呼ぶ「ワヤン」を連想したのでした。

 影絵芝居のワヤンは "wayang"、バリのワヤンは "wayan" と綴りますが、日本人にとっては会話では見分けがつきにくですよね。

 図らずも美耶子の『一体どこから来て、どこへ行こうとしているのか』という言葉は、ジャワのワヤン・クリにおける永遠のテーマでもあります。(正確には、イルム・サンカン・パラニン・ドゥマディ、つまり『人間何れより来たり、何をなし、何処へ行くか』)


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