ウサナ・バリ(Usana Bali)
オランダの文献学者ヒンズラルの研究によると、『ウサナ・バリ』は3種類に大別できる。
- ウサナ・バリもしくはウサナ・バリ・マーヤンタカ、マーヤダーナワーンタカと呼ばれるカカウィン型式の詩。16世紀にジャワより来島したダンヒャン・ニラルタの作とされる。
- ウサナ・バリと呼ばれ、不詳の作者によるググリアン型式の詩。
- ウサナ・バリという題名のついた散文原典。
カカウィンとは古代ジャワの詩型式の一つで、ググリアンとはバリの詩型式である。1と3は古ジャワ語、2は古ジャワ語混在のバリ語で書かれている。
- カカウィン詩による『ウサナ・バリ』は、6本のロンタル文書がオランダのレイデン大学附属図書館に所蔵されている。
- ググリアン詩による『ウサナ・バリ』のロンタルは2本が知られ、そのうち1本はレイデン大学図書館、もう1本はバリのシンガラジャにあるロンタル図書館――グドン・キルティヤ――に所蔵されている。
- 『ウサナ・バリ』の散文原典は、ヒンズラルによると、6種類に分類される。現在、ジャカルタとコペンハーゲンの図書館やバリの個人などにロンタルが、オランダの大学図書館や研究所にロンタルより洋紙に転写した稿本が所蔵されている。
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