デンパサール「市」（Kota Denpasar）

　実際には、「デンパサール市」という名称は存在しない。インドネシアにおける市（コタ・マディヤ）とは、県（カブパテン）と同格の行政区画で、県から独立した一定の自治権を有する。さらにジャカルタは、東西南北中央の５つの市が集まって首都特別州（Daerah Khusus Ibu Kota Jakarta＝ＤＫＩジャカルタ）を構成する。コタ・マディヤは全国に49あるが、バリにはない。

　デンパサールは、西・東・南デンパサール郡（クチャマタン）から成る。デンパサール３郡の総面積は123.98平方キロ、1991年の総人口は約30万人である。便宜上、文中にはデンパサールが一つの市であるかのような表現を取った箇所がある。ちなみに、デン・パサールとは、「市場の北」という意味である。

　1986年現在、バリには８つの県、50の郡、564の行政村がある。規模の上から敢えて日本の市町村に当てはめれば、デンパサールとシンガラジャが市、クルンクンやギアニャール、タバナンなどの県庁所在地とサヌール、クタ（クタはインドネシア語のコタ＝町、街と同義）などが町、それ以外のほとんどは村と考えてよい。

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