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色 の 図 書 館

色に関する知識をいくつか集めてみました
あなたは、どんな話に興味がありますか?
1.色の種類
2.色と感覚
3.色と心
4.色の組み合わせ
5.生活と色
6.色と光の不思議

1.色の種類

『色相』、『明度』、『彩度』を色の三属性といい、色の特徴を示しています。
『色相』というのは、赤・黄・緑・青・紫といった色みのことです。
『明度』というのは、色の明るさのことです。
『彩度』というのは、色の鮮やかさのことです。

よく使われる色の分け方には、明度と彩度を1つにまとめた『トーン』と『色相』の組み合わせで表現する方法があります。
『トーン』には、ヴィヴィッド・トーン(さえた・鮮やかな)、ストロング・トーン(強い)、ブライト・トーン(明るい)、ペール・トーン(薄い)、ライト・トーン(浅い)、ライト・グレイッシュ・トーン(明るい灰みの)、ソフト・トーン(柔らかい・穏やかな)、グレイッシュ・トーン(灰みの)、ダル・トーン(鈍い・くすんだ)、ディープ・トーン(濃い・深い)、ダーク・トーン(暗い)、ダーク・グレイッシュ・トーン(暗い灰みの)と、いったものがあります。
色を表現するときは、例えば「鮮やかな赤」とか、「くすんだ黄」とか、「うすい紫」といいます。
色相とトーンの組み合わせで、何となく色がイメージできますよね。でも、普通は、「紅色」とか、「芥子色」とか、「ライラック色」といった方が分かり易いものです。(慣用色名といいます)
自分の知っている色名で表現できないときには、このような色相とトーンの組み合わせを使うと便利です。

2.色と感覚

  • 順応
    明るい所から暗い所に急に入ると、初めはよく見えないものの、やがて暗さになれて、周囲の様子がよく見えるようになります。それは、目が周囲の状況に順応しているからです。目の細胞には、明るい場所で働き色をよく見分けられるすい体と、暗い場所で働き、色を見分けることのできないかん体とが、あります。
    色についても目は周囲の状況に順応しようとします。例えば、電球で照らされた室内に入った時、初めは黄色みがかって見えたものが、しだいにその黄色みを感じなくなってしまう、といったことです。

  • 色の進出・後退、膨張・収縮
    明るい色や暖色系の色は、大きく進出して見えます。暗い色や寒色系の色は、小さく後退して見えます。色の膨張・収縮は、色の明るさに大きく左右され、寒色であっても明るい色は、暖色の暗い色より大きく見えます。さらに、背景色によっても影響を大きく受けます。

  • 色の見やすさ・読みやすさ
    交通標識や店の看板・パッケージなど、書かれている文字や図柄の色が見えやすいかどうか重要な場合があります。色は、組み合わせによって見えやすかったり、見えにくかったりします。実験によると、よく見える配色は、1黒地に黄 2黄色地に黒 2黒地に白 4紫地に黄 2紫地に白 6青地に白(2位と4位はそれぞれ2つ)となっていて、色の明るさが大きく関係している事が分かります。

3.色と心

一つの色を見たときや色名を聞いたとき、好きとか嫌い、嬉しいとか悲しいなどの感情を伴ったイメージを心に描きます。それを色の感情効果といいます。特に、男女差・老若を問わず共通する感情をその色に対する固有感情といいます。

  • 暖かい色・冷たい色
    赤から橙・黄までの色は、暖かく感じる色で、暖色系といいます。また、青緑から青・青紫までの色は、冷たく感じたり、寒く感じることから寒色系といいます。暖かくも寒くも感じない中間の感じ方をする黄緑・緑、紫から赤紫までの色を、中間色といいます。
  • 軽い色・重たい色
    色の軽・重感は、色の明るさに関係しています。例えば、日常持っているカバンを軽快な感じにしたいときは明るく薄い色にすればよく、黒やダークブルー・紫などにすると重々しくなります。
  • 派手な色・地味な色
    派手・地味な感じは、彩度に関係しています。鮮やかな赤・鮮やかな黄・明るい青・明るい紫で配色された着物は華やかな感じになり、逆にグレイやグレイがかった灰みの色は地味な感じになります。
  • 硬い色・柔らかい色
    硬い・柔らかいの感じは、軽い・柔らかいに感じと同様に明度に関係しています。お菓子のクリームがかった色や、赤ちゃんの肌色を見ると柔らかい感じがします。また、チョコレートの色は硬い感じがします。
これらの他にも、『強・弱感』、『陽・陰感』、『興奮・鎮静感』、『明・暗感』、『澄・濁感』、『男性的・女性的』などの感情効果があります。

色の好みの調査は、大量生産・大量販売に合う色を調べる目的でよく行われているようです。色の好みには、個人差がありますが、好き嫌いの調査例から傾向をみると、『1青系の色が好まれる』『2白や明るい色が好まれる』事が分かります。世界的にみても、ブルーが好まれ、東京・大阪、年齢別にみてもブルーが好まれています。
最近の傾向からは、『1鮮やかな青と白が好まれる』、『2青系が好まれ、次は赤系が好まれる』、『3基本色である青・赤・緑・黄が好まれる』、『4鮮やかな色が好まれ、次は明るい色が好まれる』、『5無彩色の中では白が好まれ、灰色は嫌われる』事が分かります。
男女差でみると、『1男性は寒色系、女性は暖色系を好む』、『2男性は青を好み、女性は紫・赤紫を好む』、『3男性は特定の色に集中しやすく、女性は好みが多様化している』事が分かります。
年齢差でみると、『1白・赤・緑・濃い青などは、年齢が高くなるほど好みが減少する』、『2暗い青・黒・茶などは、年齢が増すほど増加する』事が分かります。

4.色の組み合わせ

色は組み合わせる事により、また違った表情を見せてくれます。組み合わせ方の一例をご紹介します。

  • 色みを主体にした配色
    同系色の配色類似の色みの配色反対色の配色

  • 明るさを主体にした配色
    明度差の小さい配色  明度差の大きい配色

  • 鮮やかさを主体にした配色
    彩度の差の小さい配色 彩度の差の大きい配色

  • トーンを主体にした配色
    トーンの差の小さい配色トーンの差の大きい配色

5.生活と色

朝起きてから夜寝るまで、私たちは様々な色とともに過ごしています。気になる色も、何気ない色もそれぞれ訳があるようです。そんな生活の中の色の断片を少しばかり拾ってみました。

  • インテリア
    壁紙によく使われる暖色系のオフホワイト、見慣れた色ですが、ナチュラルなインテリア、カジュアルなインテリア、モダンなインテリア・・・様々なスタイルのインテリアに無理なく合います。このようによく使われる色は、慣用色といって長い時間をかけて多くの人に支持されてきた色で、目新しさはないけれど飽きない色です。
  • カラーイメージ
    色は、イメージを持っています。赤・青・白・緑などの鮮やかでコントラストの強い色の組み合わせはカジュアルでスポーティなイメージ、茶色・黒・オリーブグリーンなどのダークな色の組み合わせはクラシックなイメージ、白やパステル調の色の組み合わせはロマンチックなイメージ、ベージュ・アイボリー系・ソフトなグリーンの組み合わせはナチュラルなイメージ・・・。私たちはそんな色のメッセージを様々な商品やパッケージやファッションから知らぬ間に受け取っています。
  • サイン
    街で良く見かける信号機の赤・青・黄色、非常口の表示の緑、消化器の赤。サインとして用いられている色には、約束事があります。それは、安全色彩と呼ばれ、例えば赤は防火・停止・禁止、黄は注意、青は用心、緑は安全・進行・救急といった意味を持っています。
  • 流行色
    流行色は、時代の流れによって起こる一時的な社会慣習ですが、大量生産・大量消費を前提とした現代では約2年も前から予測され、情報発信されています。予測のためには、過去・現代の動向の調査をもとに未来予測をしていきます。日本では、日本流行色協会が公益的立場で活動している唯一の流行色の予測情報機関です。
  • 環境との関係
    色を持った様々なモノは、やはり様々な環境に置かれます。例えば冷蔵庫はキッチンに、パソコンはオフィスに、自動車は街にといったように。そのモノが置かれることにより環境全体が美しくなるように配慮したいものです。特に公共性を持った環境に置かれるものは、公共的な配慮を必要とされます。都バスの色が都民の意見でシックな色に変更した話や、とんでもない色の建物が近所に出来て、住民の方々が大変迷惑している話など聞き覚えのある人も多いと思います。

6.色と光の不思議

光とは何か?それには、光は小さな粒であるという”微粒子説”と、音のように振動で伝わるという”波動説”という2つの考え方があるそうです。どちらが正しいかというと、何故かどちらも正しいのだそうです。それは、光は微粒子でありながら波動としての性格を持っているから、ということです。不思議ですね。

  • 太陽光の成分
    太陽光は、ニュートンがプリズムで実験して分かったように、人の目に見える光としては、長い波長から短い波長まで、”赤・橙・黄・緑・青・藍・菫”という7色の単色光でできています。
  • 吸収・反射・透過
    光は、物に当たると吸収したり反射したり透過したりします。普通、私たちが物の色を見ている時、これらのことが同時に起こっています。例えば、特定の波長の光が、色の元となる顔料などに吸収され残りの光が表に出てくる事により、その光を色として見ることが出来るのです。
  • 屈折”虹”
    光は、波長により屈折率が異なります。長い波長の赤は屈折しにくく、短い波長の紫はよく屈折します。ですから、空気中に浮かぶ水滴に光が当たると、水滴がプリズムの役目をし、虹となるのです。
  • 散乱”霧・青空・夕焼け”
    散乱とは、光が空気中の小さな粒子に当たって方向が不規則に散らされることです。粒子の大きさが、光の波長より大きいと散乱の程度はどの波長でも一様で、”霧”とか”雲”のように白く見えます。
    粒子の大きさが、光の波長より小さいと散乱の程度は、波長によって異なるようになり、短波長の光は、より散乱されやすくなります。”青空”はこの散乱された短波長の青い光を青空として見ているのです。
    一方、”夕焼け”はというと、太陽を斜めの方から見ることになるため、大気の中を長い距離を通った光を見ることになってしまいます。すると、散乱された残りの長波長の赤い光が、目に届くことになるのです。

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