連載コラム・藤子な瞬間


月刊FFMM 2001年1月号(2001/01/08発行)より




▼その4「パーマン」

 現実の出来事や日常生活の中でふと「こんな場面がマンガにあったな」と思う事はありませんか。それが「藤子な瞬間」です。ここでは私が体験した「藤子な瞬間」を紹介していこうと思います。第4回は「パーマン」です。

 私が中国の片隅で暮らすようになって半年以上が過ぎました。その私が今凝っているのが、中国各地の天気予報を見ることです。家のテレビは有線テレビが入っているので、中国各地の地方テレビ局の番組が見られるのです。各地の天気予報を見ていると、天気図などを解説する場面で中国全土の地図や衛星写真が見られますし、南北や沿海部と内陸との気温差もわかります。これらから中国の広さを感じることができるのです。また、天気予報は使われる単語が少ない(「晴」「曇」「雨」などと気温を表す数字がわかればよ い)のも、中国語が未だ不自由な私にはありがたいのです。
 そんなわけで天気予報に魅せられた私は、テレビの前に「各テレビ局のチャンネル番号」「そのテレビ局が天気予報を放送する時間」「予報が放送される都市」といったものを書いた表を置いていて、これを見ながら「次はA局、その次はB局」とチャンネルを変えながら天気予報のハシゴをしています。

 先日、自分のこの姿を客観的に見て「何かに似ている」と思いました。そう、これは星野スミレが出演するコマーシャルを追いかけてチャンネルを変えるミツ夫そっくりです。知らないうちに、藤子マンガの主人公と同じ行動をしていたのですね。

<『パーマン』あらすじ>

 須羽満夫は偶然バードマンと出会い、忙しいバードマンに代わって地球の平和を守るパーマンとなった。しかし他人にパーマンの正体を明かすことはできず、普段は相変わらず普通の小学生。アイドル「星野スミレ」に熱を上げ、同級生のみっちゃんに思いを寄せ、カバオとサブはちょっと苦手。

<収録>

●てんとう虫コミックス(小学館)
●コロコロ文庫(小学館)
●藤子不二雄ランド(中央公論社)
 ほか

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