北京・昆明・百色・南寧の旅

(2001年8月)


 2001年8月、両親と祖父母の計4人が中国へやってきた。「このような機会(息子・もしくは孫がいる)でも無ければ行けないであろう百色を見たい」という希望だったので、1週間で百色を含む中国のいくつかの面を見られる旅行を計画した。百色というのは私の任地で、広西壮族自治区の北西部にある小さな街である。こんなところ(といったら地元の人は気を悪くするかな)まで、両親はともかく傘寿の祖父まで本当に来るとは、蛙の子は蛙であって蛙の親もさらにその親もやはり蛙であり、物好きな性格は血ということなのだろうか。

8月25日〜26日・北京

 25日夜、4人そろって北京着。飛行機が遅れたこともあり、長旅で疲れている様子。この日はとりあえず休む。  26日は首都博物館(孔子廟)と動物園へ。万里の長城や故宮は体力が要るので、あまり混まずにゆっくり回れるところである。入場料も安い。昼食は近くの食堂で家常菜を味わってもらう。ホテルのレストランに比べると1ケタ安い価格でも、味は引けを取らない物があると体感してもらった。本当は夕暮れの景山公園にも行きたかったところだが、日本からの長旅の翌日でもあり見送り。

27日〜28日・昆明

 27日朝は住宅街の中の食堂で北京風の朝食を味わってもらう。油条(揚げパン)、粥、包子(肉まん)、ワンタン等、これまた安くてもホテルの朝食に負けない物がある。  その後JICA中国事務所へおじゃま。明るく快適なオフィスを見せる。そして、午後の飛行機で雲南省の首府昆明へ。  28日、祖父母は一日休憩。両親と昆明郊外の民族村へ。ここは中国の多民族国家という一面を垣間見られる。観光施設だからあくまでも垣間見るだけだが。  そしてこの日の夜行列車で百色を目指す。発車時刻が遅いため夕食は乗車前に済ませてしまい、食堂車は体験できなかったが、とにかく中国の列車の旅をしてもらった。

29日〜30日・百色

 朝、車窓から沿線の農村風景など眺めているうちに百色着。午後は私の配属先である農業学校を見学。といっても夏休み中で学生はいないし、軽く眺めるだけである。  私の自室も公開。私が整理整頓を苦手としていることをよく知っている人たちであるから、非常に散らかった部屋を見ても驚きはしなかったようだ。いっしょに入ってきた校長先生達はあきれていたようだが。  30日は百色市の見物。地元民の誇りである百色起義記念碑・記念館、そして澄碧湖へ。記念碑では百色の全景を眺め、記念館では百色起義関係の展示とともに現在の百色の産業などを紹介するコーナーを眺め、湖では小型船に乗って涼んだ。

31日〜9月1日・南寧

 快班のバスで広西壮族自治区の首府南寧へ。「快」といっても百色・南寧間は高速道路が開通していないので一般道を走る。しかも、7月の洪水で百色市街と南寧への国道を結ぶ橋が傷み「大型車通行止め」のため、上流の橋まで30分ほど遠回りをする。とにかく、4時間半のバスの旅である。南寧では雨だった事もあって特に何もせず。  9月1日は南寧空港まで見送り。後は自力で帰っていただくことにして、私は南寧にもう一泊。そして2日に百色へ帰ると、熱を出して寝込んだのであった。