2003Nov15-16 R&B self-rescue training

日程
11/10 夜 勤労者福祉センターにて事前練習
11/15 物見岩上部で岩場でのセルフレスキュー
夜 ヘッデンで飯縄山に登頂
11/16 遭難時連絡についての話の後、飯縄山頂から一般登山道での各種搬送法実践

まとめ

1 負傷部位の応急手当
1−1 骨折の固定(下腿、大腿、鎖骨)
1−2 止血(間接、止血帯)

2 搬送法(登山道)
2−1 タンカ(ツェルトのみ、ツェルト+ポール、ポール+テープ)
2−2 ザックとポールで背負う

3 岩場でのレスキュー
3−1 懸垂下降
3−2 懸垂下降の仮固定
3−3 引き上げ(1/2、1/3、1/9)
3−4 宙吊り自己脱出
3−5 リード時ロープの1/2以上伸ばして墜落、意識あるが不自由なときにロワーダウン

図解 これがR&Bの救助訓練だ! 2002年の方がまとまっているので参考に
1 負傷部位の応急手当
1−1 骨折の固定
主に三角巾を使うのでまず三角巾を帯にする
30秒でやりましょう
左手の親指以外を二つ折り三角巾の中に入れておくのがコツ

副子をあてて三角巾で固定する
骨折した骨の両端の関節も固定する
下腿なら膝も固定するので副子を大腿まであててしばる
骨折部のすぐ上下を固定したのち、関節の外(この場合は大腿)をしばる
大腿を骨折したら、下腿から胸まで固定するのが望ましい
副子は適当な幅の板が最適だが、木、枝、ストック(伸縮式なら抜くと使いやすい)、傘、マットを丸めるなどその場にあるもので工夫する
副子が当たって痛いところや、隙間ができて安定しないところには服などで当て布をする
三角巾がなければスリングなどを使うがしばりにくい
これは腕を吊っているもの。固定用に上からしばるものはもっと幅を広くするべし。
鎖骨骨折の場合はさらに動きにくくするために、腕を吊るときに患側の脇を通す。
1−2 止血(間接、止血帯)
間接止血 止血は直接押さえつけるのが基本だが、それで止まらないときや患部を手当てするときに補助的に患部より心臓側の動脈を押さえて止めるもの
上腕と足の付け根を覚えておくとよい
止血帯 ざっくり切れていて直接圧迫で止まらないとき、しかも搬送する必要があるときは傷の心臓側をきつくしばることもある
これは血流を止め、神経も傷めるので、しばった先は切断すると考えて行う最後の手段。30分おきぐらいにゆるめて血を流すと切断を免れるかもしれない。

ちなみに切れた指をきれいに持って帰るとつながることもある。これは長野赤十字の岩澤先生が優秀らしい
2 搬送法(登山道)
訓練前夜はヘッデンで登頂
これはやすんでいるところ
ろうそくで宴会もオツです
雨が強くなってきてから到着したタッキーとシノ
ごくろうさん

雨だけど外でビビーザックで寝てみました
強い降りだと出入りがイヤだな
遭難時の連絡について経験者から話を聞く 無線だとなんとか警察や留守本部に連絡してもらうのだが、難しいかもねえ
そもそも無線すら通じないところもあるし。。。
2−1 タンカ
ツェルトにけが人をくるみ、端っこをそのまま手でつかむ
手が疲れる
けが人もずり動くので、真ん中だけでも下で説明するようにスリングを固定してしばった方がいいかも
持ちやすいように工夫
ツェルトの内側に石やカラビナを入れ、外からスリングでインクノットかタイオフでしばる
軽量ツェルトは破れるかもしれない
このスリングを肩にかけたりすれば手は楽。でも肩が痛いので、あて布をするとか、テープスリングをたすきにかけてそこにぶらさげるとかの工夫がほしい
ポール2本とツェルトでタンカを作る。幅をせまめにしてけが人がポールに少し乗るぐらいがよく、それでテープなどは要らない。

けが人はこれがいちばん楽のようだ
最悪2人でも運べる。救助者が多ければ横も持つとよいが、手でつかみにくいため、スリングでしばるなどの工夫がほしい
雪山なら保温にマットを敷く
テープで作る
作りながらついつい狭くなってしまうのと、搬送中に破れるのを防ぐため、まず両端をスリングで幅決めするとよい
2−2 背負う 訓練中撮影できず。2002年の写真です
救助者が2人以上の場合でも不規則な斜面や細い道では背負うことが多いと思われるのでぜひマスターしておきたい

今年はザックの肩紐に棒を通してのっかる方法のみをやった

肩紐を長くし、棒(ストック)にマットや服を巻いて足が痛くないようにする
10分も乗っていると痛くなるのでこれは重要
けが人がおちないように救助者と結びつける
スリング使用ならシートベントが便利
危険箇所では上から確保するのがよいが、ハーネスをしていないときはこのスリングにロープをつなげばよい

けが人は安定する
なお、けが人のお尻が落ちてしまうのを防ぐのを兼ねて、以下のようにスリングを太ももにもかけるとなおよい
スリングでやる方法

写真では見にくいが、けが人の尻の下と腰の上にスリングがかかり、救助者の肩にかかっている
簡単だが結構安定している
救助者の肩から外れないように両方のスリングを連結する必要がある
スリングが十分長ければシートベンドなどで直接結ぶ
けが人の手をしばる けが人を安定させるために、前にたらした手を三角巾でゆわえた
搬送者が足元を見にくいという意見もあった
3 岩場でのレスキュー くたびれたのでかつぐのはやめました
3−1 懸垂下降
近ごろロッククライミング(ってあまり言わない?)ハヤリのルベルソ
容易にロックするため、セカンドのビレイにいいそうだ

沢しか行かないおいらは、仮固定しやすさを考えると確保も下降もエイト環のみだ。
下降器をなくしたとき、イタリアンヒッチ(ハーフマスト)

この写真では右手に手袋すべきだよん

肩がらみはやはり痛いし熱いしバランスくずしそうだ!腕がらみも痛いゾ!わしゃヤダ
カラビナ2枚を使う方法
ビナ2枚にするのはゲートを逆にして外れないようにする意味とロープの屈曲を強くする意味がある
ビナ3枚かましたほうがフリクションが強くなる
支点のボルトにはビナを介してスリングを
3−2 懸垂下降の仮固定 エイト環ならテンションをかけつつぐるぐる巻きにしてカラビナで固定
腰の後ろを回してからぐるぐる巻きの方がよいという意見も
瞬間ワザでクロスさせると簡単
ATCやルベルソはそのままぐるぐる巻きは難しい
ももにぐるぐる巻きは可
ハーネスから離してATCをセットすると、下降しやすいし、いったんハーネスに折り返してからぐるぐる巻き可
3−3 引き上げ(1/2、1/3、1/9)
1/3
青シャツがけが人、白/紫手袋で引き上げ
手でつまんでいるのは、ゆるめるときのストッパー

ビナでの抵抗が大きく、これで60kgを引き上げるのは困難
1/9
1/3のシステムにもうひとつ1/3システムを付ける
なんとか上がるが、それでも重いし手も滑る
しかもこのシステムではわずかずつしか引き上げられない
で、引き上げ者がハーネスにATCをつけてロックさせて足で岩を蹴るのが有効
あー疲れる。1/9どころか半分にもなってねー!救助に行くときは滑車が要るね
肩がらみでやってみたが、滑る
1/2
下のビナの左下に引く
登山道の難所の通過補助にもよいそうだ
ザック引き上げに使ってみようかな
3−4 宙吊り自己脱出
練習風景
スリング2本をメインロープにプルージックなどで取り付け、ひとつはハーネスに、もひとつに足を入れる
メインロープが岩角でテンションがかかるので、心配なら確保して練習したい
9mmメインに6mmスリングではプルージックはきかない
5mmを使うべし。8mmメインにもきく
パートナーが宙吊りになって自己脱出するとき、ビレイヤー(ボディから確保していた)はロープをプルージックで後方の支点にフィックスすれば自由になる

プルージックが滑ったら怖いので、ロープを支点にインクノットで念のために固定
するのがよい
3−5 リード時ロープの1/2以上伸ばして墜落、意識あるが不自由なときにロワーダウン 1.下からロープ1/2以内に下り、ロワーダウンの支点を見つける(作る)
2.セルフビレイを取り、メインロープをハーネスから外して、上のランニングからロープを抜く。
3.ロープ末端をハーネスにつなぎ直し、ビレイヤーに合図してロワーダウン
ときどきやらにゃいかんね、という意見が多かった

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