連盟のあゆみ

 
 長野県自然保護連盟は、わが国の自然保護運動の原点の一つといわれた、ビーナスラインや南アルプススーパー林道建設反対運動などに取り組んだ教訓と組織を生かし、「観光開発」などによる信州の自然破壊に対する県民の関心の高まりの中で、1973年6月に30団体参加のもとで結成された。

 長野県の知性と科学と行動力を結集し、かけがえのない信州の自然と生活を守ることを目的としてスタートした連盟は、以来今日まで30余年に及び、初代会長池田雄一郎信大学長・二代会長加藤静一信大学長・三代会長隅田隆太郎信大教授ほかの役員のもとで、県民と共に調査・研究・シンポジウム等に基づき、行政や関係団体等への要請・提言活動、各種審議会等のへ参画を通じて、県内における自然保護運動の中核的役割を果たしている。

 連盟はこれらの活動の中で、1998年長野冬季五輪についても国内外の世論の支持を受けて『自然と共存した長野五輪』を組織委員会の『基本理念』に掲げさせ、自然破壊となる志賀高原岩菅山への滑降コース新設を中止させ、既設コースに変更させるなどを行ってきた。
 
 長野県は、日本の屋根として厳しくも美しい山岳を核として成立している。多くの県民はこの豊かで美しい県土を誇りに思い、かつその豊かな水土での農林業を生活の基盤としている。私たちは今後とも自然豊かなこの美しい大地を基盤として生活し、それらを損なわない形で豊かな文化を育んでいきたい。自然破壊の「開発」により、破壊された山河を緑の森に還し、心豊かなゆとりある社会と生活を取り戻したい。今こそ、これまでの経済優先の社会から、自然と共生を優先する新たな社会を創造すべき時である。
 連盟は長野県の自然保護のあり方を、基本的にこのように考えて、これからも活動を強めていく所存である。

                                  以上 

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