※某労働組合ニュース2007年1月号掲載原稿

 

もう我慢できないこんな事

 

@職業訓練校の有料化 

 私自身も含めて、ビル設備管理の世界に中途から入ってきた人には職業訓練校の出身者が多い。多くは半年の訓練なのだが、私の場合十年近く前、東京都の訓練校で一年間電気の教育を受けた。ところが、ついにこの四月から都も一年以上の職業訓練は有料にするという。二、三年前、神奈川県でこの政策が実施されたとき、私は驚いて担当部局に電話した。失業者なら無料ですか? 答えは、前年の住民税が非課税なら減免があります、ということだった(ということは失業者=前年働いていた者は、受験料二千二百円や月一万円近い授業料を支払う必要がある)。その時一番驚いたのはこの政策の導入がニュースにすらもなっていなかったということだ。「民間」で同じ教育を受けたら何十万円もかかります、とか、半年の教育ならまだ無料ですとかいうのだろうか。ならば、「民間」だろうと「大学」だろうとすべての教育は無料にしろと言いたい。何かを学んだり、何者かに成ろうとする人の志がなぜ金で制限されなくてはならないのか。

A身分制社会

 この業界に入って三社目だが、最初の二社での健康保険は政府管掌保険、一万四千円程度の保険料を払ってきた。会社を辞め国民健康保険に加入した時、月に三万五千円の金額を区役所の窓口で見せられて度肝を抜かれた(一人暮らしだったのに)。今の会社は健保組合、月に5千円程度の保険料だ(二人分なのに)。会社の定期健康診断で生まれて初めて胃のバリウム検査というのをやった。検査項目が断然増えていた。別に健康診断の項目が増えたからと言って自動的に長生きするものでもないが、健康、命に関わるこの格差はおぞましい。

 最近ビルメンの求人広告は確かに増えてきた、でも、よく見ると、契約社員とか嘱託とか書いてある。バスの運転手だって、駅員だって契約、嘱託の求人が幅をきかせている。同じ仕事をしていても、いつでも「期間満了」の脅迫付き。人を支配しようとするそんな仕掛けが許せない。

B浅ましい無能な奴らの繁殖 

 日本人はもっと公共性を持てだの、国家としてどうだのと言っている奴らがいる。ところが奴らときたら、その同じ国家に所属する同胞達の苦しみには何の共感も持たず、どうしたら同胞が幸せになるかなど考えもせず、むしろ今の自分たちが「利益」を得るための操作対象としてしか同胞を見ていない徹底した利己主義者達なのだった。奴らがTVでしゃべるとき、そのすました顔は、その社長室の清掃のために都営住宅から足を引きずりながら早朝の電車でやってくる仲間、その部屋の電気や空調を差配している我々、あるいはそのTV局の派遣社員達の存在自体によって批評され続けているのだ。「恥を知れ!」、と 。  

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