「サッチー問題を考える」

「最近は阪神の話題で盛り上がっていますね」
「そうだね、こないだはついに首位に立ちましたしね。なんでも1993年以来の首位だとか」
「野村監督も大人気ですよね。なんでもキャラクターグッズが飛ぶように売れているとか」
「野村監督キーホルダーとか、野村監督Tシャツとか」
「耳元でイヤミを囁く野村監督抱き枕とか」
「そんなもんないよ! 何でわざわざ抱き枕にするんだよ」
「寝ようと思うと、いきなり、『おい……腰が引けとるな。フォームが悪いわ。これじゃあ安眠もできんわな』なんて」
「怖いよ! なんで寝る格好まで野村監督に指図されなきゃならないんだよ」
「オナニーしようとすると、『大振り過ぎる。おまけにアッパーや。そのフォームではじき腕が疲れるで。仰向けになりすぎとる。右45度の構えで腕は脇につけて、エロ本は顔から30センチ……』とか指導されるんだよ」
「なんでそこまでされなきゃならないんだよ!」
「しまいにゃ野村監督のぼそぼそ声が条件反射になっちゃって、あの声を聞かないと興奮しなくなっちゃってな」
「イヤ過ぎるよ! 野村監督がオナペットかよ」
「野村監督の純金の置物とか」
「あ、それは本当に出たよね。でも100万円で売ってるんだけど、純金としての価値はせいぜい5万円だとか」
「でも、阪神が勝つたびに1グラムずつ増えていくらしいよ」
「嘘だよ! 誰だ、そんな都市伝説言い散らしたのは」
「それでね、9月に優勝する頃には凄くでかくなって、優勝したら1トンくらいになって、さあ日本シリーズだ!とかいって調子に乗っていると、巨大化しすぎた野村監督像に押しつぶされて、欲張り爺さんは死んでしまいましたとさ」
「どうしてそう民話調に話を持って行くんだよ!」
「どっとはらい」
「やかましい! でも野村監督もそうだけど、奥さんの沙知代さんもえらく騒がれているよな」
「ああ、ミッチー対サッチー、骨肉の争いとか、平成のサンダ対ガイラとかね」
「確かに、そんな凄い言われようしてるよな。あれも話を聞いてみると、何だかセコい話ばかりなんだよな。一緒に飯を食ったのに金を出さないとか、借りた金を返さないとか、態度がでかいとか」
「まあ、相手がドサ廻りの芸人ですからね。金持ち喧嘩せずですよ」
「お前、サッチー派だな!」
「違うのよ。あんた何言ってんのよ」
「物真似で誤魔化すなよ。読んでる人にゃわからんだろが」
「よく分からない話なんですよね。壺を奪っていったとか、いやあれはもらったんだとか」
「そうそう、整形手術の料金踏み倒したってのもあったね」
「でも整形の結果があの顔でしょ? 払うことないですよ。むしろ失敗の慰謝料をもらってもいいくらいだと…」
「そういうこと言うなよ! あと、勝手にコロンビア大学に行ったことにしていたとか」
「あれはいいんですよ。新進党議員だから」
「いいのかよ?!」
「名古屋の新間さんもお仲間だし」
「あっちはもう議員辞職したんだから、許してやれよ」
「だいたい、浅香光代がなに言っても、説得力がないんですよ」
「そうか?」
「旦那の名前が、セ・シ・ボン太ですからね」
「うーむ、確かに説得力のない名前ではあるが」
「だいたい戦法が間違ってますよ。野村監督にあの名前は通用しないんですから。むしろ前監督のムッシュ吉田だったら、『ああ、セシボン……懐かしいおフランスの香りざんす……』とかいって、言いなりになるかもな」
「そう言う問題かよ。どうでもいいけどお前のフランス理解度、赤塚不二夫のイヤミから一歩も出てないぞ」
「他にも知ってますよ。フレンチカンカン、フレンチレター、フレンチキス」
「全部エッチ関係じゃないか! でも浅香光代に続いて、どんどんサッチーを叩く芸能人が出てきたんだよな。美輪明宏とか、和田アキ子とか」
「渡辺絵美も出てましたね。いやー、何年ぶりかな」
「イヤミな言い方だな」
「昔のキン肉マンの漫画で、スケートしてましたからね」
「まあ、昔の有名人だよなあ」
「久しぶりに見たら、なんだか豚みたいに醜くなって」
「サッチーと同じこと言うんじゃない!」
「天地真理かと思っちゃいましたよ」
「そういうことも言うんじゃない!」
「でも今、サッチーの悪行について訴えたい!という芸能人が、ワイドショーに大挙押し掛けているらしいですよ」
「それだけ憎まれているのかねえ……」
「アラジンとか、松本竜介とか、KANとか、水野あおいとか」
「売れない芸能人ばかりじゃないか! サッチーと会ったことあるのか?」
「いや、それで聞いてみたら、『面識はないがTVを見て怒りを覚えた。ぜひ自分もTVに出て訴えたい』と」
「それは、単にTVに出たいだけじゃないか!」
「でもこの騒動のおかげで、むかし結婚を反対されていた神田うのも、ついに石井と別れましたね」
「それは”おかげ”になってないじゃないか!」
「安心したのか、野球選手が続々芸能人とゴールイン」
「ああ、巨人の元木と大神いづみアナとかな」
「あれも凄いですよね。片や隠し球やダーティスライディングで悪名の高い野球界の嫌われ者、片やスーパージョッキーで、世界のたけしも入った熱湯風呂を拒否した芸能界の嫌われ者」
「そういうこと言ってやるなよ」
「結婚したのも、元木が大神に『何もしないから』と安心させておいて、ずばっと隠しダマを」
「うっわあ、ムチャクチャ陳腐なオヤジギャグ」
「ところが平光主審が鍵穴から覗いていて、『ボーク!』の宣告で大神は婚約へと進塁」
「もういいよ」
「これで桑田が崩れちゃったんだよな」
「いいかげんにしろ!」


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