ムーミン谷の秘密

 トーベ・ヤンソン書くところの「ムーミン」シリーズは何度もアニメ化され、広く知られているが、原作を読んだ人はシリーズに共通する、なにかもの悲しい雰囲気を感じるだろう。北欧の陰鬱な天候のせいだけではない、ある後ろ暗さがそこには読みとれるのである。

 まずムーミン一家に起きたできごとを、一家の家族構成の変化に注目しながら、たどっていこう。
 未読の初作「小さなトロールと大洪水」で、ムーミン一家は洪水に襲われ、それまで住んでいた土地を追われてムーミン谷に移住する。梗概でしか接したことがないので、ここでは一家の成員は不明である。

 つぎの「ムーミン谷の彗星」では、ムーミン谷に移住したムーミン家に住むのは、ムーミンパパ、ムーミンママ、ムーミントロール、スニフ、スナフキンである。
 一家は原住民であるじゃこうねずみ、ヘムルと出会い、彗星の接近におびえる。
 特筆すべきことは、ここではじめて、原住民のスノーク、スノークのおじょうさんと出会うことである。

 「たのしいムーミン一家」では、ムーミン一家のメンバーに変更はない。スノークとスノークのおじょうさんは近隣の別戸に住み、また近隣住民としてヘムレンさん(ヘムルと同一人物)、じゃこうねずみが登場する。
 またトフスラン、ビフスラン、飛行鬼という新しい人物も登場するが、この物語だけで、のちに登場することはない。

 「ムーミンパパの思い出」でも、一家のメンバーに変更はない。
 ただし別居とはいえ、スノークのおじょうさんがまったく登場しないのは妙に思われる。「たのしいムーミン一家」ではあれほど頻繁にムーミン家を訪問していたおじょうさんが、夜とはいえ、まったくムーミンパパの自伝を拝聴していないのは、どうもおかしい。
 ここでムーミンパパは自伝を執筆し、完成後、旧友のフレドリクソン、スニフの両親であるロッドユールとソースユール、スナフキンの両親であるヨクサルとミムラ、ミムラの末娘のミイを含む子供たちがムーミン家を訪問する。

 「ムーミン谷の夏まつり」では、ムーミン一家に住んでいるのはムーミンパパ、ムーミンママ、ムーミントロール、スノークのおじょうさん、ミムラ姉さん、ミイである。スナフキンは旅に出ている。
 ここで一家の成員に重要な変更が起きている。まずスニフが存在しないこと。つぎにスノークが存在せず、スノークのおじょうさんがムーミン家に移住してきたこと。そして「ムーミンパパの思い出」の末尾で訪問した人物のうち、ミムラ姉さん(ミムラの娘と同一人物と思われる)とミイの姉妹だけが残留していることである。
 一家はふたたび洪水にあい、家を流されて漂流したすえ劇場に避難し、一家離散のすえ、最後は戻ってきたスナフキンともども再会し、ムーミン谷に復帰する。

 「ムーミン谷の冬」では、ムーミン家で冬眠するのはムーミンパパ、ムーミンママ、ムーミントロール、スノークのおじょうさんである。ミムラ姉さんとミイは、なぜか別居して山の洞穴で冬眠している。スナフキンはまたもや旅に出ている。ここではじめておしゃまさんが登場し、ムーミン家の水浴び小屋に住みつくことが示唆されている。

 「ムーミン谷の仲間たち」は短編集だが、そこでムーミン家に住んでいるのはムーミンパパ、ムーミンママ、ムーミントロール、スノークのおじょうさん、スナフキン、ミムラ姉さん、ミイである。ここでミムラ姉妹は、ふたたびムーミン家に復帰している。
 ただし物語によってメンバーの変動があり、「目に見えない子」のときはミムラ姉さん、ミイ、スノークのおじょうさんが登場しない。「ぞっとする話」でミイの祖母が別邸に住んでいるという設定があるため、そちらを訪問していたのかもしれない。
 また「スニフとセドリックのこと」では、スニフが久々に再登場し、ムーミン家に住んでいる。ただしこの話のみで、のち二度とこのシリーズに登場することはない。

 「ムーミンパパ海へいく」では、ムーミン一家はなぜか住みなれたムーミン谷を離れ、燈台のある孤島に移住する。不在のムーミン家を訪れた客たちの物語が「ムーミン谷の十一月」である。孤島に移住したメンバーは、ムーミンパパ、ムーミンママ、ムーミントロール、ミイである。なぜかミムラ姉さんはミイと別れ、ムーミン谷に残留している。スナフキンも残留し、ミムラ姉さんその他とともに一家不在のムーミン家に逗留している。ここでスノークのおじょうさんは、まったく登場しないのみならず、話題にさえのぼらないのが奇怪である。

 ここでいかなる読者も不審に思うだろう。家族同然に暮らしていたスニフが消えたのはなぜか。スノーク、そしてスノークのおじょうさんが相次いで失踪したのはなぜか。ムーミンパパの旧友は、なぜ子供をムーミン家に預けたまま放浪していたのか。そしてミムラ姉妹以外はどこに去っていったのか。この姉妹はなぜ別居して、ミイだけがムーミン家に住むようになったのか。なぜムーミン一家は、他人から預かった大事な子供のスナフキンが、勝手にひとり旅に出るのを許しているのか。
 謎はさらに深まる。なぜムーミン一家は、ムーミン谷を捨てて一時的とはいえ、花さえも育たない荒涼とした孤島に移住したのか。しかも「ムーミン谷の十一月」によると、移住はきわめて慌ただしく行われたらしい。なにしろ家財道具や食料を処分する暇もなく、ムーミントロールがスナフキンにいつもの置き手紙を書く時間もなかったそうだから。
 そこに犯罪の臭いをかぎつけるのは、おそらく私だけではあるまい。

 ここで大胆な仮説をたててみよう。消えたメンバーは、すべてムーミン一族、すなわち、ムーミンパパ、ムーミンママ、ムーミントロールによって殺されたのだ、と。
 動機はなにか、とあなたは問うかもしれぬ。善良な兄妹や家族同然の旧友の息子、そして冒険をともにした親友やその子供たちをいわれもなく殺してどうするのだ、まったく意味はないではないか、それともムーミン一族は殺人狂だとでもいうのか、と。
 私は答えよう。動機はこれまで犯されてきた数多くの犯罪とおなじく、欲望である、と。

 「ムーミンパパの思い出」によると、ムーミンパパは幼少期、マッシュかぼちゃ一瓶を盗んで孤児院を逃亡したそうだ。おそらくムーミン一族には、盗癖の血が流れているのだろう。ムーミンママはパパとの出逢いのときもそれ以降も、ハンドバッグをしっかりの握ってかたときも離すことはない。おそらくは盗品がそこに隠されているのだろう。いや、バッグそのものも盗品かもしれない。ムーミントロールはシリーズの随所で「それ、ぼくのだい」と所有権を主張する。物欲が強い血筋なのだ。たとえそれが他人のものであっても。

 彼らによって犯された犯罪を再構成してみよう。

 ムーミンパパは少年期、マッシュかぼちゃを盗んで孤児院を逃亡し、フレドリクソン率いる盗賊団に入る。やがてフレドリクソン、ロッドユール、ヨクサル、ムーミンパパの四人は船を建造して海賊となり、ヘムレンさんを身ぐるみ剥いだすえ殺害する。死体はニブリングに食わせて処分した。そしてある島に乗りこみ、国王を殺害して財宝を奪った。

 え、「ムーミンパパの思い出」に書いていることと違うって? それは当然ですよ。
いいですか、「思い出」のなかに登場するパパの過去は、あくまでムーミンパパが書いたものにすぎないのです。事実を客観的に書いたものではないのです。あれは犯人の供述ですから、犯罪行為を糊塗しているのが当然なんですよ。
 その証拠に、よく読んでごらんなさい。「思い出」の末尾に、「もし人が反対するのでなければ、どんなことでもおこりうるのです」という言葉があるでしょう。これこそ、ムーミンパパによる虚偽の供述をひそかに作者が示唆している言葉でなくてなんだというのでしょうか。
 そもそも、この「思い出」のような、作中作というメタフィクションの構造をもつ作品は、まず叙述トリックを疑えというのは、ミステリの基本中の基本ではないですか。

 このあたりでおそらく、ムーミンパパ以外は足を洗うことを決意する。おそらくロッドユールはソースユールと、ヨクサルはミムラと結婚して安定した生活を送りたくなり、フレドリクソンは王家の財宝で満足したのだろう。しかしムーミンパパの欲望には限りがなかった。おそらく激論があっただろう。足を洗おうとする三人は、ムーミンパパに負い目があった。
 彼らは相談のすえ、ようやく合意に達する。三人は盗賊団から足を洗うこと、そして四人の秘密はぜったいに守り続けること。そのあかしとしてフレドリクソンはムーミンパパに船やその他の財産を譲渡し、ロッドユールとヨクサルは、口止めのため人質として息子をムーミンパパに預ける。

 ある日の夜、ムーミンパパは、ハンドバッグを盗んで追われ、海に飛びこんで逃げるムーミンママをかくまう。犯罪者同士の共感がやがて愛情となり、そしてふたりは結ばれる。北欧のボニー&クライドの誕生である。
 ムーミンパパは三人と別れ、ムーミンママと組んで盗賊稼業を続ける。やがて逮捕されそうになったふたりと息子、そして人質の一家は、洪水を口実にムーミン谷へ逃亡する。

 ムーミン谷でムーミントロールはスノークのおじょうさんに会い、足に巻いた金の輪に目をつける。色仕掛けでおじょうさんをたらしこみ、言葉巧みにささやいて結婚を約束する。いわゆる結婚詐欺である。邪魔なスノークを殺害したことはいうまでもない。おそらく犯行を目撃したじゃこうねこも、人知れず始末される。
 スノークのおじょうさんは漠然とした不安を感じ、いったんは逃げるが、またもやムーミントロールにたらしこまれ、ムーミンとの同居に合意する。
 いっぽうムーミンママは、トフスランとビフスラン、それに飛行鬼を殺害し、所持していたルビーを奪い、ハンドバッグの中に隠す。トフスランとビフスランは、ハンドバッグの中を見てしまったのだから、いずれにせよ生かしておくわけにはいかなかった。

 一家の悩みは、スナフキンがそろそろ一家の犯罪行為に気づき、そして自分の人質という境遇にうすうす気づいてきたことである。
 スナフキンはこの犯罪一家からの逃亡を再三試みるが、すぐに捕まって連れ戻される。冬にムーミン一家が冬眠している間に逃げるのだが、子供の悲しさ、逃亡範囲が限られており、春になると見つけられてしまうのだ。スナフキンが逃げていることを隠すため、ムーミン一家は世間には「旅に出た」と称してごまかしている。

 そんなところへ、ムーミンパパの元相棒がひょっこり出現する。彼らはずっと、ムーミンパパの行方を探していたのだ。肉親の愛情を抑えがたく、彼らは人質の息子を返してくれと懇願する。しかしムーミンパパは許さない。あべこべに口封じのため、フレドリクソン、ロッドユール、ソースユール、ヨクサル、ミムラとその子供を殺害する。生き残りはミムラ姉さんとミイの二人だけだった。
 殺される前にロッドユールかソースユールのどちらかが、息子に真相を伝え、スニフだけはかろうじて、両親を殺した犯罪者一家からの逃亡に成功する。

 ここでミムラの子供たちのうち、ミムラ姉さんとミイだけを殺さなかったのはなぜか、不思議に思う人がいるかもしれません。僕もはじめはそうでした。
 じつは姉妹は、ムーミン一家の共犯者だったのです。
 ミムラ一族は多産系です。当然、相続争いも激しかった。欲の深い長女のミムラ姉さんと末女のミイは、親とともに他の兄弟の殺害を、ムーミン一家に依頼したのです。財産の半分をムーミン一家に渡しても、三十六等分するよりはマシですからね。
 そう仮定してはじめて、「ムーミン谷の夏まつり」で、ミムラ姉さんが「母はわたしにミイのしつけを押しつけて帰ってしまった」と偽証をした辻褄が合うのです。
 共犯者でなければ、ミムラ姉さんがムーミン一家をかばう必要はないですからね。

 ミムラ姉妹はさらに、ムーミン一家と共に水害避難民を装って劇場に侵入し、そこの未亡人を殺害して、劇の売上を盗んで逃げた。この犯罪のとき、ムーミントロールがスノークのおじょうさんと、ミイがスナフキンと、ともに劇場から離れるのは、むろんアリバイを作るためである。
 しかしミムラ姉妹はやがて、ムーミン一家のほうがはるかに兇悪であることを知り、身の危険を感じるようになった。ある冬、ムーミン一家が冬眠している隙に逃亡。山の洞穴で潜伏生活を送る。しかしすぐに見つかってしまい、ムーミン家に連れ戻される。発見したのはムーミン一家の新たなる共犯者、おしゃまさんである。彼女は、冬に眠ってしまうというムーミン一族の弱点を克服すべく、冬季に人質を監視し、家の周囲、とくに水浴び小屋に人が入ってこないよう警戒する役目であった。

 なぜ水浴び小屋をとくに警戒する必要があったのでしょうか?
 それは、つねに裸体で歩いているムーミン一家が、なぜ水浴びのときだけ水着を着る必要があるのか、考えてみればわかりますよ。
 そう、泳ぐために水着は必要ない。水着は、殺人を行うとき、返り血を身体に浴びないために着用するものでした。
 血に染まった水着、殺人の間違いない証拠をだれにも見られるわけにいかなかった。だからおしゃまさんに住みこませてまで、監視させる必要があったのですよ。

 ムーミン一家とミムラ姉妹との間には、過去に行われたのと同じ契約が結ばれる。つまりミムラ姉さんは秘密を守り、その人質としてミイがムーミン家に抑留される。
 おしゃまさんは後にも、おでぶさんという偽名を使い、ニンニという姿の見えない娘を騙してムーミン家に連れこみ、殺して金品を奪い、姿の見える娘とすりかえてニンニだと偽った犯罪の片棒をかつぐが、やがて消息が絶える。おそらく共犯者こそもっとも危険な敵という法則にのっとり、ムーミン一家に殺害されたに違いない。あるいはムーミン一家に密告され、ニンニ殺害の罪をひとりでかぶって死刑となったか。

 やがてムーミントロールはスノークのおじょうさんを殺害して金の輪を奪い、ムーミンパパとムーミンママは戻ってきたスニフを殺害。
 なぜスニフはむざむざ、殺人者の待つムーミン家に戻ってしまったのだろうか。それは父の遺産である月長石を、ムーミン家に残していたからである。スニフは月長石を犬のぬいぐるみに隠し、他人に預けたりして必死に守ってきたが、こっそりと取り戻しに来たところをムーミンママに捕まり、拷問のすえ月長石のありかを吐き、そして両親のあとを追うことになる。

 ここでスナフキンはついにムーミン家からの逃亡に成功、村人にムーミン一家の犯罪のいっさいを暴露する。村人はムーミン一家をリンチするために家に押しかけるが、すでにもぬけのから。ガサ入れを直前に察知したムーミン一家は、着の身着のままで人質のミイを連れて孤島へ逃亡していたのだ。
 しかし、あまりにも慌ただしい出立のため、血に染まった海水着やバールのようなものなど犯罪の証拠や、被害者から奪ったルビーや金の足輪などの財宝を船に載せる余裕すらなく、洋服ダンスに詰め込んで鍵をかけておくしかできなかった。

 え、ムーミンママが手紙を書く時間があったはず? あれは、昔書いた手紙でしたよ。日付はないし、いつ書いてもおかしくない内容でしょ?
 いちど切った封をもういちどハサミで切って、切り口を新しくし、最近読んだように見せかける。共犯者のご先祖さまがやった、初歩的なトリックですよ。
 ストーブに隠しておいたのも、手紙をもっともらしく見せかけるためと、後述する盗品隠しトリックを演ずるためでした。

 ムーミンパパは孤島の燈台守を脅迫して入れ替わり、燈台守に化けて世間の目をあざむくことに成功する。燈台守はなぜムーミンパパと入れ替わることを承知したのか。弱みをにぎられていたとしか考えられない。おそらくはムーミン一家がこれまでに殺してきた被害者の、死体を海に投げ捨てる役が燈台守だったのだろう。孤島の燈台守兼漁師、かれが夜更けにこっそりと船出して沖でなにかを投げ捨てる音が聞こえたとしても、だれもが夜の漁をしているとしか思わないであろう。悪魔のような狡知である。
 しかし、さしもの殺人鬼一家も、このときは精神的に参っていたのか、おかしな言動が目立つ。ムーミントロールはおそらくスノークのおじょうさんを手にかけた罪の意識からだろう、モラン(自分の犯した罪の象徴)に追われる追跡妄想に悩まされ、家族からも逃亡して森に隠れたりしたあげく、うみうま(逃亡の成功の象徴)を幻視する。ムーミンパパは燈台守が自白するのではないかと気が気でなく、つねに燈台守を監視し続ける。ムーミンママはやたらに感情の起伏が激しくなり、燈台内壁に絵を描きちらしたりする。精神分裂病の初期症状である。ミイは自分を人質としてとりこにしているムーミン一家を蟻に重ね合わせ、蟻に灯油をかけて焼き殺す。心理学でいうところの代償行為である。

 スナフキンとミムラ姉さんは、ヘムレンさん他の村人とともにムーミン家を家宅捜索するが、犯罪の証拠も財宝も、いっさい見つけることはできなかった。
 発見を諦めてスナフキンたちが帰っていったころを見計らって、ムーミン一家はこっそりと家に戻ってくる。財宝と証拠を持ち出して、こんどこそムーミン谷から永遠にズラかるために。

 さて、証拠品や財宝は、どこに隠してあったのでしょう?
 じつは共犯者のご先祖さまが、途中で隠し場所を移したのです。
 はじめは鍵をかけた洋服ダンスに隠していた。しかし村人の捜索が執拗で、鍵を発見されそうになったとき、さっきの手紙のトリックを、もういちど利用したのです。
 そう、手紙を発見させたストーブの中に、洋服ダンスから移動させたのです。
 だれだって、いちど探し回ったところを、もういちど探そうとはしませんからね。まったくの盲点でした。

 しかし、もう誰もいないと油断していたムーミン一家の帰宅を、あまり人目につかないホムサ・トフトだけがこっそりと、山の上から目撃していたのだった。

 こうして史上類を見ない、兇悪な犯罪一家の血なまぐさい物語は終わりをつげる。無数の被害者たちの魂に安らぎあれ。


証拠物件
「ムーミン谷の彗星」
「たのしいムーミン一家」
「ムーミンパパの思い出」
「ムーミン谷の夏まつり」
「ムーミン谷の冬」
「ムーミン谷の仲間たち」
「ムーミンパパ海へいく」
「ムーミン谷の十一月」
   (以上講談社文庫)


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