トラハタ時事新報(2000年1月)


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1月1日(土)


2001年1月1日:初夢中継
 阪神ナインはここ、パリで二十一世紀の初日の出を迎えた。野村監督の発案で、総勢七十名、凱旋門の間から昇る初日を拝み、V2への決意を新たにした。
 十二月二十日、全員契約更改を終えて出発したV旅行。地元新聞も、「日本のプロ野球球団でヨーロッパに出せる球団はハンシンだけだ。紳士球団と言いながら半裸の女性をハントすることしか考えていない某球団とは大違い」と、そのリアル紳士ぶりを称えていた。
 初日の出のあとは各自自由行動。カルチェラタンのカフェでくつろぐ藪に、今年への不安は微塵もない。勝ち負け同数のエースと嘲られた昨年までに反撥するかのように、十七勝三敗の最高勝率で沢村賞を獲得。「去年は去年。今年はマークがきつくなるが負けない。去年覚えたドライビングシュートは、まだ誰にも打たれてないしね」と不敵な笑みを浮かべる。隣では福原が笑う。四十セーブポイントでセーブ王に輝いたが、「去年は抑えがいないので直訴してリリーフに廻ったが、今年こそ先発で二十勝」とクロック・ムシューを頬張る。
 レギュラーに定着し新人王とダイヤモンドグラブ賞を受賞した的場、三割四分五厘で首位打者を獲得した坪井らとブローニュの森へピクニックに出かける新庄。サンドイッチはもちろん、愛妻志保さんの手作りだ。「MVPは結果としてついてきただけ。打線の中心は大豊さんだし」と、五番定着で三割二分、二十五本、百十五打点とチーム打点王を獲得した驕りは微塵もない。噂されるFA移籍についても、「大リーグ四球団からオファーがあるが、ボクは阪神を離れる気はない」と泣かせる発言。
 カンヌで「え、ここには映画館はないのか?」とジョークを飛ばすミラー、ハンセルの外国人投手コンビ。十八勝十一敗で最多勝のミラーは「生まれてはじめてフランスに来た。ハンシンはいいところだ」とご満悦。十三勝九敗、二百二十奪三振のハンセルは、「今年はピッチングの技術を身につけて、ミラーからタイトルを奪うぜ」と、ボジョレを呷りながら最多勝宣言。
 四番に定着し三十五本塁打の大豊と、代打本塁打九本の日本記録を樹立した広沢は、パリで美術館のハシゴ。「いやー、疲れた。故郷の故宮博物院よりでかいね」と驚いた大豊。「オランジェリーのモネは凄かったね。パノラマの魅力というか」と感動する広沢。
 野村監督は夫人とナポレオン廟へ。「これほどの権力者でも滅びはある。巨人もナベツネさんが死んで、なんだかごたごたしてきたようだね。長嶋監督も辞めちゃったし」と最下位に転落した他球団を気遣う。しかし自チームについては、「驕りを持った権力は腐敗する。巨人がそうや。しかしウチには驕りはない」ときっぱり。阪神は今年も、やってくれそうだ。

 ……ああ、書いてて涙が出てきた。


1月4日(火)


 いやあ、小心者なもので、「与田と吉野、それにラミレスで抑えは万全じゃぁー!」と公式掲示板のようにほたえることができなくてすみません。

「金のノムさん」に続く第二弾(日刊スポーツ)
 として、阪神百貨店は「優勝したらプラチナノムさん像」を発売することを発表した。金のノムさん像は価格百万円で実価格五万円(五十グラム)でしたよね。今回は「同じくらいの大きさ」を十万円で販売するそうだけど、現在のプラチナ価格はグラム千五百円。千六百円になることもあるので、五十グラムなら七万五千円から八万円と、金に比べかなりお買い得な感じだけど……。

広沢・的場、夢を語る(日刊スポーツ)
 的場 私生活でも、いろんな誘いがあるんでしょ。ヤバそうな夜の付き合いにも気をつけないといけないと思ってるんですけど
 広沢 酒は強いの?
 的場 弱いです
 広沢 タバコは?
 的場 吸いません
 広沢 それじゃあ、絶対吸っちゃダメ。酒も飲めないってことにしとけ。

 くれぐれもN投手にはご注意を。本人悪気はないんだけど、酒豪で、しかも酔っぱらうとモノを投げたりプロレス技をかけたりする癖があるから。


1月6日(木)


野村監督・今日のイヤミ(5日)
(新外人について)「守備と肩ははっきりしている。これが平均点なことが絶対条件。ひどいのは困る」(アボットもスピージオもサード任せられないと、はっきりしてる気がするんですがねえ)
(四番について)「打てるサードがおらんのや。一塁と外野ならいるんだが。ケニーはタラスコが四番打てると言っておるんだが、ビデオで見たら、西鉄のアルーみたいな、極端なダウンスイングやった」(アルーなんて知りませんって)
(広沢について)「週刊誌で見たら、アイツ、長嶋の批判をやっとった。大丈夫か」(前監督の悪口を言う奴は、絶対次の監督の悪口も言いそうだから。ま、メイとでおあいこか)

カツノリやる気だ神宮一番乗り(デイリースポーツ)
 神宮の室内練習場でカツノリが自主トレを開始した。去年に続く一番乗り。「今年一年で結果を出さなければ。もう荷物は四十五箱、寮に送りました」と力強く語るが、あのー、虎風荘では荷物だけ届いて本人の挨拶がないので、寮長おかんむりなんですが……。

新庄下半身デブ宣言(日刊スポーツ)
 舩木とともにフロリダで自主トレを行う新庄は、目的を、「下半身を強化して打席でどっしりした構えが出来るようにする」と語る。これまで「スリムジーンズが入らなくなるから」という理由で下半身の鍛錬を拒否してきた新庄が、いよいよ野球選手並みのトレーニングを行う。単にデブになって帰ってきたりして。

中日のドラフト一位は山田(デイリースポーツ)
 今年のドラフトでは立命館大学の山田投手を獲得に行くことを、中日が早々と決定した。山田は五輪代表の大学No.1投手。阪神、横浜、オリックス、ダイエーも狙っている。でもどうせ読売に行っちゃうんだろうなー。(あきらめモード)

大橋巨泉語る
 五日のニュースステーションに出演した大橋巨泉。「昔は巨人ファンだったが今はやめた」「まだ巨人ファンでいるテリー伊藤や黒鉄ヒロシは馬鹿」「日本のプロ野球は企業の論理で歪められている。巨人が一番悪いのだが、そのおこぼれで生きている他の十一球団も情けない」「テレ朝、TBS、フジのTV局も同罪。日テレがドームの巨人戦を独占し、他局は横浜や甲子園の巨人戦をいただいて放送している。ジャーナリストの矜持があれば、巨人戦の放送をやめ、裏で面白い番組を作って日テレ潰しを行うべき」「ドラフトは完全ウェーバー制でないと意味がない。クジなど引いて何の意味がある。逆指名は論外」などと日本プロ野球を熱く批判した。いや、変われば変わるもんですな。それとも隠居してしがらみがなくなったから?


1月7日(金)


梨田監督は健忘症?(日刊スポーツ)
 6日の関西3球団新年互礼会でのこと。

 野村監督は寡黙を貫いた。同期のオリックス仰木監督、近鉄の梨田新監督とスリーショットに納まったのは最初の写真撮影の場面だけ。乾杯では1人だけ広報から手渡されたウーロン茶を持った。梨田監督が気を使って「乾杯の時だけでもどうですか」とシャンパングラスを手渡そうとすると「弱いチームはウーロン茶でええんや」と拒否する始末。困った梨田監督が「すみません、こっちもウーロン茶ないですか」と自らボケるしかないシーンまで繰り広げられた。
 乾杯が終われば、2人のパ・リーグ監督から離れて単独行動だ。「視線も合わせようとしないし、オレに引け目でもあるのかな」。梨田監督も苦笑いするほど、野村監督は1人の空間を作った。


 あのー、それって、夕刊フジで報道されたコレが原因だと思うのですが……。

 3日、サイン会に出席した梨田監督が掲げたのはズバリ、打倒・野村阪神だ。
「ID、IDといわれるが、あんなモノどこの球団でもやっている。スポーツ新聞で話題になっている野村語録なんかも、そのうちなくなると思いますよ」
 司会者から阪神・野村監督の印象を尋ねられた梨田監督は、皮肉たっぷりの口調でチクリ。続いて、打撃コーチ就任のいきさつを聞かれた真弓コーチも「阪神にはお世話になったが、今の監督さんとは、どうも肌があわない感じがしたので…。梨田監督から『近鉄に』と声をかけられたときは、ふたつ返事でした」と、正面きっての野村バッシングを展開。
(中略)「6日に関西3球団の互礼会で顔を合わすから、あまり大きなことを言うのもマズいかな。甲子園に入り切らなかったお客さんを大阪ドームに呼べるように頑張るよ」
 3日後、ノムさんと直接対面する梨田監督はフォローを入れたが、隣の真弓コーチは「日本シリーズで阪神とぶつかる確率は20%もないだろう。こっちは、けっこう自信があるけど、向こうが出てくる可能性は10%もない」とダメ押し。


 そら怒るわな。普通の人なら。特に真弓、おまえは許せん。しかしここまで言っておきながら忘れている梨田監督は、単に頭が弱いのか、それとも性格的に問題があるのか。

FAの補償は金銭で
 FAで読売入りした工藤選手の補償は金銭とすることをダイエーは決定した。「読売から提出された放出可能選手のリストを検討した結果、選手を貰うより自前で育てたほうがいいとの結論に達した」と球団代表。いっぽう、広島は、江藤選手の補償として読売に人的補償を求める方針だったが、こちらも急遽変更。「リストを見た結果、広島野球に合う選手がいないので、金銭補償を求める」と。いったいどんな選手名が書いてあったのか、何だか興味がある。もしかして、「清原 元木」とだけ書いてあったりして……。


1月10日(月)


新外人獲得は暗礁へ(日刊スポーツ)
 第一本命だったスピージオがエンゼルスと契約してしまったため、阪神首脳部は周章狼狽。この狼狽が記者にも感染したか、日刊スポーツは「アボットには既に断りを入れている。まったく新しい外国人選手を探しに行く」と書き、デイリースポーツは「これでアボット獲得が確定」と書き、どっちを信じたらいいのやら。ただ共通しているのは、「アボットは四番を打てない。これで選択肢は、ケニーの冗談を信じてタラスコ四番か、大豊四番か、新庄四番か」ということ。とほほ。いっそのことヤケクソで、メッツを首になったボニーヤを獲りに行くか。

フロリダの舩木は村八分(日刊スポーツ)
 新庄と共にフロリダでリハビリキャンプを張っている舩木だが、キャッチボールを大暴投し、グラウンド外の車を直撃。それが、一緒に練習しているマイナー選手の愛車だったからたまらない。たちまち「ヘタクソなイエローガイは隅っこでこそこそ投げてやがれベイビー」とブーイングを喰らい、あえなく村八分へ。

フロリダの新庄は脳天気(日刊スポーツ、デイリースポーツ)
 いっぽう新庄は、フロリダの脳天気な天気のもと、「今年はバットでチームに貢献する。ポイントゲッターになりたい」と脳天気な発言。「キャンプは二軍スタートだが気にしない。ボクの回復力は驚異的」とも。挙げ句の果てに「ここで英会話を覚えて、外人選手と野村監督のコミュニケーションの架け橋になりたい」と。何日間滞在するつもりなんだよ。


1月12日(水)


新外国人はハワード・バトルに決定(日刊スポーツ、デイリースポーツ)
 スピージオだ、いやアボットだとことあるごとに記事が食い違っていた日刊スポーツとデイリースポーツ。ようやく、両紙の意見が一致した。アトランタブレーブス傘下3A在籍のハワード・バトルは、183センチ、89キロ。1972年3月生まれの二十七歳。右投げ右打ち。アボットやスピージオと違ってバリバリの三塁手。去年は主に3Aで活躍し、2割8分4厘、24本塁打の成績を挙げた。メジャーでは15試合に出場、17打数6安打1本塁打の3割5分3厘だが、特記すべきは左投手に強い(11打数5安打1本塁打)ことと、得点圏打率が高い(7打数3安打1本塁打)こと。工藤、メイ、山本昌、野口、石井ら左投手相手に活躍してくれそうだ。

若手選手が競輪学校に留学(日刊スポーツ)
 去年から「競輪学校に入れてみたい」と言っていた野村監督の希望がようやく叶い、田中、藤川、部坂、金沢、山岡、寺田、関本、奥村の八選手が静岡の日本競輪学校で競輪トレーニングを受けた。聞きしにまさるハードトレーニングのため、各選手は初日からバテバテ。田中秀太など「キンタマ痛い」と泣き声をあげる始末。そんな中で奥村は「競輪の適性がある」とコーチに褒められ、関本とともに「阪神クビになったら競輪に転向しようか」と将来の人生設計を見据えて真面目にトレーニングに取り組んでいた。


1月13日(木)


オリックス、星野の補償は金銭で(日刊スポーツ)
 ああ、阪神もFA選手獲得したんですね。すっかり忘れてました。「選手リストを見た結果、金銭で補償を受けることに判断した」とのことです。どうやら阪神のリストも読売並みにしょぼかったようです。がはははh。

新庄「もう飽きた」(日刊スポーツ)
 英語マスターのため日本語禁止タイムだの、下半身強化だの、あれだけはしゃいでいた新庄が早くもフロリダのリハビリトレに飽きてしまった模様。やはり鳥頭は2000年も鳥頭だったか。


1月14日(金)


野村監督・今日のイヤミ(13日)
(バトル獲得について)「外人選手については、守る投げる走るってのが普通に出来るというのが最低条件なんやが、バトルの場合は打つビデオしか見てない。情報ではあまり守れないという話と、俊敏な動きができるという話があるんや。賭けやが仕方ない」(きっと、俊敏にエラーするんですよ。高橋嘉彦みたく)
(外国人の適性について)「とにかく来てみないと分からない。順応性のある選手が成功する。初球からフォークを投げると『卑怯だ!』なんて怒る選手もおったが、そういうのは失敗する」(やっぱブロワーズでしょうか)
(新庄の「ミーティングが一時間だと途中で何が何やら分からなくなる。せめて四十分に短縮を」の訴えに)「ふーん、いかにも新庄君らしいな。でも一人のために秩序を乱すことは許されん。従ってもらいます」(どうでしょう、一時間のミーティング中、二十分を漫談にしたら……いかん、新庄は絶対漫談の方だけ覚えてる)

メイは裏切り者(日刊スポーツ)
 読売に入団したメイに対し、野村監督は裏切り者呼ばわり。戦国時代には、大名から勝手に退転した家来を他の大名に仕官できないようにする「奉公構い」という制度があったが、阪神にも現存しているらしい。野村監督は返す刀で読売球団も、「ああいう辞め方をした選手を獲得する球団も裏切り者」「横浜がメイに一億提示したら、あとから読売が出てきて二億を提示した。あの球団はいつもそう。最後に出てきて、『他の球団はいくらと言ってるの?』と聞いて、その倍の数字を提示する。やり方が汚すぎる」などと批判。これからFAも、「巨人は最初に交渉」という決まりを作らねばならぬかも。


1月15日(土)


そろそろ今期の予想などをやってみよう。

投手陣
 先発   星野  13勝5敗
      藪   12勝10敗
      福原  10勝8敗
      ミラー 10勝10敗
      湯舟  7勝5敗
      中込  8勝10敗
      川尻  12勝7敗
  星野と福原が加わって戦力アップしたものの、まだ手薄。湯舟、川尻の奮起に期待したい。

 中継(勝ちパターン)
      山崎
      竹内
      伊藤
      田村
      遠山
      弓長
 中継(敗戦処理)
      杉山
      吉田豊
      舩木
      部坂
      吉野
      金沢
  田村と遠山の過労が心配。弓長が復帰できれば負担が軽くなるのだが。吉野と金沢にも期待したいけど、とりあえず敗戦処理から。大丈夫、仕事はいっぱいあります。山崎、竹内、回復次第では舩木にも谷間の先発の仕事をやってもらいたい。

 抑え   ハンセル 20s
      与田   10s
  もっとも不安なのはここ。未知数の投手二人でまかなう。これが失敗したら福原は旧職に戻り、そして先発陣が崩壊して全面的崩壊に……。

野手陣
 レギュラー
  一番 坪井(レフト)   3割3分 20盗塁
  二番 田中(セカンド)  2割7分 15盗塁
  三番 タラスコ(ライト) 3割   15本塁打
  四番 バトル(サード)  2割9分 25本塁打 100打点
  五番 大豊(ファースト) 2割7分 30本塁打 90打点
  六番 新庄(センター)  2割8分 15本塁打 80打点
  七番 的場(ショート)  2割6分
  八番 矢野(キャッチャー)2割8分
  的場、坪井の一、二番という説もあるが、新人の的場には負担の少ない打順を与え、守備で貢献して欲しい。タラスコとバトルは祈る気持ちでこの成績。特にバトル、駄目なら四番大豊で塩谷を七番くらいに入れざるを得ず、打線がガタガタに狂うからね。タラスコには桧山、大豊には広沢というそう力の違わない控えがいるからまだいいのだが。

 捕手
  北川
  山田
  カツノリ
  定詰

 内野手
  今岡
  広沢
  塩谷
  星野
  濱中
  八木
  平尾

 外野手
  桧山
  高波
  吉田浩
  佐々木
  橋上
  曽我部
  窪田
  
 レギュラーが近い順に並べてみました。捕手は手薄だなあ。ゼブラ君はあえてレギュラーを外してみました。田中や的場から奪い返す気迫で頑張ってください。八木は右の代打の切り札として、広沢と競って欲しい。左の代打が桧山ひとりではなあ……。佐々木あたり、もうひと頑張り欲しい。曽我部は捕手という話もあるが、いちおう本職で。でも捕手の方が一軍近そうだね。窪田は基礎体力あるし、意外と早く出てくるかも。
 願望含みで、この通りだと72勝。投手成績は二位、打撃成績も二位というあたりでしょうか。優勝も狙える位置につけられますな。頼むで。


1月16日(日)


野村監督・今日のイヤミ(15日)
(山田の結婚式で)「綺麗な奥さんやな。山田は女性選びの選球眼がなぜ野球に出ないのか。……しかし、ワシももういっぺん結婚したいわ」(山田へのイヤミの中にも、最後に本音が出たか)
(外国人特権の剥奪について)「なぜ外国人だけ特別なのか。球団にも、ホテルも同じにしろと言ってるんや。名古屋のホテルはちょっと可哀想だけど、東京、横浜、広島はいいやないか」(名古屋のホテルって……どんなんだろうか)

外国人特権は無し(日刊スポーツ)
 野村監督は外国人選手の契約に際し、「外国人の特権はいっさい認めない。日本人と同じにする」と宣言。これまで阪神球団は、ブロワーズやジョンソンには二軍に落とさない、いわゆる「メジャー契約」を結んだり、ホテルも日本人よりワングレード高いものにしたりしていた。今後、これらの特権はいっさい認めない。まあ、今年の外人は小物ばっかりだから、そういうことも言いやすいのかも。

タラスコ夫人はダンサー(デイリースポーツ)
 監督のこんな発言を知ってか知らずか、タラスコ選手は脳天気そのもの。「バトルは友人だが四番はもらった。チャンスに強いぜ。打点を稼ぐ。守備も注目して欲しいな。足は普通だけど十五盗塁はいける」と吹き放題。「自主トレはすっとやってる。日曜日以外は毎日だ。昨日はケニーと練習した」って、素人と一緒の練習じゃ大したことないと思うんだけど……。そして夫人のラティシアさんはプロのダンサーで、SAMとも知り合いだとか。そうか、それで新庄が妙に英語習得に燃えていたんだ。タラスコ夫人の線でSAMからアムロ、そしてMAXを紹介してもらおうと……。

今岡が長距離打者に変身宣言(デイリースポーツ)
 このところめっきり影の薄い今岡が、長距離打者への転向をぶち上げた。「グリップの先を細くして、ホームランを狙う。十五本は打ちたい」と、妙にみみっちい目標を掲げた。しかし阪神選手の「十五」ってのは、雑文書きにとっての「五十六億七千万」と同じような、法螺を吹くときの便利な数字なのでしょうか。

梨田監督吠える!
 サンデースポーツに出演した梨田監督、「近鉄が優勝したら私が道頓堀に飛び込む!」と、できっこないもんだから言いたい放題の公約を掲げた。また今年の大阪ドーム開幕戦は、「インターネットや葉書、球場などでアンケートを受け付け、ファンの人気投票でスタメンを決める!」とも。大丈夫か、私のような愉快犯が「ショート勝呂、レフト鈴木、ライト村上」なんて書いたらその通りにするのか。あるいは、この公約もまた忘れちゃうのか。キミも大阪近鉄バファローズの公式ページを注目しよう!

 ときめきセントラル2のページ「ときめきセントラル」を追加。

1月19日(水)


野村監督・今日のイヤミ(18日)
(新しいグラウンドコート発表で)「どうだった? どんなもんにも賛否両論があるもんや。みんなの印象を聞いてみた方がええやろ。すべて与えられたものでやるのが阪神の伝統だからな」(最後に首脳陣へのイヤミを)
(的場と吉野は一軍スタート)「岡田二軍監督の要望でもあるし、スカウトが即戦力の評価をしているんだから」(コケたら岡田とスカウトの責任にするつもりか?)

「今年駄目なら失礼します」(サンケイスポーツ)
 野村監督が十八日行った講演会で、「三年契約は関係ない。今年駄目なら……失礼します。あとは長嶋にでもやってもらってください」と発言。これは決意表明というよりも、二年間ワシのもとでやって結果の出せない選手はカス同然だから監督もクズがちょうどいい、という思いっきりのイヤミと思われる。この発言を聞いた長嶋清幸打撃コーチ補佐は、何を思ったか平田コーチや福間コーチに「ワシとやらんか」と組閣の勧誘。

川尻をエースに指名(夕刊フジ)
 阪神のエースは最多敗の藪か、パリーグ育ちで人目に慣れていない星野か……この究極の選択を野村監督は回避、第三の男、川尻を指名した。野村ID野球データによると、「川尻は一年おきに活躍する」と。確かに入団から八勝、十三勝、五勝、十勝、三勝と隔年だが、そういうのはIDではなく憶測というぞ。

近鉄のスタメン投票は大人気(日刊スポーツ)
 昨日から公式HPで開始された近鉄の大阪ドーム開幕戦スタメンファン投票。さっそく千四百件の投票があった。人気一位は中村が四番の意地で八百五十九票。二位は吉岡が元巨人の貫禄で八十九票。すいません、私は誠に入れちゃいました。

中日の超大物外人は登録名ディンゴ
 中日は十七日、昨年ブリュワーズで三割九厘、二十一本塁打を打ったバリバリの現役大リーガー、デビッド・ニルソンの入団を発表。こんな優秀な選手が日本に来るはずない、きっと裏がある、と思っていたら、ニルソン選手は、1)オリンピック期間中(九月)はオーストラリア代表としてオリンピック出場を認める、2)一年契約で翌年は大リーグ復帰、3)友達のカールソン投手も入団させる、という三条件を中日に出し、中日が了承した模様。こいつ日本で野球やる気ないな。そして登録名は「ディンゴ」。ディンゴといえばアジアからオーストラリアへ移入された野犬で、カンガルー、タスマニアデビル、タスマニアタイガー、モア、キウィなどオーストラリア土着の原生種を多く絶滅に追い込んだ張本人。どうやら星野監督はディンゴの導入で原生種の山崎を絶滅させる意向とみた。

 あっ、内野の控えに和田を忘れていた!


1月20日(木)


阪神、立命館の山田を一位指名(日刊スポーツ)
 球団としてはこの時点での一位決定は最速記録。これで中日、オリックスに続いて山田の一位確約は三球団目。でも最後に読売が「うちは倍出す」ってんでかっさらっちゃうんだろうなあ……。

シドニー五輪、パは主力、セは戦力外(デイリースポーツ)
 シドニー五輪の本戦にパリーグは協力的。西武の松坂をはじめ、主力選手を派遣することで17日の懇談会は一致した。イチローも出るかも。これに対しセリーグはヤクルトが古田派遣に積極的なほかは問題外。18日の理事会では、各球団三十五名のプロテクト枠を設け、それ以外の選手を派遣する方針。これってFAのプロテクトと一緒だぜ。広島やオリックスすら「こんな奴いらん」と断ったようなカスを派遣する気か?


1月28日(金)


前阪神のジョンソンがタラスコに太鼓判(日刊スポーツ)
 まあ、そういうことです。新聞社のインタビューに答えたジョンソンが、「タラスコ? 四番で三割は打てる。大丈夫」と言ったそうですが、そりゃ、「タラスコ? 駄目だねあんなの。五月までに解雇だな」なんて言ったら、それこそ新聞一面に「ジョンソン怨念の野村イジメ! 新外人選手ボロクソ」と、読売のチョソンミンみたいに書かれることは確実ですから。それにしても一昨年のハンセンは「野茂とラソーダ監督が太鼓判!」、昨年のブロワーズは「バレンタイン監督が太鼓判!」、そして今年のタラスコは「ジョンソンが太鼓判!」と、保証人のグレードがだんだんショボくなるのは何故か、どなたか教えてください。

バトルは忍耐宣言(デイリースポーツ)
 タラスコと四番の座を争うバトルは、旧友の近鉄・ローズ選手に、「日本の野球に忍耐が必要なのは承知している。日本で会おう」とメッセージを残した。打てないときの出て行けよがしの待遇や、ねちねちといたぶられるミーティング、新聞で報道されるイヤミたっぷりのコメント、そういうものに耐えて、一年分の年俸を勝ち取るぞとの決意表明らしい。

新庄は帰国早々風邪(デイリースポーツ)
 フロリダの英語研修もといリハビリから帰国した新庄。「見違えるほど太股が太くなった」などと、いかに今までなんにもやってなかったかを彷彿とさせる絶賛を浴びていた。しかし野村監督は、オモチャはカツノリひとりで十分とばかりに、キャンプでは三軍スタートを指令。これで気落ちしたか、いきなり風邪を引いて球団行事を欠席。つくづく正直な人だこと。

ヤクルト、二軍選手を二刀流に
 27日のスタッフ会議で、二軍の投手全員に外野手の訓練を施し、適性を試すことを決定した。これは外野手馘首のリストラ策の一環なのか、それとも野村監督への怨念の現れなのか? 野村監督はこの決定に、忘れていた投手新庄を思い出してしまうのか?


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