ねこかぶり通信超特大スペシャル 作蔵の「旅の空から(笑)」香港紀行
4/13朝、0330に起きる。ぱちっとは目が覚めながったが、だらだらと活動を開始する。
ここは東京都青梅市にあるBの家だ。ここから成田まで彼の愛車ヴィヴィオに乗っていくのである。まだ暗いうちに出発。
青梅からあきるの市を抜け、八王子から中央フリーウェイに乗る。彼の家に遊びにいくと中央道に乗る機会が度々あるであるが、どうしても『松任谷由美』の『中央フリーウェイ』を歌ってしまう。
府中競馬場を過ぎる辺りで空が明るくなり始め、新宿に至る頃には夜は明けていた。途中いくつかのパーキングエリアで休みながら行く。事故や渋滞もなく、車は快調に流れ、0430起き位でもよかったかも知れぬ。
やがて成田に到着。車を業者の駐車場に預け、空港までその業者の車で送って貰う。要人の出入りや重要イベントがなかったせいか、検問などもなく、あっという間に空港に着く。
まだ旅行会社との待ち合わせの時間に余裕があったので、空港内を縦横無尽にうろつく。もう既に外国人だらけで、外国語だらけであった。
「早く香港$が見てみたい。とっとと換金しちまおうぜ」
という訳で空港内の銀行で換金する。香港$紙幣は何だかおもちゃみたいだったし、おまけに同じ100$でも柄が違う札があるのだった。
換金レートは18円だったので、36000円代えて2000$になった。
やがて航空会社のカウンターが開いたので各種手続きして、いよいよ出国審査に向かう。
何か聞かれるのかと思っていたが、何のこともなく、パスポートをみてはんこをぼんとおすだけであった。その間無言。長く感じたが、3分とかかっていなかったであろう。
出国審査を過ぎるとそこは日本の外である。だからデューティーフリーの店が並んでいた。ここで買わなくても香港にも山ほどあるだろうと思い、軽くスルーするに留まる。
やがて全日空HK909便に搭乗。さらば日本、しばしの別れとばかりに ボーイング777テクノジャンボは成田の大地を蹴飛ばして空に舞い上がった。
薄く雲のかかった空は結構揺れたが、順調にトラフィックパターンを上昇していく。
やがて機は水平飛行に移り、高度10700mを時速700kmで巡航していた。
Bは早くも機内サービスのビールを飲んで良い気分の御様子。結構飛んだかと思ったら、まだ四国の南を飛んでいたりして、結構時間のかかることを再認識させられる。そんなこんなで機内食を食っているときにもまた揺れた。隣の香港人のコーヒーがひっくり返るくらい揺れた。
で、着陸であるが、やっぱり揺れた。今、一気に100m位落ちたんじゃねえか?って感じで。到着は定刻の15分遅れであった。
そういえば香港の空港は、昔啓徳空港とかいう空港で、ビルの上すれすれを飛んで着陸するのであったが、最近新しい空港になって、そうではなくなったらしい。
新しい空港は新しいだけあってきれいで広かった。
どきどきしながら、入国審査に向かう。入国目的を聞かれたらサイトシーイングっていうつもりだ。なんて考えてたら、列の前のデブが書類に不備があったらしく、大いにはまって待たされイライラした。デブの野郎、びびって発汗していやがった。ボケが!
ならんでいる最中、サラリーマン風の日本人が「いやあ、香港はあまり匂いしませんねえ。韓国は焼肉臭かったですけど」なんて「海外通」ヅラしてのたまっていてムカついたので、聞こえるように音高に舌打ちしてやった。
ロビーに出て、他ツアーの連中を待つ。Bがトイレに行く。おれが荷物の番をしながら座っていると、人の群れがこっちに向かってやってくる。
なにごとか〜!と思わず腰を浮かす。どうやら香港の芸能人が来たらしい。
なぜかおれ様の座っているベンチのそばでポーズをとったりしている。
思わず圧倒されていたが、ふとインチキな我に帰り、「誰だか知らんが、写真んに撮っておこう」とカメラを取り出すが、その彼はもう動き出してしまっていてうまく撮れなかった。
潮が引くように追っかけ達も消え、Bが戻ってくる。今の不思議な出来事を話すが、Bは無感動であった。
やがて現地ガイドが出発を告げる。ガイドは2人いて、1人は背の高い顔をよく見りゃ良い男。もう一人はデブであった。おれ様はデブの方に「ウーアルカイシ」という仮名を付け、そう呼ぶことにした。のちにカイシはカメラマンであることか判明したが、本名は謎のままであった。背の高い良い男のほうが偉いらしく、カイシにあれこれ命じていた。
香港はこの日気温25度、湿度は85%。過ごしやすい日になるのだろうか。初めてのおれ様には分からない。
空港から市内へのバスの中、背の高いガイドが自己紹介し「ニン」という名であることを知る。(しかし後に漢字では「林」と書く事を知った。だからニンではなく、「リン」の聞き違いかもしれなかった)
で、ニンが円からHK$への換金を申し出てきた。おれ様はぼったくりかと思ったが、レートは16.4円で、成田で換金するよりずっと好レートだった。もう既におれ様はぼったくられていたのであった。
バスの窓から見る香港は、すごい高層ビルだらけの未来都市のようであった。きれいですごい高いビルがある中で、「これいつ建てたんだ?」って位コンクリむき出しのこ汚いマンションがあったりして、それが渾然一体と混じりあっていて、なんかこうエセ心をくすぐるいい感じであった。
やがて、ホテルに着く。われらが泊まるホテルは「グランドタワーホテル」というホテルであった。
このホテルには我らの他にタカダとかいう一人旅のおっさんが泊まるらしかった。ホテルの正面はネイザンロードに面していて、地下鉄のモンコック駅から徒歩0分って感じのアクセスのいいホテルであった。
裏は、後に築後80年と聞いた薄汚ないマンションの風景。妙に良い景色より、こっちの方が不思議と落ち着く。
部屋で一服する。テレビをつけるとちびまる子ちゃん広東語バージョンが放映されていた。
そして早速街に出る。ホテルの裏にはセブンイレブンがあって、香港の怪しいお菓子やカップラーメンを見た後、地下鉄に乗ってチムサーツァイに出る。
おれは着るものなどは現地で買えばいいと考えていたので、何ももって来なかったのだが、正解だった。ネイザンロードをぶらぶら歩いて「BOSSINI」という香港のブランドの店でTシャツなんかを買う。この店はこの後どこにいってもあって、安くていい店であった。Bとおれ様の間ではこの「BOSSINI」が大流行するのであった。
晩飯、ふらりとホテルの近所の店に入って見る。ここはどうも大衆食堂的な店で、観光客向けというよりは、地元向けって感じらしく、店の中は結構繁盛していた。2階席に通される。席には手書きのこ汚い字のカードが置いてあって、それが今日のおすすめメニューであるらしかったので、二人ともそれにする。このあと、早口の広東語で何やら聞かれ、二人ともさっぱり聞き取れない。チップを所望しているのかと、10$コインを出すが首を振る。
結局、メインの皿のご飯を炒めるのかどうするのかと聞いていたらしい。
一品目はピリ辛のスープとパン。つぎがメインの料理だった。炒飯の上に豚の肉が乗っているのだが、その豚肉がブロック肉を骨ごと叩き切って焼きました、って感じの豪快さだった。量も豪快で、おれ様が一杯一杯位だったから、女の子だったら絶対残すだろうなと思っていたら、別のテーブルの地元ギャルは食い尽くしていた。さすがだ。
そういえば、外国の水はヤバイって聞くけど、こういう店で出される水って大丈夫なのだろうか。少し飲んだが、結局大丈夫だったようだ。あるいはおれ様の消化器が香港の水に勝ったのか。
食い終わる頃、再び店員が来てまた何やら聞かれる。飲み物について聞いているらしいが、我らはいらないという。しかし、コースの中に入っている飲み物のことをいっていたらしい。やっぱり聞き取れなかった。
あと、「おすすめのを」とか「おまかせで」って広東語を知っていたら便利だろうと思った。だされたのはチャイみたいな煮込んだお茶にミルクと砂糖をたっぷりぶち込まれた代物だったが、おれは全部飲んだ。
最後はデザートでアイスクリームが出た。まずまずだ。これで59$だから大体1000円位か。安い。味もうまかった。ううむ。食は中国にあり。
部屋に戻る前に「ブルーガール」という香港ブランドの瓶ビールやら水やらつまみを買って帰る。部屋に戻ってから栓抜きかないことに気付く。うかつ。
一本は強引に鍵でこじ開けたが鍵が変形したので2本目はあきらめた。ビール自体はまあまあうまかったよ。
夜の蝶を狩りに行こうとのおれ様の提案は無視され、ふたりともおとなしく寝る。
ねこかぶり通信に戻る 2日目へ