ねこかぶり通信1999年2月号 Written by Sakuzo
2/28という客どもは昼近くまでだらだらと眠りを貪った挙句、朝ご飯までご馳走になり、逃げるように去った。つくずく最低な客であった。
そののち、この面子でパチンコへ行かないはずがないという、おれ様の恐れは的中し、白石のジョイフルにいく。全員当たっている中、一人じっくりと有金全部を溶かした。近所の郵便局で金をおろし、さらにやられて終了。
傷心のまま部屋まで帰ってくる。そして枕に顔をうずめて、声を殺して泣いた。買う予定だった『椎名林檎』の『無罪モラトリアム』や、『スクーデリア・エレクトロ』の『レインボー』はもう買えない。
2/27今日は夜からすすきので大学の友人たちと飲酒する。高校のときの友達などは、なんだかもう「感覚がずれてしまって」いて、話なんかもちょっと気を使ったりしなけりゃならないこともあったりする。だが、きょう会う者どもはエセ者どもなので、気を使わなくてよい。しかし、うち一名はもう父親。人生はいろいろである。考えさせられるものだ。
夜更け、同行者のうちの一名の実家で泊めて下さるというので、車で向かうも、そいつは既に完全につぶれており、家の位置が分からない。車からそいつを蹴落とし、雪と寒さで目を覚ませる。こうしてそいつの実家にたどり着き、まえのめりに布団に倒れ込む。時間はもう夜中の3時過ぎ。お布団をひいて待っていて下さったうえにこんな夜更けに上がり込むなんて、なんて非常識な、なんて図々しい、なんて迷惑な客であろう。などということを考えながら無意識の混沌のなかへひきずり込まれる。
2/26月末は忙しい。荒井先生はもっと忙しいらしい。忙しいなりに幸せそうな荒井先生の姿を物陰からそっと見つめる度、はらはらと涙がこぼれて止まらない。この幸せがもっと長く続けばいいのに。あの子にいつ真実を告げようかと悩む。いっそのこと、あの子を殺しておれ様も死ぬか。
いや。もう少し中嶋先生の『ガッハッハ。さくぞうよ、パチンコってのは簡単だなあ、オイ。座ってるだけで車が買えるぞ』という言葉を信じて待ってみよう。
2/25プレイステーション『アイドルプロジェクトすずきゆみえ』である。このゲームをしつこくしつこく勧める知り合いがいた。そしてたまたま訪れた中古ゲーム屋で、このゲームが980円で投げ売りされていたので買ってきたのであった。実写モノだし、ありがちな育成シミュレーションだし、クソゲーか?とも思わせたのだが、案外面白かった。2時間以内に終わるお手軽さも至極よろしい。これで980円ならまずまずだ。先入観は心の目を曇らせる。でも『ツインゴッデス』は買わねえぜ。
2/24今嫌いな外人タレント。いいとものマッスルとデーブ・スペクター。デーブといえば、デーブ大久保も気に入らねえ。あのギャクセンスは理解できない。 元巨人だし。同じ元巨人でも宮本はまずまずだ。
ゲーセンで取った『ときめきメモリアル』のシングルCDを聞く。あなどれない。先入観は心の目を曇らせる。
2/23インフルエンザの話を聞きにいく。おもしろかった。
部屋に戻ってきて、つらつらとTVを見ていたが、この時期にCMを流す代々木ゼミナールの無神経さに腹がたつ。あの頭に電球が付いているキャラクターも気に食わねえ。即座に明日、5分おきにイタ電をかけまくろうと心に誓う。それから荒井先生に頼んでNUKEでも撃ち込んで貰おうかしら。でも彼は代ゼミの上野さんを愛していたからな。その後SBPに心を奪われることになるのだが。
2/22ラインシュ法。塩酸酸性とした試験液に銅板を入れると黒変する。どうだい賢くなっただろう?
「あら、暗くてお靴が見えないわ」
「どうだ、明るくなっただろう」(成金)
「どうだいスカッドしただろう」(フセイン)
2/21朝起きて、変なアメコミ風のアニメを見る。もう二度と見ることもないだろう。そのあと笑っていいとも増刊号を見て、お昼に米をとぎ、レトルトカレーを温めて食らう。
満腹になったら眠たくなったので寝る。起きると16時。コンビニに電話代を払いに行き、晩ご飯のたねを買って帰ってくる。
2/20朝起きて、気分が悪かったが、出かける。駅前方面に出て、CDと本を買いあさる。ついでによったデパートで中古CD市と古本市が開催されていたので、ちょっとなめてみる。
本日getしたものども。『solveig』の『analog』、『anderworld』の『beaucoup fish』、『patty's Oblien』で『I'm in BLACK』、『エスレフノック』の『最小公倍数』、『Round Table』の『Big Wave '71』、『ベレイ』の『やさしい花びら』、『有頂天』の『カラフルメリイのふった街』、『レネ・マーリン』の『天使のように』、そして『パッヘルベルのカノン』。古本市で見つけた「遊佐未森」の「空耳見聞録」。
そしてまたぞろ汚れていた車を洗い、パチ屋でやられる。こんなことなら素直に『エリーのアトリエ』と『トゥルーラブストーリ2』をかっとけば良かった。そういや、ミスドで皿を貰ったよ。これでもうどんぶりでスパゲッティを食べなくてもいいのね。
2/19めちゃめちゃくだらねえ用事のため、早く帰る。
用事の最中に、カブトヤ薬局の話とか、バイアグラの話とか、おっさんの昔の武勇談などを聞かされ、苦笑いを浮かべるしかない状況に追い込まれる。
挙句の果てに酔っ払いの世話をし、余計な仕事を押し付けられて帰ってくる。午前1時。
今の気分を一言で表わせと言われるなら、「ボケがっ!」って感じ。
2/18天候は一転、猛烈な寒気に襲われる。ジェーンは白い塗装でもしたかのように霜で真っ白。気の毒なことである。
昼休みを利用して旅券申請のため、出かける。3月上旬には世界にはばたくスタンバイが完了だ。「slash with knife」という画集を求めて近所の本屋をうろついたが、存在を確認できなかった。かわりに「コーネリアスの惑星見学」、「電波系」という本を買って帰ってくる。
相当躁なのわたしの躁。
2/17お小遣いを頂戴した。おれ様の最悪な人は毎月毎月毎月毎月「今日給料日だな」と言うのが好きなのだが、最近では皆が相手にしてくれないせいか、そのセリフを聞かない。
夜、灯油を買いに行き、ついでにジェーンにガソリンを補給する。タンクに半分レギュラーが残っていたので、ハイオクは入れなかった。
今日は暖かくて、雨模様であった。ジェーンも泥で汚れていたので水をかけて洗ってさしあげた。
波羅密多時わたしは自由自在よ。あーなたの心に組込まれるの。
2/16今、おれ様の世界の最悪と言えば、アノ人だ。蹴っ飛ばしたらさぞすっきりすることであろう。クビを覚悟して半殺しにするか。この会社の安定性と将来性も一緒に蹴っ飛ばす結果になることは見えているが、別にここじゃなきゃダメってわけもなし。第一、ウダウダ考えてるとスピードが落ちる。アイルトン・セナ。「すいません。ヤツがムカついたのでやりました。長いコトお世話んなりました」いや。いいかもしれねえなあ、それも。人生いろいろで。パクられる人もいるし(笑)。
2/15風呂釜の掃除を実行する。多くは語らないが、君たちの家のお風呂もじっくり掃除するべきだ。あんなものや、こんなものが出てくるんだぜ。そして気持ちよく風呂に入ろうと思って風呂を沸かしたのだが、取り切れなかったものがまだ残っていたらしく、気持ちよく風呂に入ることはできなかった。「風呂沸かしてアカすり殺すぞ」というせりふが思い浮かぶ。
2/14バレンタインデーであった。今日から破恋多淫泥と漢字表記することをアライ先生に提案するも、1秒で却下される。長年エアチェックして記録していた音楽テープを、すべてMDにしようと思い立ち実行するも、費やす時間と金が半端でないことに気が付き、ショックのあまりにそのまま後ろに倒れ込む。
気が付くともう夜。「母をたずねて3000リーグ」を見て涙し、風呂場で唐突に代ゼミのエレベータの件を思い出す。
2/13万国の労働者たちには悪いが今日はだらだらと過ごさせていただく。ゲームをやり、飽きたら本を読む。そして眠くなったら寝る。お金もないし、部屋で大人しく膝を抱えて座っていよう。
2/12休みと休みに挟まれた金曜日。忙しいだろうなーと恐る恐る出勤すると案の定忙しかった。「ははは。思ったとおりだ。読み切っていたぞ。ざまーみろ」と心の中でガッツポーズ。でも何の役にも立ちゃしねえ。忙しいのは忙しいのだ。
ふらふらになって帰る。部屋で食い物を漁るが、サバの缶詰しかなかった。しかも4個。一人サバでパーティをする。BGMは当然『フランク・シナトラ』の『サバの女王』である。しかも挨拶は「サバ?」。テニスはサバチーニ。まんがは「さいとうたかを」の「サバイバル」。
奥さんサバ買わねえか。サバ、うまいよ。
2/11危なく出勤するところであった。そう。今日はゆっくり寝ていてもいい日だ。
もう一度寝ると、夢を見た。死んだじいちゃんの炭焼き小屋が舞台であった。しかしウチのじいちゃんは炭を焼いていたことはないし、ましてや炭焼き小屋も持っているはずもないのだが、どういう訳だかおれ様はそこがじいちゃんの炭焼き小屋だと「知っている」のだった。その炭焼き小屋には風呂屋か火葬場みたいなコンクリの煙突があって、おれ様はなぜかそのてっぺんに立っていて、そこから落下するのである。「板谷君、今なにやってる?」「キノコ」(by サイバラ)って感じ。
つまんねえ夢。夢判断? 落下が象徴してるのは、多分無意識への回帰であろ。ありふれた夢だ。ちなみにあまり夢のことを他人に言いふらすのは止めるがよい。知らねえ奴に夢の中まで追っかけ回されたくねえだろ。
2/10長年の付き合いだった「汎用猫型決戦兵器ドルバッキー」が死んだ。喪に服す。
2/09起きると寒い。体の上にあるべき布団がなくなっている。なぜだ。きっと誰かが夜中におれ様の部屋に忍び込み、布団をはぎ取って行ったに違いない。
今夜から侵入者と戦うため、枕元に釘バットを置く事にする。夜、わが部屋を訪れる客人は気を付けるべきである。誰も釘バットで熱烈歓迎されたくはあるまい。
2/08などとだらだら過ごしているうちに月曜日である。ちなみに月曜日は「がつようび」と発音していただきたい。案の定忙しく、ついに発狂する・・・事ができたら何と楽か。疲れて部屋に戻り、泥のように眠る。夢も見ない。
2/07昨夜はありがとう。
たまるといえば、TV番組をいろいろゴチャゴチャと録画したヴィデオテープも随分たまってしまった。見る暇も気力もないのだ。しかしそんなことを言っている間にヴィデオはたまり続け、どこに何を録画しているのかさっぱり分からない状態になってしまった。さすがにこうなると、更に見る気は失せるのであった。
とにかく今日は昼まで寝て、だらだらとすごした。掃除と洗濯をしようと思ったのだが、ついにやらず。これがやもめ同盟構成員の理想的姿といっても過言ではない。
2/06久しぶりに落ち着いた週末のような気がする。落ち着いたところで、やるべきことは何一つやらない。随分古新聞がたまっているのだが、残念ながら出す訳にはいかない。というのも、以前から来ていた老夫婦のちりかみ交換屋さんがこないからだ。いつも彼等が来るのが夜19時とか20時くらいで、ここ半年くらい、平日のその時間に家にいることは殆どないから、来てくれてもおれ様がいないという状況なのだろう。彼等には気の毒な思いをさせているのかもしれぬ。あるいは顧客の一人位いなくなっても痛くも痒くもないのかも。でも「老夫婦」って所が何となくおれ様の繊細な感受性を刺激するんだ。今夜だけは「偽善者」と呼ぶことを特別に許して遣わそう。
でも明日からはダメ。
2/05良幸は寝ていたので、そのまま放置しておれ様は仕事に行く。マゾに対する最高の責めは放置プレイだという。
昼、様子を見に帰って見ると、いなくなっている。布団にまだ温もりがある。そう遠くへは行っていないはずだ。「小夜奈良」と書かれた置き手紙を握り締めて外に飛び出す。お互い手術した体、女にゃ分かるかよ。そして思い出の学級旗を笹船に乗せて川に流すのであった!
飼い犬が手を噛むので、わたくしこれで失礼します。
2/04近所に「伝説の豚マン」とかいうフランチャイズのチェーン店ができてすぐにつぶれた。その場所は売店舗になっていたのだが、最近そこに怪しげな整体系の治療院が入った。そしておれ様は、スノーボードで転んだ際にムチウチみたいになって、首を後ろに曲げると痛いのであった。これはおれ様に、その店に行けと大宇宙意思が命じているとでもいうのであろうか。恐らく、今日歯医者に行ったとき、麻酔の効きが悪くて大変な苦痛を味わったのも大宇宙意思の予定調和の中なのであろ。中学生の耳元で「ダイジョウブダイジョウブ、ヤッチャエヤッチャエ」などと万引きをそそのかすのも大宇宙意思の仕業さ。荒井のチャリがパンクしたのももちろん大宇宙意思だぞ。
そういや高橋良幸が来た。この前塩を撒いたのに。やはりアジシオじゃ不純物が混ざってる分だめなのか。そしてこのねこかぶり通信を読んで、鼻で笑いやがったので取っ組み合いのケンカとなる。
2/03節分でござる。何の関連もなく『ユニコーン』の『素浪人ファーストアウト』を聴く。何の関連もなく『作戦要務令』を読み、何の関連もなく荒井に電話をかける。何の関連もなくエヴァンゲリオンポテトチップスを食らい、何の関連もなく水曜どうでしょうを見る。何の関連もなく欲望を執行する。
おれ様の仕事は欲望執行人。
2/02バイアグラの勉強会があった。いい大人がボッキだのソウニュウだの真面目な面して言ってるので笑いをこらえるのが大変だった。中学生の会話じゃねえんだぞ。どうにも具合が悪く、薬を貰って早めに帰る。
風呂に入り、体が暖かいうちに『フェアチャイルド』の『ウクレレ』、『夏木マリ』の『9月のマリー』を何の関連もなく聴き、パパパパパフィーを見ながら寝ようとしたが、その頃にはもう体は冷え切っていたよ。
2/012月になった。さりとて何の変化のないただクソ忙しいだけの日であった。かぜ症状は一向に良くならず、ダン・リッチ(鼻水鼻詰まりの薬)とクラビッド(ニューキノロン系抗菌剤)を開始する。副作用防止のためビオフェルミンRも服用する。
ダレダレのブギを歌うが声が出ず、くやしくて布団をかみながら寝る。
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