ねこかぶり通信1999年1月号

 Written by Sakuzo


1/31

 昨日、朝起きたとき鼻と喉が痛かった。ここのところ結構軽い痛みが続いていたので、それ程気にしていなかったのだが、今日の症状はひどかった。自覚症状から、急性上気道炎と自己診断を下し、PA錠を内服する。せっかくの休みの日だと言うのに、ついてねえ。一日中寝て過ごす。『スチャダラパー』の『サイクル・ヒッツ』を聴く。


1/30

 10時頃起きて「所さんの目がテン」を見、新聞の折り込みチラシに入っていた中古CD屋を見にいく。品揃え、値段も並み。68点をつける。『渡部美里』の『baby faith』。『コレクターズ』の『コンプリートセット』。『モサンチョキチョキズ』の『レディメイドのモダンチョキチョキズ』。『篠原ともえ』の『スーパーモデル』。『レピッシュ』の『ハーメルン』。『ドリームドルフィン』の『A GREAT MOTHER AND A SHADOW』を買ってくる。

 それらを聴きながら「テラ・ファンタスティカ」をやるが、段々とこのゲームのバランスのおかしさに気付いてきて、しまいにはサターン本体を破壊しそうになる。「恋愛感情と破壊衝動は並存している」というテーゼからすると、これもおれ様のクソゲーへの愛情なのか?

 ああ、残酷な天使のテーゼ。


1/29

 金曜日。時間は不思議。すべてのものの上に同一の速度で流れているとは、とても思えない。

 もしも願いがかなうなら、

「おれ様の言葉を曲解することなく、おれさまの欲っするところに忠実に、更に100の願いがかなうようにしてくれ。タイヤキって言って『タイヤ』と『木』を出されちゃたまんねえからな」

 欲望と言う名の男’99春。


1/28

 具合が悪い。どうも二日酔の上に風邪が重ね塗りされている御様子だ。このまま倒れて死んだら、「作蔵君は死んでもラッパを離しませんでした」と教科書に載るかしら。

 先週に引き続き歯医者。削ったところに銀パラジウム合金を入れるらしい。もうおれ様の口の中に、人の手がまだ触れない歯はない。


1/27

 なんとなく押し付けられた役職上の、なんとなく断わり切れない「おつきあい」の飲み会に出る。たまたま座った席は、「えらーい」人達に包囲されていた。勧められるままに酒を飲み、政治の話とか、お役所の仕事の話とか、一切つまんねえ話を真剣に聴く振りをする羽目に。お陰で、めちゃめちゃ疲れ、酒量も多かった。やっとの思いで部屋に戻り、そのまま布団に前のめりに倒れ込む。


1/26

 忙しい。「忙」という漢字のりっしんべんは、心を意味しているという。忙しいって事は、心が亡くなる事であろ。「あなたは生きているつもりでもすでに死んでいる」という黙示録の言葉の様に、おれさまは既に死んでるのだ。

 存在の耐えられない軽さに、荒井先生のところに無言電話をかけ、近所の健康ランドで一汗流す。


1/25

 1/24に「自分を慰める」と書いてあるのを読み返して顔を赤らめる。宗教的侵略に来ているモルモン教徒の如く「ニホンゴ、ムズカシイネー」と笑ってごまかせ。

 Bから、海外旅行をしきりに薦められる。ついその気になって、パスポートを取るため、親に戸籍抄本を送って貰う。シンガポール29800円か。ゴーゴーアジアって感じらしい。大東亜共栄圏再びって感じ?


1/24

 昼過ぎ、PC98用のソフトが1000円にて投げ売りされていると言うディープな情報を得て駅前に出る。高橋良幸は新型マシンを買いたいといい、DOS/V系を中心に店を数軒回り価格をリサーチする。ピンと来なかったらしく、今日は買わなかった。最後に中古CD屋で二人で数枚のCDを購入して部屋に戻る。

 19時頃、たばこのケムリを残して良幸帰る。今日買ってきた『swing slow』というCD。『細野晴臣』と『越美晴』の「晴れ晴れコンビ」(通れ様が勝手に名付けた)であるのでまさか大崩れはすまいと思っていたのだが、大崩れであった。

 一緒に買ってきた『秋吉契里』の『存在』がまあまあだったので、それで自分を慰める。日曜日の夜はヤダ。


1/23

 昼まで寝て、洗濯する。その後高橋良幸来る。今日は彼はコンタクトレンズを買いに来たのであった。二人で駅前に出る。コンタクトレンズ屋では、彼を待つ間、途中で買った佐高信の本を半分読んだ。その後、居酒屋で一杯飲み、パチ屋で1万ずつやられ、ワインを買って帰る。

 部屋に戻ってワインをあける。今日のワインはチリの聞いたこともない赤だったが、初めて二人の見解が一致した。このワインはハズレであった、と。

 その後、彼は真剣に『ソムリエ』を読んでいた。おれ様は『ARSNOVA』の『THE SIX SINGULAR IMPRESSIONS』そして『黒百合姉妹』の『最後は天使と聴く沈む世界の翅の記憶』を聴いて、勝手に寝た。


1/22

 あー、トカレタ・・・じゃなかった。疲れた。一人言を間違えたやつを初めて見た。by平光拓也

 そういや怪物ランドってどこに行った? まだ田辺エージェンシーなのか?ウソップランドのヴィデオってでてないのかな。しかしそんな10年前の深夜番組を今見ても面白いのかという問題もあるが。乞う。怪物ランド情報。

 夜、毒電波が飛んできておれ様の精神を苛むので頭にアルミホイルをまいて寝る。部屋の壁にも張ろうか知らん。


1/21

 『椎名林檎』の『歌舞伎町の女王』を聞いて、大層結構だったので、他の人にも貸してさしあげた。その代わりに『トライセラトップス』の『The Great Skeleton's Music Guide Book』を借りた。大層良い。最近のテレビ、FM、雑誌、CD屋の動向をみると、「今年ブレイクしそうなアーティスト」ランキングの上位に彼等がランキングされているらしい。時代について行こうとしてるんじゃないぜ。時代がついて来てるんだ。


1/20

 毎日毎日毎日毎日何の変化もない毎日毎日毎日毎日。

 毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日って感じ。

 気も狂うさ。猫の森には帰れない。なくした歌は歌えない。


1/20

 少し前に歯の詰め物がとれ、セブンイレブンのびっくりチキンカツ弁当と一緒に飲み込んでしまったらしい。いい加減に治そうと思い立ち、ついに歯医者にいく。キシロカインで麻酔されたおれ様の歯のエナメル質は大いに削られてしまう。その最中、おれ様の頭の中では『トニー谷』の『ガッポリ節』がエンドレスに流れていたのであった。『植木等』の『シビレ節』は流れなかった。


1/19

 最近、精神の具合がおかしく些細なことでも感情を爆発させている。99式感情爆撃機って感じ。爆撃するぞー! つぎはおまえだ。

 長年私の身体をエジキのトリコ・じかけとした。毎日の大事件。長年の国あらし一族さん達が明けくれ犬畜生の如きざんぎゃく戦争的大手口を用いて地下暴れもぐり社会ダマシ業。私の社会や教育会等全国的大災害となっているようです。ので。ぜひ。とも各。お役所等の方々や全国の皆々様方にも右至急お伝えおき願いあげます。全く私のいた学校や私の身体をエジキじかけに地下がくれの一族さん達か。大手口にてかくれ戦争業。国あらしダマシの長年事件と考えます。社会の皆々様方えも右至急。お伝え申し上げてくださいませ。すべて機械類に物を。言わせて暗み働きの兇悪的サギ業ぐらしの一味に。私の室内をも利用して。暗みじかけをし。かくれ込ませ。毎日。生活上非常に困った事件です。昔。私の身辺にくらしたらしい。ヤクザ族出さん一味かと想像されますので。長年私の身柄を食い物的なしかけトリコとされています。毎日。私の身辺。社会にて。しかけ。地下かせぎぐらしの田舎出さんか。私作蔵を食い物じかけとしてくらす。一味がくれの明けくれで。大事件ですので。社会の方々にもよろしくお願い申し上げます。


1/18

 今日はおこづかいが貰える日。でも、めちゃめちゃ忙しくて、貰えることをすっかり忘れてしまっていたおれ様。危うく貰い損ねるところだったが、ばっちり領収する。そう。おれ様の職場は振り込みではなく現金払いなのである。昨年末から年明けにかけて無駄遣いが多かったので、今月はパチンコで10万は稼ごうと思う。


1/17

 昼ごろ起きる。良幸が帰るというので、帰れという。思えばこいつが来なければコンタクトレンズを落とすこともなかったのだ。そう思い始めると猛烈に腹が立ち、玄関にアジシオを捲く。

 彼が帰った後、駅前まで出、コンタクトレンズを購入。給料日前に致命的な一撃を食らい、リングに沈む。

 火喰いトカゲは水に足が沈む前に次の一歩を前に出し、それを繰り返すことによって水の上を歩くという。近所のやかましいバカ犬にたらふくタマネギを食らわせたい。


1/16

 昼過ぎまで寝ている。雪が降ったり止んだりする天候であったが、ボードに行くことにする。高橋良幸は一晩露天で過ごした割にむかつくぐらいにハイテンション。おれ様も今シーズン初の滑りを堪能する。

 やがて、18時頃猛烈な吹雪となったため、やめて帰ることにする。車に戻り一息つくと、視界がおかしいことに気付く。右目のコンタクトレンズがない。なくなっている。近年稀な大衝撃を受け、首でも吊りたい気分になる。

 やむなく『山崎ハコ』の『呪い』を聞く。

 高橋良幸は勝手に鍋を作り、勝手に食って、勝手に寝ていた。その幸せそうな顔をみていると余計に腹が立ってくるが、借り物の『自殺直前日記』を読んで更に自分を追い込むことにする。


1/15

 戸塚宏のガッツポーズの夢をみる。目覚めは悪い。

 『ロケット・オア・チリトリ』の『トーキョー・ヤング・ウィナー』を聞く。付加価値だけって感じ。仕方なくオムニバスの『Taste of SWEET LOVE masterpiece1969~79』、『パール兄弟』の『六本木島』などを聞き、ゲームをしながらだらだらと過ごす。

 20時30分頃、高橋良幸来る。

 早速、郊外にあるスキー場にボードに行きたいというので、ジェーンで発進する。いつもは22時までやっているそのゲレンデは、何故かこの日、21時で『蛍の光(アイルランド民謡)』が流れていた。無駄な時間とエネルギーを費やした。この責任を追及して高橋良幸をカスタードの刑に処する。

 部屋に戻る。彼は今朝釣ってきたチカを料理しようとするが、普段おれ様が料理をしないので、我が部屋には料理に必要な装備など何もないのだった。天ぷらに必要な装備と、ボルドーはメドックの聞いたこともない銘柄の赤ワインを購入し、良幸の作ったチカの天ぷらを食らう。二人で泥酔し、仲良く並んで寝る。おれたちの愛は永遠だ。

 夜半、猛烈な腹の痛みで目が覚めた。心当たりのあるものと言えば、チカの天ぷらしかない。隣で寝ている良幸の頭をけっとばして起こし、外につまみ出す。それで腹が立ったのは治ったが、腹が痛いのは治らなかった。窓の外で何か動物の、もの悲しげな鳴き声がするがとっとと寝ることとする。


1/14

 明日から3連休ということで、世間では随分と浮かれているようであるが、おれ様の職場の場合、休み中の仕事がその前後にずれるだけで、結局仕事の量は変わらないので嬉しくも何ともない。いや、仕事がその前後に集中する分、むしろ大変だと言っても良い。おれ様はこれを「仕事量保存の法則」と名付けた。たった今。

 昼。発泡スチロールカップから紙カップに変わったエースコックのスーパーカップを食す。包装はでかいが、中味は普通のカップラーメンと変わらないような量。まさにダマシって感じで、一人食べながら怒る。寒鰤のおいしい季節になりましたね。

 青葉小学校の奴は必ず笛を吹いて帰る。


1/13

 昨日の晩、遅くまでゲームをやってしまったので眠い。980円(新品)で買ったサターンの「テラ・ファンタスティカ」だ。ジャンル的にはシミュレーションRPGになるんだろうか。ストーリーの練り込みが甘い。操作性とかゲーム性はまずまずだ。キャラデザインは山田博明っつーことで、それがウリだったんだろうが、藤島康介みたいにメジャー受けする絵柄じゃねえからなあ。これは売れなかっただろうな。つい批評しちまったぜ。おれ様的にはOKなんだけどねえ。

 がらくたが例によって問題を引き起こし、評判を下げる。所詮がらくたはがらくたよ。おれ様がいなくなるのが先か、がらくたがいなくなるのが先か。あいつ、辞めたら何処へ行っても使い物になんねえだろーな。ってゆうか、本人もそれ分かってるから、辞める気ないだろうけど。それにしても迷惑この上無し。最低の野郎だぜ。最低って言うのは言葉通り最低ってことだ。がらくた以上に使えないやつをおれ様は知らないんだから、最低と言うほか無いではないか。

 よる、ヴィデオ。雷波少年の特番。なんとかいう3人組の『ラストチャンス』という曲のこと。売れる売れないは、要するに露出度(特にTV)という事が分かった。彼等のがんばりは分かるけど、彼等の曲より売れなかったけど、もっと良い曲は山ほどあるし、もっと過酷な運命に前途を絶たれたバンドなんて山ほどあるぞ。運も実力のうち? 左様かもねえ。かれらには売れて良かったねえ、がんばったねえと言ってあげたいが。まあいいけどね。売れようが売れまいが、おれ様が良いと思った曲は、おれ様にとっては良い曲なんだから。


1/12

 忙しい。昨日はそれ程ではなかったのですっかり油断していた。すげえやられた気分。『消えた漫画家』という暴露系の本が面白かったので貸したら、その代わりに「自殺直前日記」を貸してくれた。死んだら楽になるのかな。暴露系といえば、暴露本の元祖とも言える本を書いたダン池田ってどこに行った? 乞う、ダン池田情報。

 鈴木ヒロミツ情報「浦和のパチンコ屋で朝から夜までじっくりやられていたらしい」

 『くじら』の『パノラマ』(1985)を聞く。『メロン』(1990)の方がやはり良い。人に歴史ありって感じ。ついでに『g−cref』の『g』を聞く。こんなもんかよ『g−cref』。『明和電機』を聞きたいがお金がなくてCD買えないの。


1/11

 1/10をみて、なるほどもっともだと思った人、素直すぎ。そんなあなたはそのうちツボを売りつけられる恐れがある。気をつけるがよい。おれ様のゆうことなんて信じんなよ。音楽評論家よりあてになんねえぞ。

 うちの松金小雪の調子が悪い。起動すると、3回に1回は「エラー11’ファインダー’」なんて言って再起動する羽目になる。ノートンでスキャンして、デスクトップを再構築しても効果なし。どうしたのだろう。

 つらつらと「ねこじゃらし通信」を読んでみると、荒井の初夢の話しが載っていた。彼が夢判断を所望しているので、その望みを叶えてしんぜよう。荒井毅のみた夢。これはずばり、性欲だ。性欲がたまっているが故に見た夢だ。しかも危険な水準に近い。そんな荒井はとっとと誕生日に年齢の数だけわがままを聞いてくれる彼女を捕捉するか、即座に風俗に行くことをお薦めする。性犯罪で捕まるのはイヤだろ?って、性犯罪でパクられた人が、もう既におれ様の身の回りにいるからな。荒井が捕まれば、おれ様の知り合いでパクられた人第2号ということになるな。ああ、人生いたるところに山あり谷あり沼ありがらくたあり。行動の全ては性欲で説明できるってゆってたのは誰だっけ?コンラート・ローレンツではあるまい。


1/10

 起きてテレビをつけると笑っていいとも増刊号がやっていた。その後いろいろテレビを見て、夕方、そのあまりの時間の使い方の無為さに自ら呆れ返る。自己満足のため、全自動洗濯機を起動し、有意義に時間を使うふりをする。

 おれ様が勝手に”売れない広瀬香美”と名付けている『スウィンギング・ポプシクル』の『スウィンギング・ポプシクル』をきく。缶コーヒーを飲むとめちゃめちゃ後味が残るみたいに、音楽にも後味ってあると思う。例えば、最新の技術が使われている打ち込み系の『Scuderia Electro』を聞いた後に聞く『YMO』とガットギターでざっくりと歌ってくる『dairy echo』を聞いた後で聞く『YMO』じゃ、絶対聞いた感じが変わるって。そう思わない?それにその時々の体調とか、身の回りであった出来事によっても曲のイメージって全然変わるしね。だからおれ様は音楽評論家なんて呼ばれてる奴らの言うことは30%も信じねえ。

 それにしてもジョージアのロング缶、後味残りすぎ。


1/9

 灯油を入れに来てもらう。灯油屋さんが来るタイミングに合わせて『カステラ』の『石油ストーブ』をかけようと思っていたのだが、すっかり寝過ごしてしまい、灯油屋さんがドアをどかどか蹴る音で目覚める。まあおかげで燃料はたっぷりだ。これで1ヵ月は無補給で連続暖房が可能なはずだ。

 『カーディガンズ』の『グランツーリスモ』、『DATE OF BIRTH』の『KING OF WALTZ』、『サロンミュージック』の『O BOY』を聞き、紅茶を飲み、だらりとする。毎日こんなだったら楽ちんでいいや、と考えていたが、「永遠に続く快楽は、永遠に続く苦痛と変わらないのかもしれない」と言う仮説を思い出す。

 ほんとのこと知りたいだけなのに、夏休みはもう終わり。


1/8

 同僚が結婚し、妊娠し、出産が近くなったので退職することとなった。今日はその送別会で、ちゃんこを食いに行った。めちゃめちゃ大雪で、こんな日に出歩くのは余程のバカか、余程の大物であろ。開始時間になっても、おれ様がキライな上司は現れなかった。おれ様としては、奴はどうでもいい存在とされているので、いようがいなかろうが勝手に始めていいんじゃねえかとおもっていたのだが、さすがにそうはいかないらしく、店のそばを15分ほどうろつくも、どこにもいない。

「もういいよ。始めちまおうぜ」

というおれ様の意見が通り、いざ始まろうとしたとき、問題の人物現れる。舌打ちを禁じえない。鍋をたらふく食って、二次会にいく。うらぶれた、何とも言えないわびしい気持ちにしてくれるスナックがその会場であった。おれ様が嫌いな上司がこの会場に着くなり、めちゃめちゃ仕切り出したので皆うんざり。同僚たちに向かってほれ歌えやれ歌えとうるさいので、おれ様が『電気グルーヴ』の『スネークフィンガー』『杉良太郎』の『君は人のために死ねるか』などを歌う。店のママさんが『お世辞で』おもしろいわねえーって言ったら、がらくたが「ほら、ママさんが期待してるぞ。面白い曲歌え」などと言いやがる。かなりむかついたから『ブルーフィルム』の『ピエールとカトリーヌ』でも歌って送別会の雰囲気を破壊してやろうかと思ったが、寸前で思いとどまる。がらくたはママさんのウケを取ろうと思ったのか、突然『ゲゲゲの鬼太郎』を歌い始め、おれ様の失笑を買う。散会後、一緒の方向に向かってがらくたや職場長らと歩いていたら、がらくたが滑って転ぶ。ははは。転べ転べ!


1/7

 結局、残業する羽目に陥る。遅くまで残業して部屋に戻っても、何にもできずに寝てしまうしかない。しかたなく『東京Qチャンネル』の『Sand Wich』でも聞いて寝るか、ん? いいだろ?


1/6

 やるべきことはたくさんあるが、何にもやる気がしない。こんなときは『人事を尽くさず天命を待つ』でも聞くしかねえと、『電気グルーヴ』の『KARATEKA』を聞く。円楽さん、若竹の借金、早く、返しなさい。


1/5

 あさ目が覚めると巨大な和田アキ子になっていた。なんてことはなかった。いずれにせよそろそろおれ様の肉体に、精神を帰還させねばなるまい。だがその前に、妄想世界の中の荒井を縛り上げ、全身をオオアリクイになめ回させよう。ははは。いいザマだ。などという妄想に浸りながら仕事する。今日はそれ程でもなかったが、正月ボケのため、やっぱりだらだらと仕事する。

 だらだらしていたせいか、結局遅くまで残業する羽目になる。自業自得と言うべきであろ。部屋に戻り『イエローマジックオーケストラ』の『イエローマジックオーケストラ』続いて『Solid state survivor』を聞く。音がかるい様な気がするが、やっぱりすごいねえ。


1/4

 あさ目が覚めると巨大な毒虫になっていた。なんてことはなかった。しかし、憂鬱。働きたくない。のろのろと朝、出かける準備をし、のろのろと出かける。

 家の前に駐機中のジェーンの前を通りすぎようとしたとき、無意識のうちに追跡戦闘モードにはいる。通勤の渋滞を越え、橋を渡り、川を越えて、トンネルをくぐり、進路を北に取る。通勤方向とは逆であったせいか、いつしか渋滞はなくなり、ジェーンのパルスドップラーレーダーが見渡す限りの全方位に敵影はなかった。時速55マイル以上を維持しつつ、車載音響装置に『ザバダック』の『桜』をセットする。1曲目の『五つの橋』に不覚にも景色がにじむ。気が付けば稚内。日本の北の果てであった。重苦しい感じの灰色の雲と海。サハリンは見えなかった。

「ああ。今日は仕事をさぼってしまったんだなあ」

と今さらのように思う。家にいないので、もう、サボったことがバレているかも知れぬ。もはや戻ることはできまい。このジェーンと105ミリオートカノンの弾丸が続く限り、おれ様の逃避行は続くのだ。

<忙しさのあまり妄想世界へと逃避した男の手記より>


1/3

 ねこかぶり通信のライバルコーナー、ねこだまし通信の更新が遅れていることが気になっていたのだが、どうもかのコーナーの執筆者、中嶋東京仔が足をへし折られたらしい。気の毒すぎて笑っちゃう。

 正月休みも今日までなので、何とか有意義に過ごそうと考えるも、昼過ぎまで寝ていた時点ですべての計画は自動的に消滅する。今日は寅さん記念館に行って寅さんと写真を撮るつもりだったのだが残念窮まりない。

 最近北海道で流れているルスツリゾートのCMは気に食わない。あとJICCだったか宝島出版から出ているコンピュータ雑誌のCMも気に食わねえ。ちょっと以前では木の城大雪のCMは全く意味不明で不愉快であった。そんなことをつらつら考えつつ、少し汚れてきたジェーンを洗いに行く。

 水かけて、速攻で拭けば大丈夫だろうと思っていたのだが、この寒冷地獄を甘く見過ぎていたようだ。水かけたそばから凍る凍る。結局汚れも落とせず徒労感だけを持って帰る・・・と思ったら鍵を車内に閉じ込めてしまい、家まで歩いて帰ってスペアキーを持って歩いてくるまま出戻る。ばかばかしい。


1/2

 出番。面倒くさいがいやいや出勤する。まあ適当に暇であるが、一部の時間帯は妙に忙しかったりした。そういえば年末に話題になっていた卓球便(仮名)の荷物が届いていた。仕事場に。

 午後少し暇になり、箱根駅伝と室蘭大谷のサッカーの試合を見て部屋に帰る。同僚に貸していた『daily−echo』の『素晴しき青の世界』などが戻ってきていたので聞く。素晴しい。あと、年末に札幌で買ってきた『MATIA BAZAR』の『ANIME PIGRE』をきく。これまで随分長い間捜してきた『MATIA BAZAR』の歌が聞けるとあって期待していたのだが、ちがーう。おれ様が聞きたかったのはこんな声の人じゃなーい。と思って解説を読むと、ヴォーカルが変わったらしい。(アントネッラ・ルッジェーロからラウラ・ヴァレンテ)まあそこそこ良いんだけど、やっぱり落胆を隠せないなあ。

<急告!!!>

 これを読んでいる諸君。『MATIA BAZAR』のCDでこれ以外のものを見つけたら買っておいて。そしておれ様にくれ。おれ様の笑顔が見たかったら。

 あとついでに、10年位前、ヴェクセルバルクというインディズレーベルから出ていた『G−SCHMITT』というプログレバンドのCDも見つけたら買っておいてくれ。おれ様と君との約束だ。

 ちなみに、これは「ゲーシュミット」って読むんだけど、うかつなCD屋だったら「ジーシュミット」と勘違いして「し」のコーナーにあるかもしれないので丹念に捜すように。

 頼むよ。いやマジで。


1/1

 一年の計は元旦にありという。だからといって、昨日と何ら変わらぬおれ様。美女三万人にもみくちゃにされる夢で目が覚める。

 リミックスの『punch the monkey』を聞きながらだらだらする。これは言わずと知れたルパン三世のリミックス集なのだが、結構売れているらしい。小西康陽はやっぱインチキ者だ。(おれ様は、「いんちき」「えせ」などの言葉は好意的な意味で用いている)そういうわけで『ピチカート・ファイヴ』の『プレイボーイ・プレイガール』にCDをチェンジし、だらだら過ごす。小西の歌には「一生遊んで暮らせたらいい」という言葉が何度も出てくるが、おれ様もそれには大いに賛成だ。

 年賀状はどっかの店屋のダイレクトメールまがいのものしか来ていなかった。


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