現状はそーゆーとこで、そして今話ではヒカルに対抗できる圧力がなんもかかってこなかったので つばさの状態は良くも悪くもならなかった。 しかし何気に微妙につばさの内心にゆさぶりをかけるような力が働いてるな。 こーゆーのはいくら積み重ねてもそれだけでは大した意味を持てない (自動的に本人が反発するから) もんだと思うが、 このあたりちょいと意味不明の描写があって。
まず、スケートが滑べれるようになったシーン。
これにかかるメタファは自明のこととして、 ああ、こまかいこといや、ヒカルの靴のヒモが切れた時点でつばさも独りで滑べってるので そのことに言及して「ヒカルが手を離した時に初めて滑べれるようになった」 というイメージをキャンセルしておくべきだった ... が、ヒカルは見てないので置いておく。
よーわからんのが、つばさがヒカルの補助なしで滑べれるようになり、 みなが歓声あげたとこでなんでつばさの表情が暗くなる? メタファそのまんまの解釈つなげるとヒカルからの自立を皆も支援 ... ということになるが、 そのことをつばさはネガティブに考えてしまうっつうとこまでふみこんでええんか? 確かに今の段階でヒカルから離れることをポジティブに考えるのは無理だとしても。
二点目。理科の実験でつばさがヒカルの班をみつめてぼーっとなってたシーン。
翔の両親からの手紙を読み上げるところでヒカルを見、ヒカルがそれに応えた ── ということを重ねたとみて、ヒカルが返事をかえさなかった (つばさが見てるのに気付かなかった) のを 残念に思った ... というのが第一感だったが、この場合、健太の意味が分からない。
スケートで時夫が絡んだ時の件といい、 ヒカルを (この場合は健太に) 取られるのではないかと恐れている ── という描写でいいのか? 時夫のケースとは異なり、健太という存在を識別しているので、もちょい違う意味がありそうな雰囲気なのだが ... どーもなぁ、ヒカルへの単純な依存というだけでは計り知れない何かが つばさの内心で進行中?
つばさは意思、価値観のあらかたを放棄し、 結果、つばさからはヒカルを切り離したいと思うことはありえない。 ヒカルからはまだつばさを切り離したいと思うことがありえる ... が、実行できる立場かどうか? ということだが。
もし、実行できないというなら立場はむしろつばさより弱い。
つばさは本人にとっての「自分の価値観」なるものに沿って全て自由な行動をとることができるのに対し、
ヒカルはそうでないということだから。
ヒカルには精神的に二人分の負荷がかかってるから、
もしヒカルが自力でつばさから離れることができないとすると潰れるのはヒカルが先になる。
さて、ヒカルはつばさにに対して「あたしが絶対に守るからね」と宣言した。 ふつー、こう言う時はつばさの精神的なものも含むっつうか、 物理的な面で「守る」必要があるケースのほうが少ないので「守る」という単語はそっちを含まないと使い途がないが、 ... ここで言う「守る」は限りなく「つばさという物理的存在」を守る、という意味しかないような気がする。
たとえば、独りになって不安になったつばさがヒカルをみつけて走り寄ったのに対し、 ヒカルは「どうしたの?」 ── つばさの状態を認識せず、不安に対して(過剰に)反応してもいない。 つばさの精神的な健全性にほとんど注意をはらってない。
健太と時夫達の喧嘩でつばさが止めに入ったシーンにおいて、 つばさが精神的な支えとするためにヒカルの手をぎゅっと握った時にヒカルは握り返さなかった。 やはり、つばさの精神状態にヒカルは反応してない。
一方、ヒカルがつばさの精神に踏み込んだと解釈することができるのは 3 回ある。
飛鳥の家にて、母親の話になり友達がおおむね母親の否定に走った時、 ヒカルは母親の存在を養護した。つばさの内心での母親の位置付けの補強 ... なわけだが、 このあたりヒカルは一度もつばさを見てない。つばさをかばったのは偶然かねぇ。
もうひとつは自分の病状を隠したってことだが、なんかモロに #12 のテーマのようだからこれは省く。
マギュアとの戦闘において、つばさの苦しみをやわらげた。 これ、このコンテクストで解釈していいのかすら分からん。ヒカルがそれと知ることができるほどの つばさの異常には反応するが、とりたててつばさのことは見てない ... ってことかな。
そーすると、ヒカルの状態はあまりよろしくないが、自力復活できないほど悪くもない、ってあたり。 つばさに降伏したんでなければ、とくにヒカルについて心配する必要はなさげではある。
そしてまた、ヒカルがつばさの精神的な防壁となるという意味合いがないのであれば、 つばさに対する圧力は従来とあんまりかわらんということでもあったりする。
「つばさちゃん、真似ばっかし」で、どーやってつばさを切り離すかってことで、笑ったのが↓
「いっしょに滑べろうよ」つばさをヒカルからひっぺがすのは翔くらいにしか出来ねぇだろ。健太にもまだ無理だ ... つうか、近い将来も無理だと思うんだが、 つばさからヒカルをひっぺがすのはそーいやーヒカルの協力があればなんとかなるかもしれん。 目的のためには向きはどちらでもいい。
その役を青山に振るのはちと ... いやかなり腹立つが、このさい青山でもいいや。 即決で断られてたけど(笑)。
てーか、健太による救出とヒカルの礼へ流れ、あんたらほんとに小学生か ...?
だが、すくなくともヒカルは DD 達と話すときはモードが切り替わる。 #7 時点では、そちらがヒカルの本来のモードだった ... つまり、周りに誰もいないときにどちらのモードにいるかってことだが。
#11 で怪我をして、回復まちで家で寝ているシーンで「学校行きたいな」にはひっくり返った。 人間としてのモードが表に出ている ... 主客逆転はけっこー重大なイベントのはずだが、 えらくあっさり流されてるんですが、ええんか、そんな表現で。
つばさから見た場合について。
フィギュア形態になったときに、 つばさの隣にはヒカルがいない (ゆえにヒカルにしがみつくことはできない) のみならず、 フィギュアをコントロールしてるのはヒカルなわけで、 ヒカルがつばさを恐い目に合わせているという形になっている。
つばさの内心でこれがどう整合してるのか、つまり、
物語中では徹底して双子であると言う描写になってるが、 じつのとこマギュアとの戦闘になるたびに「ヒカルは人間ではない」という認識が 二人の頭にたたき込まれる。依存が強くなってくると、この認識そのものがかなりのストレスとなるはずだが、 ... さて。
ところで、この部分、飛鳥を先に動かすかヒカルを先に動かすか ...
で脚本家のこれから先の話のもってきかたが
わかるかとおもった部分でもあるのだが、... つばさを動かすとは思ってもみなかった。
しかも途中からヒカルに繋ぐのでなく、ラストまでつばさに言わせた
(つばさが言い終わったあとにヒカルが補足するぶんにはかまわない)。
スケートが滑べれるようになった「後」にもってきていたこともあって、 インパクトはそれなりにあったが、 すまん、つばさの驚愕すべき:-)成長を喜ぶシーンなんだろうが、 このあたりのシーンは他に考えることが一杯あってそれどころやなかった。
11 話の調子がコンスタントに病的なら
こちらも対処しようがあるが、ガード外した瞬間にとはまた。
ネタとしては軽かったが、ガードが外れてたぶんだけ痛かった。油断っつうのか? これも?
おかげでラストは
もーさすがに予防線はっとりましたともよ。まったく音楽まで使って「ほんわかせい」と言われてもね。
ところで、 ヒカルが「母親」に興味をもつのは当然として、 そこからの流れが母親の否定に流れ(まあ、当然だな)、 さらにそれをヒカルが否定するということで何気にかつてのヒカルの立場を肯定してるのだが、 つばさは聞いてても理解はしとらんのだろーな。
もひとつついで。家ん中でも名札は外さんの?
と思っていたが、いちおー認識してはいたのね。
にしても ──
「調べてほしいの。... なんか変なの。あたしの身体」
だぁっ! こんなところで切るんかいっ!! しかも 2 週間あくんかいっ!!