『カードキャプター さくら』 #66 の感想

初出

粗筋
わたし、雪兎さんが好きです ──
概観
とても「粗筋」はいいがたいが、まあ、いいよね、きっと。散文的にまとめる気のせんとこだし。
物語の筋道というレール
フィクションというものが好かれるのはこういうあたりなんかな。
話がレールに乗ってしまっていて、右にも左にもブレられない。 どの人物のどんな視点からもレールを壊すことができなくなっている。
見てて安定感があるつうか、予定調和があるっつうか、さくらの視点にせよ、小狼の視点にせよ、 かなりの不安定感を感じないといけないような気がするが、 どんなに感情移入しても、不安定感まではない。 動物園の檻の向こうのライオンに(安全距離ぎりぎりまで)近付くような、 その程度のスリルとそういう安定感。
最大のヤマとすべきところだからこそ、 一言でも二言でもいいから、ラインから外れたセリフが欲しい。ゼータクかなあ。 でも『エヴァ』は どうかすると視聴者にむけて切りかかってくるような話だったからねぇ、... 竹光だったにせよ。 たとえば、
「でもねっ、そうじゃない『好き』も、雪兎さんにはあったの ...
ほんのちょっとだけど、お父さんとは違った『好き』が ...」
あったんなら、雪兎に問われた時にそう答えていれば、どうなっていたか。 「さくらの一番は雪兎でない」と雪兎が先に明言する形で誘導尋問的になっていたから、 これを壊すところから形を作らないと話がレールに乗る。

自分を安全地帯に置くのは嫌いじゃないが、 用意された安全地帯に押し込められるのは嫌かも。
というわけで、 芸の細かい知世の表情の動きの順序とか、 ぎりぎりまで削られてしまった小狼の筋とか、 読むべきところは妙に多かったんだけどぜんぶ略。

今回、この一言
「出来るか? 俺に」
わざわざ本筋から外す奴 ...
一瞬芸だけど、かっこよかったっす > 小狼
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