筆者の思いつくまま、「太陽にほえろ!」に関することがらや、もしかすると番組とは全く関係のないことがらまで、気まぐれにつづっていこうかと思います。初回は、七曲署の組織について研究してみます。
「太陽にほえろ!」での警察機構の描写は、リアリティを追求したものではありませんでした。警察を舞台として近年ヒットしたドラマ「踊る大捜査線」が、”リアルさ”を求め、細部にまで拘っていたのと比べてしまうと、描写に統一を欠き、刑事に下された辞令などの小道具も間に合わせ的に作られたものでした。しかし、そもそも「太陽」制作を企画したプロデューサー岡田晋吉(おかだ・ひろきち)氏は、「太陽」を刑事ドラマというより青春(アクション)ドラマと捉えていたわけですから警察機構が曖昧に描かれても仕方ありませんし、また、当時は一般家庭にビデオが普及しておらず、映像を一時停止して細部を確認されることなど予想もせず制作していたのでしょうから、小道具が間に合わせ的なのも仕方ありません。
このような曖昧さがあるなか七曲署の組織概念図を作ってみました。この図、解釈とも当然、非公式なものです。
「太陽」では、一係係長の上司として、会社組織などにみられる課長や部長というような役職、たとえば捜査課長なる者の登場はみられませんよね。そのようなことを考えると、一係などすべての部署は署長直属だと思うのです。署長からの指示だって、いつもボスこと藤堂係長に直接でしたから、いわゆるピラミッド構造ではないと解釈します。
一係(殺人・強盗・傷害などの凶悪犯罪担当)のほか、二係(詐欺、密輸などの経済犯罪担当)、三係(スリなどの窃盗犯罪担当)、四係(暴力団犯罪担当)、少年係、極左取締本部が「刑事」と呼ばれる私服(警察官)グループで、交通、派出所が制服警察官グループです。後方支援グループには、鑑識のほか、逆探知担当、拳銃支給担当などの部署が含まれるものかと。
そして、一係が交通事故でも、どんな事件でも捜査するという疑問がありますが、これは次のように解釈できます。それは、いわゆる捜査(司法)に関わることがらのうち、ほかの係が一般的に取り扱うもの以外については、すべて一係に捜査権限があるというものです。だから、一係の刑事は、派出所の警察官に対していろいろ指示ができるのだろうと。もしかすると、一係の係長は、署長の次に権限が与えられているのかもしれませんね。
以上のような解釈をしてみましたが、これって、「踊る大捜査線」やほかのサスペンスドラマによって私たちが現実の警察機構について知識を得る以前の、警察の漠然としたイメージと同じじゃないですか?
まだ、一係の刑事がたった7人や8人で手が足りるものなのかという疑問が残りますが、それはまたの機会に。
★再掲載 「太陽にほえろ!」放送30周年記念ドラマ「プロフェッショナル」の提案
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2008/3/8