FUJIFILM FD-A1

 パソコンの周辺機器はそれこそ毎年星の数程登場しますが、この商品はその中でも特に際だっていました。事前にアナウンスされていたにも関らず「本当にそんな事が出来るのか?」と、実際に出るまでは誰も信じなかった(当然私も(^^;))商品というのも珍しいと思います。
 それだけに、これが店頭に登場した時は、その仕組みが一体どうなっているのかとこぞって購入し、一時完全に店頭から商品が消え、次の入手までは1ヶ月以上かかると言われていました。
(実際はそんな事はありませんでしけどね(^^ゞ)
 さてさて、前置きが長くなりましたが、この商品を紹介したいと思います。と言っても、既にお分かりですよね?

 これは、スマートカードの内容を3.5インチフロッピーディスク装置で読み取る為のアダプターです。

「せんせー、スマートカードって何ですかー?」
「よい所に気づきましたね。それを知りたい場合は、OLYMPUSのC-820Lの所で説明しているので読んでくださいね」
「はーい、せんせーわかりましたー」

 すみません、お遊びが過ぎた様ですね(^^;)。さてこの商品、名称はフラシュパスと言います。まさにFUJIFILMがデジカメ時代の申し子として登場させたこのアダプター、結論から言うと「かなり使える」という事になります(^^ゞ。それでは、これを使う過程を見てみましょう。尚、OSは言わずと知れたWindows95(OSR1)です。

  1. フラッシュパスにボタン電池を入れる。
  2. 添付のフロッピーディスクから、フラッシュパス用のドライバをパソコンにインストールする(setup.exeをエクスプローラーから実行)。
  3. パソコンを再起動する。
  4. フラッシュパスにスマートメディアを差し込む。
  5. パソコンのフロッピーディスク装置にフラッシュパスをセットする。
  6. エクスプローラーでAドライブを覗きに行く。

 はい、これで無事に内容が読めました。めでたしめでたし(^^)。さらーに、当然と言えば当然なのですが、フロッピーディスク特有のガーガー言うアクセス音が全くしないので不思議な感じがします。まさにサイレントリムーバブルメディアという感じでしょうか。MOより確実に静かです(^^)。

 このアダプターに対し、今回、私の方で勘違いしている事が一つありました。それは、「Windows95のOSR2以上じゃないと、このアダプターは使えない」という事です。これは半分間違いで、実際には「NECのPC-9821でWindows95のOSR1を使用している場合、フロッピードライバーをアップデートする必要がある」というのが正解です。DOS/V機であれば、95のリリース番号は全く意識する必要はありません
 この辺り、販売店員の方でも混乱している様で、私が買った店でも「OSR2以上でないと全てのパソコンで使えません」と力説していました(^^;)。そんな事はありませんので、お間違えの無い様に(^^)。
 尚、このフロッピドライバーはNIFTYやBIGLOBEからダウンロードする事になりますが、FUJIFILMに直接問い合わせればドライバーを送ってもらえる様です。

 さて、実際のアクセス速度ですが、これはフロッピー装置のアクセス速度に関係するので、当然それ程早い速度ではありません。しかし、今までスマートメディアを使うデジカメから専用シリアルケーブルで読込むよりは格段に早い筈です。そこで35万画像と、82万画素の各画像ファイルを読込む時間を三回測定し、その平均を出しました。以下の通りです。
 尚、使用した機種はHITACHIのFLORA500TAです。

474KのJPGファイル(82万画素):19秒7
60KのJPGファイル(35万画素):4秒5

 この数字で考えると、例えば8Mのスマートメディアで120枚撮影した場合、その時間は単純計算で540秒。つまり9分で全てパソコン側に読込める計算になります。同じ条件でシリアル伝送ですと、30分以上はかかっていましたから、これは中々早いという事になります。これを見ただけでも、スマートメディア型のデジカメを持つ人にとっては「買い」と言えるでしょう(^^ゞ。
 尚、このフラッシュパスが、これから出る16Mに対応しているかは不明です。同じFUJIから出るのですから、こっそり対応してくれていると嬉しいのですが(笑)。

 このフラッシュパスのもう一つの利点としては、まだメディアが高いので実用的では無いのですが、パソコンに外部装置を追加する事無く8Mのリムーバブルメディアとして使用出来る事です(無論読込み先でドライバーインストールは必要ですが)。8Mはまだ5、6千円しますが、今後は16Mの普及と共に値段が下がってくるでしょうから、そうなるとさらに面白い商品となるかと思います。
 現在、LAN環境に接続されていないノートなどへ、一寸した大きさのアプリをインストールする場合にも使用しています。FPD装置は大抵のパソコンに装着されていますから、こうしたアダプターは本当便利です(^^)。